合格体験記「「択一六法」は生涯の座右の書だと思える、読んでいるだけでも楽しい教材です」M.Kさん

M.Kさん

目次

司法書士を目指した理由

定年を数年後に控え、会社からの薦めもあって、ライフプランに関するセミナーを受講しました。講師は「キャリア」を次のように定義していました。曰く「個人が生涯を通じた職業選択に関わる活動・態度と、働くことにまつわる自由時間、余暇、学習、家族との活動を含んだ、個人の生涯に渡る生き方のプロセスすべてがキャリアである」と。これに加えてキャリアは自らデザインするべきものであり、会社任せではなく、生活も含めて自分自身が主体性を持って自律的に計画し実行していくことである、と教えてくれました。

結婚が遅く、子供もまだ小さかったこともあり、上記の教えは深く心に沁みました。自分のキャリアについて、きちんと考えなければと思いました。

自分に出来ることはなんだろう、為すべきことはなんだろう、と答えの無い自問自答を繰り返しました。

会社員にとって定年までの期間はある意味「モラトリアム」です。会社の仕事を精一杯やり、成果を出す、という前提の元ではそれ以外の時間を試行錯誤のために費やすことができるのです。もちろん仕事は甘いものではありません。当時、残業時間は毎月60時間強でした。でも、それさえこなし、成果を出せば、あとは自分の時間です。「よし、試行錯誤してやろう!」。そう思ったのがチャレンジのきっかけでした。

最初は行政書士を志しました。幸い合格をいただくことができたので、独立開業を見据えて業域を広げるため司法書士試験に挑むことにしたのです。

クレアールを選んだ理由

フルタイムの会社員として仕事をしながらの受験だったので、通学を必要とする予備校は考えませんでした。当時小学生だった息子が私学の中学進学を望んでいたので、受講料についても、できるだけ安く収めなければならない、という現実がありました。

クレアールは、通信制であること、受講料がリーズナブルであることに加え、「択一六法」という教材の良さが決め手となりました。合格した今、あらためて読み直しても「択一六法」は生涯の座右の書だと思える、読んでいるだけでも楽しい教材です。(筆記合格後の今も、ダウンロードした講義音声とともに民法から読み直しています)

行政書士受験時代からお世話になっていたこともあり、ブランドとしてのクレアールに愛着があったということも選択理由の一つです。たとえば。企業スローガン「資格★合格 クレアール」は、語呂も良く、前向きな気持ちになれるので気に入っています。また、講義動画のジングル(冒頭の短い音楽)も好きでした。確か三種類ぐらいあって、スィングジャズ風、モードジャズ風、ヒーリングミュージック風、かな。それぞれすっかり耳に馴染み、どれを聴いても「さぁ、勉強するぞ」という気持ちになれるのです。クレアールというブランドに仕込まれた様々な応援スイッチに励まされていたのだと思います。

クレアールの良かった点

講師や講義、教材については後ほど改めて触れますが、受験生の窓口となってくださった事務局の皆さまのご尽力には大変感謝しています。初年度のお試し受験にまつわる細やかなご指導、二年目以降の不安マックスの中でのフォロー、そして何より、たぶん一生忘れないのが、筆記試験合格お祝いのお電話を直接いただけたことです。

令和2年12月24日18時22分、不合格を確信していたので、合格発表を見ることもなく、あと6ヶ月しかない令和3年度試験に向けて供託法の過去問を必死に解いていた時です。

「クレアールと申します。合格おめでとうございます!」その電話を受けた時、取り乱してしまい、きちんとお答えすることができませんでした。「え?合格発表をご覧になっていないのですか?」と、電話の声。前述の通り、合格発表は見ていませんでした。見る気力もありませんでした。そんな中での朗報を、私は一生忘れません。

カリキュラムのすばらしさについて

受講していたのは「2019/20年目標 合格ルート1.5年スタンダード秋コース 安心保証プラン」というコースです。まず申し上げたいのは、クレアールのカリキュラムは、それに乗って迷うことなく全力を尽くせば合格に辿り着けるように組まれている、ということです。安心保証プランなら万全です。(安心保証期間を含めた2.5年分のカリキュラムが私には合っていたようです)

