民法 第424条の9【債権者への支払又は引渡し】

第424条の9【債権者への支払又は引渡し】

① 債権者は、第424条の6第1項前段又は第2項前段の規定により受益者又は転得者に対して財産の返還を請求する場合において、その返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは、受益者に対してその支払又は引渡しを、転得者に対してその引渡しを、自己に対してすることを求めることができる。この場合において、受益者又は転得者は、債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。

② 債権者が第424条の6第1項後段又は第2項後段の規定により受益者又は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。

目次

【解釈・判例】

1.詐害行為取消請求の被告となった受益者又は転得者に対し、逸出財産である金銭や動産の返還を請求する場合、取消債権者は、金銭を直接自分に支払い、又は動産を直接自分に引き渡すよう請求できる。受益者又は転得者が取消債権者に対して金銭の支払い又は動産の引渡しをしたときは、債務者に対するこれらの義務を免れる。

2.債権者は受け取った物を債務者に返還する義務を負うが、金銭の場合、本来の債権と相殺することで事実上優先弁済を受けることができる(最判昭37.10.9)。

3.詐害行為の目的物が不動産の場合、取消債権者は、受益者に対し、直接自己に所有権移転登記を求めることはできない(最判昭53.10.5)

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