令和2年度合格体験記「司法書士試験は諦めずに努力すればきっと合格できる試験である」青木 孝次さん

青木 孝次さん

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何故司法書士を目指したか

元々は、資格取得が趣味のようなところもあって、法律系資格試験の登竜門的な位置付けとされている宅建士に始まり、行政書士、社会保険労務士へと、段々と、いわゆる取得難易度の高いものへステップアップしていき、司法書士試験にチャレンジすることにしました。

しかし、受験勉強を続けていくなかで、登記関係が面白く感じるようになり、今では、登記が業務の中心と言われている司法書士の仕事がしたいと思い始めています。また、司法書士は平和産業であるということも聞き、基本的に争い事が好きではない自分に向いているのではないかと思うようにもなりました。

何故クレアールを選んだか

以前、社会保険労務士試験受験の時にクレアールの講座を受講したのですが、社会保険関係と労務関係とで別々の講師が、それぞれ得意とする分野を担当しており、どちらの講義内容も非常に分かり易く良かったからです。また、戸谷満先生の「司法書士試験 非常識合格法」を読んで非常に納得が得られたということです。もちろん、受講料がとても良心的であるということもありました。

クレアールで学習して良かった点

ズバリ講師陣に対して非常に好感が持てたということです。古川先生の法令を熟知し尽くしたそつのない択一の講義と、なのに時折チョット垣間見えるお茶目な話し方。清水先生の物腰の優しさに溢れた感じの講義と、不動産登記の記述式の解答を実際にどうやって進めていくかという見本を明瞭に提示してくれていること。浅沼先生の「担当は浅沼です」で毎回始まる独特で楽しい語り口と、商業登記の記述式での間違い易いポイントの適時適切な指摘と、加えて手続法では理屈ではなく飲み込んで覚えなければならない事項があるということもご教示頂きました。いずれも、講義DVDを素直に視聴していくことができました。一年の長丁場に渡って講義を聴くわけですから、講師の先生の講義の仕方やその内容、人柄などは、とても大切だと思います。個人的には、一方的に相性が良かったと思っています。また、クレアールは、講師の先生だけでなくスタッフの皆さん優しい方ばかりで、本当に気持ち良く受講を終了することができました。ありがとうございました。なお、筆記試験に合格した後、口述試験対策として過去問題集をいただき非常に助かりました。それだけで十分対応することができました。

クレアールのカリキュラムで活用しやすかった点

科目別講義を受講し、解法マスター講義で基礎的知識の定着度を確認し、実力診断模試や実力完成総合答練で更に全般的知識の定着を確認するというように、学習の進行度と試験日までの期間に応じたカリキュラムとなっており、とても使い勝手が良かったと思います。したがって、個人的な学習スケジュールというものは特段立てないで、クレアールの学習計画表に従った配布教材に基づいて学習を進めることができたのでその点は楽でした。

答案練習の効果的な活用方法

クレアールの答練問題は、奇を衒った変な問題もなく、過去問の周辺に関する問題や新しい先例を取り入れた問題など良問だと思います。したがって、過去問の補助的なものとして利用していました。

科目別の学習方法

全ての科目に共通するのは、やはり「過去問」でしょうか。基本書を通読した後は、過去問を解き、出題される論点や知識の定着度、間違い易いところなどを確認し、分からないところはまた基本書に戻って確認する。というように、基本書と過去問の行ったり来たりの繰り返しにつきると思います。何度も繰り返すことにより、段々と覚えていくことができると思います。ただ、どうしても覚えられないところや、考え方の癖から間違え易いところもあるので、そこは別途書き出すなどして意識的に注意するしかないと思います。

会社法は、同じ論点のところは、商業登記法とセットで学習するといいと思います。例えば、会社法で株式の併合をやったら、択一式の商業登記法でも株式の併合をやり、更に記述式でも株式の併合をやるといった具合です。もちろん、商業登記法の総論部分などのように独自に出題されるところはそういうわけにはいきませんが、効率的に知識の定着が図れると思います。また会社法は、条文の構造が複雑なので、最初はカッコ書きを飛ばして読み、その後にカッコ書きを読むようにするといいと思います。ただし、会社法のカッコ書きは、「~を除く」、「~に限る」など非常に重要なキーポイントともなっているので、いずれにしてもカッコ書きを意識して読むことが重要です。

不動産登記法は、例えば登記記録を読み取る問題のように、論点がわかっていても、その出題形式に対応したアウトプットの仕方の習得など出題形式への慣れが必要なので、その意味においても過去問が重要だと思います。

