第97条【意思表示の効力発生時期等】
① 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
② 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
③ 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
1.1項は、意思表示の効力発生時期について到達主義を採用することを明らかにしている。「到達」とは、一般取引上の通念により相手方の了知し得るようにその勢力範囲に入ることであり、相手方が現実に了知することを要しない(最判昭36.4.20)。
2.3項は、到達主義の結果として導かれる規定である。到達は、すでに成立した意思表示が相手方の支配圏に入るという客観的事実であり、その事実が生ずるために表意者が権利能力や行為能力を有する必要はない。
目次
【問題】
隔地者に対する契約の解除の意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡した場合でも、そのためにその効力を妨げられない
【平24-4-オ:○】