第470条【株式の価格の決定等】

第470条【株式の価格の決定等】

① 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間に協議が調ったときは、当該株式会社は、効力発生日から60日以内にその支払をしなければならない。

② 株式の価格の決定について、効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、株主又は前項の株式会社は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。

③ 前条第7項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から60日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。

④ 第1項の株式会社は、裁判所の決定した価格に対する同項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。

⑤ 第1項の株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。

⑥ 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。

⑦ 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

目次

比較

事業譲渡・譲受けと吸収分割

 

事業譲渡・譲受け

吸収分割

性 質

取引法上の契約

組織法上の契約

権利義務の承継

特定承継

全部又は一部の包括承継

自己株式の承継

事業の全部の譲受けの場合は可(155条10号)

可(155条12号、758条3号)

新株予約権の承継

不可

可(758条5号、759条5項)

当事会社間の株主の移動

なし

物的分割はなし。ただし、承継会社の株式を剰余金として分配することで人的分割可(758条8号、792条)。

株主の保護

株主総会の特別決議(467条1項)

株主総会の特別決議(783条、795条)

反対株主の株式買取請求の可否

原則、可(469条)

原則、可(785条、797条)

会社債権者の保護

なし

債権者保護手続(789条、799条)

事前・事後開示

なし

あり(782条、794条、791条、801条)

無効主張の訴えの可否

不可

可(828条1項9号)

問題

譲渡会社は、事業譲渡契約の相手方が譲渡会社の特別支配会社である場合には、株主総会の決議によって当該事業譲渡契約の承認を受ける必要はなく、吸収分割会社も、吸収分割契約の相手方が吸収分割会社の特別支配会社である場合には、株主総会の決議によって当該吸収分割契約の承認を受ける必要はない

【平26-34-ウ:○】

問題

譲渡会社は、その本店の所在地において事業譲渡による変更の登記をする必要はないが、吸収分割会社は、その本店の所在地において吸収分割による変更の登記をしなければならない

【平26-34-オ:○】

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