第430条【不可分債務】
第四款(連帯債務)の規定(第440条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
目次
【解釈・判例】
1.不可分債務とは、1個の不可分給付について数人の債務者がいる場合をいう。
2.債務の目的が性質上不可分である場合
(1) 共有物を売却した場合の目的物の引渡義務(大判大12.2.23)
(2) 賃借権を共同相続した場合の賃料支払債務(大判大11.11.24)
【問題】
Aが自己所有の甲建物をBに賃貸して引き渡した場合において、Bが死亡してその妻Eと子FがBの権利義務を相続し、EとFが甲建物に居住しているときは、Aは、Fに対してBが死亡した後の賃料の全額の支払を請求することができる
【平18-19-エ:○】
【問題】
A及びBが共有する自動車1台をCがA及びBから購入した場合には、Cは、A及びBのうち一方のみに対しても、当該自動車の引渡しを求めることができる
【平21-16-ア:○】
【問題】
Aからアパートを賃借していたBが死亡し、C及びDがBの賃借権を共同相続した場合、Aは、C及びDのうち一方のみに対して、相続開始後の賃料全額を請求することができる
【平21-16-エ:○】