第203条【占有権の消滅事由】
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
目次
【超訳】
占有権は、目的物の滅失の場合の他、占有者が占有の意思を積極的に放棄するか、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者がいったん所持を失っても占有回収の訴えを提起して勝訴したときは、占有は消滅することなく継続していたものとみなされる。
【解釈・判例】
本条ただし書の「占有回収の訴えを提起」というためには、単に訴えを提起しただけでは足りず、勝訴し現実に占有を回復することを要する(最判昭44.12.2)。