第298条【株主総会の招集の決定】

第298条【株主総会の招集の決定】

① 取締役(前条第4項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第302条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 株主総会の日時及び場所

二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項

三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

② 取締役は、株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第302条までにおいて同じ。)の数が1,000人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。ただし、当該株式会社が金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社であって法務省令で定めるものである場合は、この限りでない。

③ 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「前項第2号に掲げる事項」とする。

④ 取締役会設置会社においては、前条第4項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第1項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。

目次

超訳

② 取締役会設置会社以外の会社が株主総会を招集する場合、株主総会において決議することができる事項の全部につき議決権を行使できない株主を除いた株主の数が1,000人以上であるときは、取締役は、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならない。

③ 取締役会設置会社が株主総会を招集する場合、株主総会の目的である事項の全部につき議決権を行使できない株主を除いた株主の数が1,000人以上であるときは、取締役は、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならない。

④ 取締役会設置会社においては、株主総会の招集事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。ただし、裁判所の許可を得て株主が株主総会を招集する場合を除く。

解釈

①一  株主総会の招集地に関する制限はない。外国でも開催可。ただし、殊更に出席困難な場所で開催した場合、株主総会決議取消しの訴えの原因となり得る(会831条1項1号参照)。

比較

書面投票制度と電子投票制度を採用するための要件

書面投票制度

電子投票制度

株主の数が1,000人以上の会社の場合

書面によって議決権を行使できる旨を定めなければならない(298条2項)。

株主総会招集の決定時に定めることができる(298条1項4号)。

② ①以外の会社の場合

株主総会招集の決定時に定めることができる(298条1項3号)。

問題

単元未満株式のみを有する株主に対しては、株主総会の招集の通知を発する必要がない

【平28-29-ウ:○】

問題

株主が、書面による議決権行使の期限までに書面によって株主総会における議決権を行使した場合であっても、自ら当該株主総会に出席して議決権を行使したときは、書面による議決権の行使は、その効力を失う

【平31-30-エ:〇】

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