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令和2年度合格体験記「合格への近道はとにかく素直であること」上條 和明さん

上條 和明さん

 

始めに

まず私は偏差値順で合格だけを目標にして大学に入りましたが、その後の目標が見当たらず中退してしまいました。その後数年は東南アジア中心にアルバイトをしては旅に出るという生活を数年送ってきました。そのなかでいろいろな人に助けられ、何か人の役に立つような仕事がしたいと思い、思いつきのように司法書士事務所の門を叩きました。

当然実務経験も、それ以前に法律知識も一切なく、文字通り飛び込んでまずは業界に潜り込めば資格に近づくと言うほどの浅はかさでした、そのため試験勉強に関しては本当に遠回りをしたと思っています。時間もなかったので基本書もほとんど読まず、某予備校の過去問題集を完璧にこなすと言う所から本格的な勉強を始めました。受験3回目程度までは記念受験と言っていいレベルでしたが、民法改正時期も明確になり、是が非でも合格すべく独学で4回目の試験で6点足らず総合落ち、民法改正前最後となる2019年の試験も少し点数は伸びたものの、今度は1点足らず総合落ちとなってしまいました。ついに改正民法への対応も必要となり、「基準点以上の貯金を作るためにも独学での勉強を見直そう」と言う事で予備校の受講を検討することにしました。特に民法では条文の読み込みの効果を実感していたため、受講料の安さと択一六法のあるクレアールを選ぶことにしました。すでに基準点を越えるレベルにはあったので答練中心の中上級コースを受講しました。

あまり参考にしてほしくないのですが、仕事をしていることもあり、私は範囲が膨大な司法書士試験においてどうしても長期戦では忘れるスピードの方が早い気がしてコツコツ勉強するのではなく、直前期に寝る間もなく勉強し、忘れる前にピークで本試験を迎えると言う方法を取ってきました。

 

令和2年度司法書士試験

今年も基本的には同様の方法でしたが、今年は試験が延期になり、日程も読めない部分があったため、ピークコントロールが特に難しかったです。試験が延期になった分、直前期に大幅に伸びてくる専業受験生もいることから自分としての基準点は午前・午後択一共に30問を越えることを想定しました。答練の問題は試験の2ケ月ほど前に集中的にこなし、最後の1ケ月は間違えたことのある部分を中心に総チェックをすると決めていました。試験が延期になった時期は焦る気持ちもありましたが、択一六法の読み込みに終始しました。クレアールの良いところは他社予備校などと比べると一見情報量が足りないのではと思ってしまうカリキュラムのシンプルさにあると思います。例えば過去問題集も過去17年分のみですが、解説を参考に自分で根拠が不十分なところなどは択一六法で根拠を確認して、関連事項も確認していくと、問われているところを中心に自然と実力が付いていきます。

上記で準備を進め、答練を解く頃には自己採点で、30問を切ることはほとんどなく自信を深めることが出来ました。答練も基礎的な内容から徐々に本試験形式のものになっていき、最終的には午前の部の試験にも記述の問題演習がついていると言う徹底ぶり。これがとにかく良くて「本試験以上のハードな答練を行って来たのだから本試験なんて可愛いもんだ」と思えることが出来ました。

残念ながら時間の都合で講義動画はほとんど見られませんでしたが、カリキュラムをきっちりこなせば意図しているところは充分に伝わり効果的ですし、時間のない方も多いと思うので初学者でなければ、教材だけでも充分に効果的な勉強が出来ると思います。

記述対策については合格書式マニュアル対応問題集と記述式ハイパートレーニングをこなせば十分本試験にも対応可能ですし、ひな形も掲載されているもので充分ですから、定着していない部分は何度か繰り返し、答練で仕上げるといったイメージで、それ以上記述対策に力を入れる必要はないと思います。

 

司法書士試験を受けて感じたこと

これは私が総合落ち2回の中で感じたことですが、本試験での時間の使い方もすごく大事だと思います。2018年の試験ではようやく合格ラインに立った程度の実力でしたので、何も考えずガムシャラに問題を解き、記述で時間が足りなくなってしまいました。実力を出しきっての総合落ちと言った印象でした。2019年は記述に時間を取りたいあまり、時間配分を完全に誤り、記述は全国でもトップクラスの点数でしたが、択一は基準点ギリギリと言う有り様で全く実力を発揮出来ていなかったのが分かりました。よく言われている事ですが記述での巻き返しを前提にするのは点数も不安定になるし、そもそも基準点を超えなければ採点もしてもらえません。また3点取るなら、択一の方が確実だし、簡単です。ここを見誤っており、採点されないけど満点に近い記述式の答案を書けている受験生も意外と多いのではないかなと思います。記述は例年40点程度取れていればまず問題ありません、今回は最悪全てを解こうとせず「不動産登記か商業登記のどちらかを完璧に書ければ充分に合格出来る」という心構えで焦る気持ちを抑え、午後の択一ではひたすら冷静にいられるように努めました。

 

令和2年度の時間配分

参考までに今年の試験での私の時間配分として、午前は90分かけて問題をじっくり解き、残り30分かけて見直しを行いました、マークミスと数問迷った解答を直し、3問回収出来ました。

午後の択一は見直し時間など取れないと分かっていたので、とにかく条件反射的に、問題によっては消去法も使い、雑にならないようにスピーディーに解答を進めましたが70分程度時間を取られてしまいました。記述式はかなり焦りながらも上記の心構えで残り時間をフルに使い、大筋を外していない少なくとも基準点は越えるであろう解答を書きました、商業登記については駆け込みで添付書類を書いており、文字数の多い添付書類はあえて省く位に時間がありませんでした。