マイナー科目は、一般的に苦手とする受験生が多いようですが(実際、私も未だに良く分かっていませんが)、それは、基本4法に比べて単に勉強時間が少ない(手が回らない)からであり、合格という観点で見れば、過去問の繰り返しだけで十分に対応できると思います。

今年の試験で合格できた秘訣

前回、前々回ともに、択一は基準点かつ上乗せ点をクリアすることはできたのですが、記述式が時間オーバーで最後まで解答することができず、基準点をクリアすることができませんでした。午後の部は時間との戦いと言われるとおり、考えもなく普通にやっていたらとにかく時間が足りません。記述式は問題文も長く、添付資料も多いので、資料を読み取るまでにある程度の時間がどうしても掛かってしまいます。当たり前のことですが、いくら択一ができたとしても、記述の問題が最後まで解けずに基準点に達しないのでは意味がないのです。そこで遅まきながら、午後の部の問題の解き方について考え直しました。午後の択一に要した時間が、前々回は約90分、前回が約80分でした。クレアールに相談したところ、戸谷先生から「午後の択一は、できれば60分以内に、掛けても70分以内には収めたい。」との助言を頂きました。この助言を受け、記述式に2時間確保するため、午後の択一は、できれば50分以内に、掛けても60分以内に収めようと決意しました。そのために、午後の択一の問題は、5つの肢を全て読まずに、解答の選択肢の組合せを利用して、3つの肢までで解答することを基本としました。また、パッと見て短い文章の肢から読むようにもしました。あとは、問題を解く順番も今までの経験から自分にとって解き易い順番「不動産登記法→商業登記法→供託法→司法書士法→民事訴訟法→民事保全法→民事執行法」の順番で解くようにしました(因みに、午前の部は、民法→会社法→刑法→憲法です)。一度つかえて解くリズムが崩れると、そのあと解ける問題も焦って解けなくなってしまうこともあるので、できるだけ解くリズムを壊さないように、悩むようなら取りあえずのレベルで解答して次に移るようにもしました。

記述式については、まず登記記録を見て、不動産の権利関係あるいは会社の状況を把握し、答案構成用紙に簡単に整理します。その際、短時間で書けるように、例えば抵当権なら「テ」、根抵当権なら「ネ」、取締役は「トリ」資本金は「し」のように、自分なりの略字を決めておき、それで書くようにしました。次に別紙をザッとチェックして、問題の動向を把握してから問いに取り掛かるようにしました。答案作成に当たっての注意事項など、例年同様の事項が書かれている部分は、サッと斜め読みで飛ばして、添付書類の援用の可否など必要なところのみ解答用紙の欄外に鉛筆で「えんよー○」或いは「えんよー×」のようにメモしておきました。解く順番については「不動産登記→商業登記」の順番で解くようにしました。不動産登記では、名変登記の要否や一括申請の可否に伴う枠ズレが生じないように、登記の申請順をまとめて把握する必要があるからです。商業登記の方は、枠ズレを気にすることなく登記の事由ごとに解答していくことが可能なため、いよいよ時間が足りなくなった場合には、取り敢えず書ける部分だけでも書いておくことが可能だからです。なお今回は、過去10年分の記述式の過去問を3~4回はやりました。当初は、記述式の問題量の多さに圧倒され、どう解答していったらいいのか頭がパニックに陥りそうになりましたが、過去問を繰り返すことにより、問題量の多さに慣れることができたと思います。

今回の午後の択一は、結果、60分弱ででき、35問中、肢2つのみ読んで解答できたのが12問(うち正解11問)、肢3つのみで解答したのが11問(うち正解10問)、肢4つ以上読んでしまったのが12問(うち正解6問)でした。結局、肢2~3つ読んで自信を持って肢を切れる方が正答率は高く、自信を持って肢を切れずに肢4つ以上読んだ方が正答率は低かったということでした。

来年度の合格を目指す方へのアドバイス

あるテレビ番組で、俳優の椎名桔平さんがこんなことを仰っていました。「10年一つの事を頑張れば、神様がきっとご褒美をくれる。10年脇目振らずに頑張れば一回はチャンスをくれる。」と。10年は極端かもしれませんが、自分はこの言葉を受験勉強の際の信条としていました。合格者の皆さんが仰っているように、この試験は諦めずに努力すればきっと合格できる試験だと思います。

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