第783条【吸収合併契約等の承認等】

第783条【吸収合併契約等の承認等】

① 消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。

② 前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第1項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。

③ 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。

④ 吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。

⑤ 消滅株式会社等は、効力発生日の20日前までに、その登録株式質権者(次条第2項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第787条第3項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。

⑥ 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

目次

超訳

①②③④ 消滅株式会社等における合併契約等の承認手続

決議要件

原 則

株主総会の特別決議

吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合

ア 消滅株式会社等の株主に交付される合併対価等が譲渡制限株式であり、かつ、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が公開会社であるとき

株主総会の特殊決議(309条3項2号)

イ 消滅株式会社等の株主に交付される合併対価等が持分会社の持分であるとき

→ 総株主の同意(783条2項)

吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合

ウ 消滅株式会社等の株主に交付される合併対価等が譲渡制限株式等であるとき

→ 株主総会の特別決議+当該譲渡制限株式の割当てを受ける種類株式の種類株主総会の特殊決議(783条3項本文、324条3項2号)

エ 消滅株式会社等の株主に交付される合併対価等が持分会社の持分であるとき

→ 株主総会の特別決議+当該持分の割当てを受ける種類株主全員の同意(783条4項)

解釈

① 効力発生日までに株主総会決議、株式買取請求、債権者保護手続等の全てが完了していればよく、その時間的な先後は問われない。

②③ 会309条2項12号、309条3項2号参照。2項の場合、反対株主の株式買取請求不可(会785条1項1号)。

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