結果は自身で想定していたように、択一は午前・午後択一共に30問を越え、記述は昨年ほど取れてないのは当然に考えていましたが、基準点プラスアルファ程度の出来でした。

 

司法書士試験に合格するための取り組み方

クレアールに資料請求をした時にいただいた非常合格法の書籍にも書いてありましたが、合格への近道はとにかく素直であることと実感しています。私は某予備校の膨大な量の「過去問完璧に覚える」と言う遠回りな勉強方法を長く続けました。運が良ければそれでも合格出来たと思いますし、時間との勝負の要素の少なかったひと昔前の試験ならそれで充分合格可能でしたが、綱渡りでの試験対策に限界を感じました。択一六法を中心とした勉強により、「点の知識が根拠を持って何条にこう明確に書いてあるではないか」と線の知識になっていったと思います。頻出条文のただし書きであったり、2項までちゃんと知っていると容易に解けるような問題も昨年の試験では散見していました、特に民法は全部読み込み、問題を解きながら条文が浮かぶようにした方がいいと思います。とにかく素直に余計なものは買わず、届いた教材を目的意識を持って確実にこなせば間違いなく合格出来ます。

他校の教材を使っていた方は特にだと思いますが、過去問題集の量が少ないのではと思うかもしれませんが、上述のとおり過去問題集プラス択一六法と言う組み合わせで問われる部分は必要以上にカバー出来ていると思います、クレアールのカリキュラム構成も基本書はアッサリイメージ作りで、ベースは過去問と択一六法での学習を前提に、暗記よりも理解を重視していると思います。問題を解くスピードについても格段に上がったと思います。特に午後の択一では考えるよりも一読して各肢の正誤判断をしていくレベルが要求されます。

 

科目別学習法

科目別の学習方法の心構えとして、満点を取れる科目と取れない科目に分けて割りきることが必要だと思います。憲法は範囲が絞り切れないのと学説問題が多いので直前に一度じっくり過去問を解く程度にとどめた方がいいと思います、他の科目も学説問題については基本的に答練等でさわる程度でいいと思います。学説問題は年に1、2問の出題がいいところで基本的に午前の部での出題なので検討時間を取れることと国語の問題でしかなく、国語の苦手な私は間違えてもいい問題と捉えていました。会社法についても範囲が広すぎるのと、他の受験生も条件は同じだと思うので、過去問ベースのものと商業登記法の理解に必須な部分を確実に押さえて理解しておく程度にとどめるのがいいと思います。民事執行法についても同様ですが、さらにここは取れなくてもいいくらいの気持ちで流しました。他の科目はやっただけの結果がついてきて、ほぼ満点を取れる科目だと思うので上記にあげたものをひたすら確実にする「満点から何問は捨てていいのか」を逆算して考え私は取り組みました。実際に上記にあげたもの以外ではほとんど間違いはありませんでした。

改正民法については、かなり難しく考えていましたが改正民法の講義も資料も受講した中上級パーフェクトBコースに付属されていたので、資料を熟読した上で、択一六法とも照らし合わせ、すぐ分かるようにマークをつけ、改正によって解答が逆になるような問題は、問題を解いていて見つける度に択一六法の該当条文の余白などに書き込みしていきました。また択一六法の使い方としても同様に過去問題集や記述問題に関連する記載があり、択一六法には載っていないような部分は都度追記して、最後の拠り所として択一六法を見ればすべての知識が集約されるように作り込んで行きました。

 

仕事との両立

私も仕事をしながら合格しましたが、一時期は終電まで残業が日常化している事務所に勤めていたりもしたので、本当に大変で大事な経験ではあると思いますが、合格には近づかず遠回りとしか言えないと思います。基本的に残業はほとんどないような事務所に転職し、無理を言って直前期は出勤を週3回ほどに減らしてもらいました。寝ずに努力し合格というのも本当にスゴい事だと思いますが、司法書士試験は確実に合格するには一気に合格ラインを大幅に越えないといけない試験だと思いますし、試験範囲の広さもあり基本的には忘れるスピードの方が早いと思います。1年間での勉強時間は専業受験生の4分の1程度が限界かなと思います。司法書士事務所にお勤めの方であれば経営者の方は皆通った道なので、理解は得られると思います。一度相談してみて事務所と折り合いをつけるのも手だと思います。

また息抜きの方法ですが、勉強で頭を使う分、朝イチで体を動かして何も考えない時間を作るのがいいと思います。体は確かに疲れますが、頭がスッキリしてその後の仕事も勉強も下手に眠くなったりせず、集中力が上がると思います。直前期にはその時間さえも惜しくなってくるのですが、そのくらい追い込まれていれば仕上がりも上々な証拠ではないでしょうか。

 

最後に

特に今年はコロナ渦の中、試験時期も読めない中で私が大事にしたことをまとめると、本試験に向けてのモチベーション維持とピークコントロールとして、早い段階で全てを片付けて慢心しないようにしたこと、延期になったことでの周りの伸びを考慮に入れ、分かりきっているであろう基礎固めの時期をキッチリ作り、本試験当日がピークであることを意識しました。何より与えられた教材を信じ、択一六法を最後の拠り所として仕上げた事で安心出来ました。

クレアールはサポートもしっかりしており、質問もメールで速やかに返答いただけて、筆記合格後も周りに受験仲間などいない私の問い合わせに即日口述試験対策の資料を送っていただき、非常に心強かったです。 最後にクレアールを選んで良かったと思っております、この場を借りて御礼申し上げると共にこれから受講される皆様のご健闘をお祈りいたします。

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