第186条【占有の態様等に関する推定】
① 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
② 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。
目次
【超訳】
① 社会の事実状態を保護しようとする占有制度の目的に鑑み、社会に現存する占有は一応瑕疵のない自主占有と推定される。
② 二つの時点において占有していたことが証明されれば、その間占有は継続してきたものと推定される。
【解釈・判例】
占有者は、本条によって「善意」については推定されるが、無過失についてまでは推定されない(最判昭46.11.11)。これに対し、192条の即時取得の場合には、前主の占有が188条によって正当な権利行使との推定を受けるので、無過失が推定される(最判昭41.6.9)。