第115条【無権代理の相手方の取消権】
代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。
目次
【暗記】
相手方の取消権の要件・効果
要 件 | ① 相手方が無権代理について善意であること(無過失は不要) ② 本人が無権代理行為を追認していないこと、又は本人が無権代理人に対して追認したが相手方が追認の事実につき善意であること |
効 果 | 相手方は無権代理人との契約を取り消すことができる。 |
【解釈・判例】
1.無権代理人の相手方は不安定な地位にあるため、無権代理行為につき善意の相手方に不安定な地位から脱却する手段を与えて保護する必要がある。そこで、善意の相手方に取消権を認めた。善意であれば、無過失は不要である。
2.要件①、②を充たせば、取消の相手方は、本人・無権代理人のどちらでもよい。
3.相手方が無権代理人との契約を取り消せば、契約が無効となり消滅する。
【問題】
AがBから代理権を授与されていないにもかかわらず、Bの代理人として、Cとの間でB所有の甲建物の売買契約を締結した場合、Aの無権代理について善意であるCは、Bが無権代理の追認をしない間は、売買契約を取り消すことができる
【平26-5-オ改:○】