第785条【反対株主の株式買取請求】

第785条【反対株主の株式買取請求】

① 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。

一 第783条第2項に規定する場合

二 第784条第2項に規定する場合

② 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第783条第4項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。

一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合

次に掲げる株主

イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)

ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

二 前号に規定する場合以外の場合

全ての株主(第784条第1項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)

③ 消滅株式会社等は、効力発生日の20日前までに、その株主(第783条第4項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第784条第1項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。ただし、第1項各号に掲げる場合は、この限りでない。

④ 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

一 消滅株式会社等が公開会社である場合

二 消滅株式会社等が第783条第1項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合

⑤ 第1項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。

⑥ 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。ただし、当該株券について第223条の規定による請求をした者については、この限りでない。

⑦ 株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。

⑧ 吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。

⑨ 第133条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。

目次

超訳

① 吸収合併等(吸収合併、吸収分割、株式交換)をする場合には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。ただし、次に掲げる場合は除く。

一 対価が持分等である場合

簡易吸収分割の分割会社の場合

解釈

②一 種類株主は株主総会と種類株主総〠〒会の両方で反対が必要

比較

株式買取請求の手続が不要となる場合

消滅会社等

存続会社等

吸収合併

総株主の同意が必要な場合

(785条1項、783条2項)

簡易組織再編に該当する場合(797条1項ただし書)

吸収分割

簡易組織再編に該当する場合

(785条1項、784条2項)

株式交換

総株主の同意が必要な場合

(785条1項、783条2項)

問題

種類株式発行会社が消滅会社となる吸収合併をする場合において、種類株主総会の決議を必要とするときは、株主総会と種類株主総会の双方で議決権を行使することができる株主は、株式買取請求をするためには、そのいずれか一方で反対の議決権を行使すれば足りる

【平20-31-イ:×(株主総会と種類株主総会の双方で議決権を行使することができる株主は、株式買取請求をするためには、その双方で反対の議決権を行使しなければならない(会785条2項1号イ参照)。)】

問題

A株式会社がB株式会社を株式交換完全親会社として株式交換をする場合において、B社がA社の総株主の議決権の10分の9以上を有しているときは、A社の反対株主は、A社に対し、自己の有するA社株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる

【平27-34-イ改:○】

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