第103条【権限の定めのない代理人の権限】
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
目次
【解釈・判例】
1.保存行為とは、財産の現状を維持する行為である。家屋の修繕、未登記不動産の登記、期限の到来した債務の弁済が該当する。
2.利用行為とは、財産の性質を変えない範囲内で利用することにより、当該財産について収益を図る行為である。現金を銀行に預金したり、金銭を利息付で貸すことが該当する。
3.改良行為とは、財産の性質を変えない範囲内で改良することにより、当該財産の使用価値や交換価値を増加する行為である。家屋に造作を施すことや無利息の貸金を利息付に改めることが該当する。