民法 第436条【連帯債務者に対する履行の請求】

第436条【連帯債務者に対する履行の請求】

債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

目次

【解釈・判例】

1.意義

連帯債務とは、数人の債務者が、同一内容の給付について、各自が独立に全部の給付をなすべき債務を負担し、しかもそのうちの1人の給付があれば他の債務者も債務を免れる多数当事者の債務関係をいう。

2.性質

(1) 連帯債務は債務者の数に応じた多数の独立した債務である。保証債務における場合と異なり、各債務の間には主従の別がない。

① 連帯債務が1個の法律行為によって発生した場合、債務者の1人について法律行為の無効又は取消しの原因が存在しても、他の債務者の債務の効力には影響を及ぼさない

② 各債務者の債務の態様が異なっていても差し支えない。

→ 各人の負担する債務の額、利率、条件、期限が異なっても構わない。

③ 債務者の1人についてだけ保証債務や物的担保を設定させることができる。

④ 債務者の1人に対する債権だけを分離して譲渡することができる

(2) 債務者の1人の給付があれば全債務者の債務が消滅する。

(3) 各債務者は全部の給付をなすべき債務を負う。

3.連帯債務の成立

(1) 意思表示による成立

① 通常は契約による。遺言によって成立させることもできる。

→ 契約によって連帯債務が生ずる場合は、その契約は必ずしも1個であることを要せず、当事者は順次に別個の契約をして連帯債務を生じさせることができる。

② 併存的債務引受があった場合、原債務者と引受人との間に連帯債務の関係が生ずる(470条1項)。

③ 連帯債務者の1人を相続した共同相続人は、相続分に応じて分割された数額について、他の連帯債務者と連帯して責任を負う(最判昭34.6.19)。

(2) 法律の規定による成立

→ 共同不法行為(719条)、夫婦の日常家事に関する債務(761条)等。

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