第398条の19【根抵当権の元本の確定請求】
① 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定する。
② 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。
③ 前2項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。
目次
【超訳】
①③ 根抵当権設定者は、確定期日の定めがないときは、設定の時から3年を経過したときに、根抵当権者に対する一方的な意思表示によって元本の確定を請求することができる。この場合、請求の意思表示が根抵当権者に到達したときから2週間を経過したときに、元本は確定する。
②③ 根抵当権者は、確定期日の定めがないときは、いつでも根抵当権設定者に対する一方的な意思表示によって元本の確定を請求することができる。この場合、請求の意思表示が根抵当権者に到達したときに、元本は確定する。
【解釈・判例】
1.根抵当権の目的となっている不動産の所有者(設定者)が複数いる場合、確定請求はその全員からすることを要する(登研443号)。
2.共有根抵当権の場合、その全員に対して確定請求をしなければならない。
【比較】
確定請求の比較
確定請求できる時期 | 元本確定の時 | |
設定者からの確定請求(1項) | 設定時から3年経過したとき | 請求のときから2週間の経過 |
根抵当権者からの確定請求(2項) | いつでも | 請求のとき |
【問題】
AとB会社は、平成23年4月1日、AがB会社の石油販売特約店となることに伴い、A所有の甲土地に、B会社のために、Aを債務者とし、極度額を500万円とする根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)を設定し、その旨の登記手続をした。この場合、Aは、平成26年4月1日を経過した後であれば、本件根抵当権の担保すべき元本の確定を請求することができる。なお、本件根抵当権の担保すべき元本の確定期日は定められていない
【平27-14-ウ改:○】