民法 第106条【復代理人の権限等】

第106条【復代理人の権限等】

① 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

② 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

目次

【解釈・判例】

1.復代理人の代理権は代理人の代理権を前提としてその範囲内で授与されるから、その範囲は代理人から授与された範囲内に限られる。したがって、復代理人が代理人の代理権を越える行為を行った場合、それは無権代理行為となる。また、代理人の代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅する

2.代理人が復代理人を選任しても、代理人の代理権が消滅するわけではない。代理人は依然として、代理行為をすることができる(大判明44.4.28)。

3.復代理人は本人の代理人であるから、本人の名において代理する。復代理人が委任事務を処理するにあたり金銭を受領した場合、復代理人は、本人に対して受領物を引渡す義務を負うほか、代理人に対してもこれを引き渡す義務を負う。復代理人が代理人に受領物を引き渡したときは、代理人に対する受領物引渡義務は消滅し、本人に対する受領物引渡義務も消滅する(最判昭51.4.9)。

【問題】

復代理人が委任事務の処理に当たって金銭等を受領した場合、復代理人は、本人に対して受領物を引き渡す義務を負うほか、代理人に対しても受領物を引き渡す義務を負うが、復代理人が代理人に受領物を引き渡したときは、本人に対する受領物引渡義務は、消滅する

【平19-5-ウ:〇】。

【問題】

本人の指名に従って復代理人が選任された場合であっても、代理人が死亡してその代理権が消滅した場合には、復代理人の代理権も消滅する

【平19-5-オ:〇】

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