第308条【雇用関係の先取特権】
雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
目次
【超訳】
債務者との間に雇用関係にある者が雇用関係に基づき生じた債権(給料債権だけでなく損害賠償債権も含む)を有するときは、最後の6か月間の給料に限定されず、全額について先取特権の保護を受ける。
【解釈・判例】
1.退職金は、給料の後払いの性格を有するものについては、308条の先取特権が認められる(最判昭44.9.2)。
2.308条にいう「使用人」には、広く雇用契約によって労務を提供する者を指すものと解されるので、アルバイトやパートタイマーも含まれる(最判昭47.9.7)。