第38条から第84条まで 削除
目次
【解釈・判例】
権利能力なき社団
意 義 | 法人となる実体を有していながら、法による評価手続を経ていないため、法人としての人格を認められていない社団。 |
成立要件 | 成立要件社団としての実体を有していること。以下の点が必要とされる(最判昭39.10.15)。
① 団体としての組織を備え、 ② 多数決原則が行われ、 ③ 構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し、 ④ 規則により、その組織における代表の方法、総会の運営、財産の管理等、団体としての主要な点が確定している |
法的地位 | 権利能力なき社団の代表者は、社団のためにすることを示して法律行為をなし、その効果は構成員に総有的に帰属する。 |
対外関係 | ① 社団の財産
→ 当該社団は権利能力がないために、権利義務の主体とはなり得ない。当該社団の権利義務は構成員に総有的に帰属する。構成員は、個々の財産につき持分権を有しないから、原則として持分譲渡、社団財産の分割請求、持分払戻請求を行うことができない。 |
② 社団の債務
→ 社団債務は、社団の構成員全員に一個の義務として総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となる。構成員各自は、債権者に対し個人的債務ないし責任を負わない(最判昭48.10.9)。 |
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③ 構成員の債務
→ 当該社団の財産は構成員の総有であり、構成員は持分権を潜在的にも有しない。構成員個人の債務について社団財産が責任財産となることはない。 |
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④ 財産の公示
→ 社団名義での登記や代表者の肩書付きの登記はできない(最判昭47.6.2)。代表者名義、規約に基づく特定構成員の個人名義、構成員全員の共有名義で登記することになる。 |
【問題】
権利能力なき社団の構成員には、財産の分割請求は認められないが、構成員の間で特段の合意をしている場合には、財産の分割請求も認められる
【平16-4-イ:○】
【問題】
権利能力なき社団が不動産を占有し、法人格を取得した後も占有を継続し取得時効を主張する場合、占有開始時期として、法人格の取得以前に占有を開始した時点と法人格を取得した時点とを選択して主張することができる
【平16-4-オ:○】