第494条【供託】
① 弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。
一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。
二 債権者が弁済を受領することができないとき。
② 弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。
目次
【解釈・判例】
1.供託とは、債権者が弁済を受領しない場合に、弁済者が弁済の目的物を債権者のために供託所に寄託して、債務を免れる制度である。弁済の提供をすれば、受領されなくても債務不履行の責任を負うことはない(492条)。しかし、債務が消滅するわけではないので、債務を消滅させるために供託という制度を利用することになる。
2.供託は、供託者と供託所との間に締結される第三者(債権者)のためにする寄託契約である。
3.供託の効果
(1) 供託によって、債権が消滅する。
(2) 供託がされると、債権者には供託物還付請求権が発生する。