第360条【株主による取締役の行為の差止め】

第360条【株主による取締役の行為の差止め】

① 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

② 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

③ 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。

目次

比較

株主による取締役の行為の差止め

株式の保有期間

損害の範囲

公開会社

6か月

著しい損害

監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社の場合、「回復することができない」損害

非公開会社

制限なし

比較

取締役・執行役の行為差止請求権の要件

差止請求の対象

損害の範囲

株主による取締役の行為の差止め

下記以外の会社(360条3項)

著しい損害

監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社(360条3項)

回復することができない損害

株主による執行役の行為の差止め(422条)

監査役による取締役の行為の差止め(385条)、監査委員による取締役・執行役の行為の差止め(407条)

著しい損害

問題

株主による取締役の行為の差止請求権の行使については、監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されているか否かによって、その要件が異なることはない

【平18-35-エ:×(監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されている場合、監査役設置会社に該当しない(会2条9号)ため、その要件が異なることになる。)】

問題

監査役を置く取締役会設置会社で、かつ監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがある会社においては、株主が代表取締役に対し当該行為をやめることを請求するには、代表取締役の行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるだけでは足りず、会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときでなければならない

【平20-33-ウ:×】

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