平成29年末に受講を申し込み、翌年から清水講師と古川講師によるインプット講義を中心に学習を開始し、その年の7月にお試し受験をしました。実は同年春に転勤があり、そのドタバタで十分な勉強時間が確保できず、マイナー科目は講義の視聴もままならない状態でしたが、それでも初学者にも分かりやすい講義のおかげで、お試し受験は午前69点、午後57点という結果を得、自分なりの手応えを感じることができました。(お試し受験のもう一つの収穫は本試験の記述式問題の厳しさを実感できた点です。敵の恐ろしい全貌が見え、気合を入れなおすことができました)

本番初年度となる平成31年度(2019年度)試験に向けては、択一六法を教材とした古川講師の講義を中心に受講しました。転勤に伴い通勤時間が長くなってしまったのですが、その時間をたっぷり講義視聴に充てることができました。おかげで午前75点、午後78点で択一は基準点をクリアしましたが、記述は基準点落ちでした。

令和2年度の試験対策としては、択一基準点攻略マスター講義を徹底的に繰り返しました(安心保証プランにしておいて、本当に良かったです)。令和元年度に択一六法の講義をひと通り受講し「必要な条文は概ね学んだ」と思えた上で、択一基準点攻略マスター講義にすべてを懸けることができたのが良かったのだと思います。また、記述の解法については浅沼講師のやり方をそっくりそのまま真似たことが結果につながりました。たぶん、業務として司法書士をするようになっても、浅沼講師のやり方で登記の構成をするんだろうな、と思うぐらい沁みついています。結果は、午前96点、午後81点、記述もクリアしました。

先述の通り択一も記述も年を追うごとに順調に点数を伸ばすことができました。初年度のインプット講義から、択一六法を経て、択一基準点攻略マスター講義へと進むカリキュラムが、私にとっては学びやすく、身に付きやすい最高の流れでした。もちろん人それぞれ「学び」のタイプがあるとは思いますが、少なくともクレアールには誰にとっても間違いの無い教材と講師と講義が揃っています。信じて突き進めば結果はついてきます。

クレアールの答練・模試について

他校の模試を受けたこともありますが、特に記述に関しては、クレアールが昨今の傾向を最も反映しているという印象を受けました。「依頼者からこんな質問を受けた、司法書士が答えた内容を書きなさい」などの申請書作成以外の課題が多く盛り込まれていて、ひねりも適度で令和2年度の試験問題への心の準備をさせてくれました。あと、細かいことですが試験問題の紙質や製本の「感じ」も、かなり本物に近かったような気がします。

実は、自分は答練をほとんど提出しませんでした。答練・模試が送付されると、それに対応する解答・解説冊子が送付されるまで手を付けずに置き、解答・解説冊子が届くと問題とセットにして同一の封筒に入れて保存しておきました。そのセットを直前期にまとめて解き、自分で採点するというのが合格年度の私のやり方でした。解いて、すぐ答え合わせができる、という状態がモチベーションの維持・向上に役立つと考えたからです。すべての皆さんにお勧めできるやり方ではありませんが、自分にとってはこれが良かったようです。

兼業受験生として

仕事時間と勉強時間の折り合いは、大きなテーマでした。私の場合、東京に転勤してから通勤時間が往復約3時間と長くなりましたが、それがかえって良かったのだと思います。電車の中の往復2時間30分は講義の視聴時間、駅と家の間の歩いている時間はiPodに落とした講義の聴取時間。割り切れば一日3時間強は純粋に勉強に充てられるので、結果として安定的に勉強時間が確保できたと言えます。通勤時間が長いことはとてもありがたいことでした。

コロナ禍での受験について

これは、本当にきつかったです。会社自体がかつてない危機に直面し、生活の先行きが不安定な中で、試験のスケジュールも発表されず、ペースも崩され、人生最大のメンタルダウンを体験しました。ここから抽出できるような、皆さまに語れるような教訓はありませんが、今年度の合格者は皆さん同じような危機を乗り越えてきたのだなと思うと、強い共感を禁じえません。コロナのせいで研修のほとんどがオンラインになり、同期の合格者の方と対面でお会いできる機会の多くが失われたことが残念でなりません。

