第246条【加工】
① 他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
② 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。
目次
【超訳】
① 他人の動産に加工して別種の物を製作したときは、加工物は材料の所有者に属する。ただし、加工による増価が材料の価格を著しく超える場合は、加工者に属する。
② 加工者が材料の一部を提供して他人の動産に工作をした場合、加工者が提供した材料の一部の価格と工作による増加額の合計額が、他人の材料の価格を超えるときは、加工者が加工物の所有権を取得する。
【解釈・判例】
建築中であって、いまだ独立の不動産に至らない、いわゆる建前について、第三者が材料を提供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合、当該建物の所有権の帰属は、加工に関する民法246条2項によって決定される(最判昭54.1.25)。
【問題】
Aが、Bの所有する甲動産に工作を加えた場合において、Aが材料の一部を供したときは、工作によって生じた価格が甲動産の価格を著しく超えるときに限り、Aがその加工物の所有権を取得する
【平31-10-エ改:×】
【問題】
建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に、第三者が材料を提供して工事を施し、独立の不動産である建物として完成させた場合の建物の所有権の帰属について、判例は、動産の付合の規定ではなく、加工の規定により決定するとしている
【平31-10-オ改:〇】