第213条
① 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。
② 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。
目次
【超訳】
袋地が、土地の分割や一部の譲渡によって生じた時は、通行権は、もとの土地の他の部分(残余地)の上にしか認められない。この場合は、償金の支払いも不要である。
【解釈・判例】
1.213条は、一筆の土地の全部が同時に分筆され、複数の者に分譲された場合の譲受人相互間にも適用される(最判昭37.10.30)。
2.土地所有者がこれを甲乙二筆に分筆し、袋地となった甲地を売却した場合、甲地の所有者は本条により乙地についてのみ通行権があり、この通行権は、その後、乙地が売却されて特定承継を生じたときであっても消滅しない(最判平2.11.20)。
【問題】
Aが、その所有する一筆の土地を甲土地と丙土地に分筆し、袋地である甲土地をBに譲渡した後、更に丙土地をCに譲渡した場合には、Bは、丙土地について無償の囲繞地通行権を有する
【平26-9-ウ改:○】
【問題】
分割によって袋地が生じた場合には、袋地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができるが、償金を支払わなければならない
【平30-9-2:×】