試験本番のこと

思いつくままに、感じたことを述べます。個人的な考え方の「クセ」みたいな話ですので、ふ~ん、そんな人もいるのね、程度に見ていただければ幸いです。

① 試験会場の下見は念入りにしました。

緊張するとお腹の調子が悪くなるクセがあります。会場が開かれた大学だったので、下見の際に校舎の中に入れていただくことができ、想定されるトイレの場所を数か所確認して、実際に使ってみました。合格年も、お恥ずかしい話ですが午前、午後ともに一度ずつトイレのお世話になりました。試験開始直前のトイレは大変混みますので、特に午前の部に関しては開始直前のトイレにこだわらず、試験中の空いた時間に用を足す方が良いかもしれません。(試験中、黙って手を上げ、試験官に「トイレに行きたいのですが」とそっと告げて、試験官と一緒に向かいます。数度、となるとちょっと恥ずかしいですが、トイレは大事です。変に我慢して集中を欠くぐらいなら、ためらわず手を上げてトイレに向かった方がよいと思います。)

②トイレに関連してですが、本番の昼食をどうするか、も大問題でした。昼食直後にお腹の調子が悪くなることが多かったので、昼食を抜くことも検討したのですが、糖分だけは補給したいと考え、GABA成分入りチョコレートを持参しました。お腹に負担がかからず、頭の栄養が取れた(気がした)ので、これは正解だったと思います。

③ 問題を解く順番はアレンジせず出題順に解くことに決めました。

受験者の多くが、解く科目の順番を試験問題の通りではなく、自分の解きやすい順序にアレンジしていると合格体験記などで読みました。合理的な方法だと思います。私も何種類か解く順番のアレンジを試みたことがあります。択一午前なら学習量の多い民法から解く、記述なら確実に点数を積み上げられる商業登記から解く、などやってみたのですが、どうにも気持ち悪く、居心地が悪いのです。それは私の考え方の「クセ」なので、試験半年前ぐらいからは割り切って、問題に出された通りの「居心地の悪くない」順番で解いていくことにしました。午前は憲法から、記述は不動産登記から。迷いがなくなって、模試も答練も成績が伸びたと思います。これについては性格の問題だと思うので、まさに人それぞれでいいと思います。(ところが、本番でハプニングが起こってしまいました。次に記します)

④ 本番では普段と違うことは絶対にしない、と決めていました。

起きる時間も着ていく服も履いていく靴も使う文房具も、すべて普段通りにしました。でも、本番で、解く科目の順番を変えてしまいました。皆さんには薦めませんが、この時の自分の判断に今でも感謝しています。不動産登記記述を解き始めて、何を問われているのかさっぱりわからず、頭が真っ白になり、答練や模試では、それでも必ず不動産登記記述から商業登記記述という流れを守っていたのですが、この時は、「このままではマズい」と本能的に思ったのです。半年以上守ってきたマイルールを破り、不動産登記記述を飛ばし、商業登記記述を解き、気持ちを落ち着けてから不動産登記記述に戻りました。よく言われる「現場思考」というのは問題の解き方だけでなく、その時の環境に応じた「解く態度」についても求められるものなのだ、と思い知りました。

⑤ 0.5点でも多く取るために、1秒でも粘る。

引き続き不動産登記記述の話です。何を問われているのか、さっぱりわからない、という状態は、商業登記記述を解き終わって心を落ち着けても変わりませんでした。いや~な汗が背中を流れました。問題文は長く、登記申請しなければいけない部分はどこなのか自信を持てないまま、とにかく解答欄の申請書の部分を埋めなければ、と必死にあがきました。やっかいだったのは「申請者の相談に対して司法書士が助言した内容を述べよ」的な問題が2問も問われていたことです。クレアールの模試で心の準備が出来ていたとは言え、やっかいなものはやっかいです。粘りに粘って、残り時間数秒のところで、1問だけなんとか答えをひねり出しました。本当に時間ギリギリでした。たぶん合っていたのだと思います。この解答が明暗を分けたのだと思います。(ちなみに、もう1問の「やっかい問題」は、後で見直してみれば何ということのない改正民法の基本論点でした。本番は本当に怖いです)

家族への感謝

最後に、月並みですが家族への感謝を述べさせていただきます。資格試験の受験は、ことに司法書士試験の受験ともなると家族に相当な負担を強いることになります。家族の時間の多くを犠牲にしてしまいます。それでも妻も息子も何食わぬ顔をして付き合ってくれました。何食わぬ顔と思っていたのですが、12月24日、合格を伝えた瞬間に妻は泣き崩れました。息子は自分のことのように喜んでくれました。キャリアとは「働くことにまつわる自由時間、余暇、学習、家族との活動を含んだ、個人の生涯に渡る生き方のプロセスすべてである」この言葉を、合格した今、もう一度噛みしめています。

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