「単純ミスに対する意識の変化が、リベンジ合格のきっかけに」 高橋 利明さん

司法書士を目指した理由

私は大学卒業後、住宅販売の仕事を経た後、地元の金融機関で働いておりました。しかし、次第に仕事の忙しさに追われる日々を過ごすようになり、果たしてこのままでよいのかと疑問を抱くようになっていました。そして、このまま疑問を抱いた日々を送るくらいなら、後悔しないよう、一生続けていける独立のできる資格を目指そうと決意しました。

それまで、司法書士と関わる仕事をしてきてその仕事内容がイメージしやすかったことや、独立のしやすさ、金融機関では法務担当部署を長く経験し、今までの経験や人脈を生かすことができることなどの理由により、司法書士を目指すことにしました。

クレアールを選んだ理由

 司法書士の資格を検討し調べてみると、合格者の合格までの平均受験回数が3〜4回との話もありました。1年に1回しか試験がないことを考えると、年単位で勉強することを考えねばなりませんでした。そこで、通信講座ではモチベーションの維持が困難だと思い、まずは通学のできる学校を探しました。当時、地元で通学のできる学校は2つしかなく、その一つがクレアールでした。

クレアールに説明を聞きにいった際、丁寧な対応でアットホームな雰囲気もあり、通いやすい印象を受けました。また、自分の年齢も考えると、最短コースで合格することが目標でもあったことから、『非常識合格法』というのは魅力でした。更に、過去問も含めて教材に含まれており、かつ価格も低廉に抑えられているというのも魅力でした。そこで、1回目の受験の1年程前にクレアールで申し込みを行い、勉強を始めました。

1〜2年目の学習方法

 私が最終合格するまでには、結局3年間(3回の受験)かかってしまいました。

 1年目は、1回目受験の前年の8月末で会社を退職し、そこから本格的に勉強を始め、本試験まで働かずに勉強に専念をしました。1年目の択一に関しては、クレアールの授業以外は過去問を中心に、というよりほぼ過去問しかやっていなかったと思います(4〜5回は回しました)。書式に関しては、クレアールの『合格書式マニュアル』等のテキストと答練をひたすら繰り返しました。結果は、午後科目については択一・書式とも合格レベルと言える位まで解答できましたが、午前の足切り点に遠く及びませんでした。

 2年目は、司法書士事務所で補助者として半日働きながら、勉強を続けました。前年の反省を踏まえ、点の取れなかった民法・会社法に関して、クレアールのインプット講義を取り直して基礎からもう一度勉強をし直し、その2科目については条文中心の勉強方法に切り替えました。午後科目については、結果も出たことから基本的には前年と同じ勉強方法(択一:過去問中心(但し民事訴訟法については条文+過去問)、書式:クレアールのテキスト+答練)を続けました。2年目の本試験を終えて、それなりに手応えはあったのですが、結局足切り点は全てクリアしたものの、総合得点で0.5点足りずに不合格でした。

3年目の合格に至るまで

 2年目の結果は、かなりショックでした。会社を辞める際、長くても2年で合格することを目標にし、2年目はそれなりに手応えもあったことから、ショックはかなり大きいものでした。また、総合得点で0.5点足りずに落ちたということが、精神的に更に追い討ちをかけました。2年目の試験を終わった直後、書式において単純な登録免許税の間違いに気付いていたこともあり、「あの単純ミスさえなければ・・・」という思いと、後悔が日増しに膨らんでいきました。そのため、もう一度挑戦すると決めましたが、勉強もろくに手につかない状態が続いていました。それでも、年が明ける前にクレアールに行き、スタッフの皆さんに励まされたこともあり、徐々に気持ちを切り替えることができました。考えてみれば、総合得点で0.5点足りずに落ちるという経験は、全国でも数十人しかできなかったはずで、その悔しい経験を来年の受験をする上での大きなモチベーションにしようと決めました。

 3年目は、司法書士事務所でフルタイムで働きながら、勉強を続けました。2年目の結果が全て足切りはクリアし、総合得点でのわずかな不足ということで、それまで2年間やってきた勉強方法は大きく変える必要はないと感じていました。2年目の試験の自己分析をした結果も踏まえて、結果の出ている分野の勉強方法は変えずに、以下の2点をテーマにして3年目の試験に臨むことにしました。

一つ目は、「基礎をより確実にすること」でした。2年目の試験の自己分析をした結果、午前の民法の択一で条文に関する基礎的な問題を間違えていました。その条文は知ってはいましたが、知識が曖昧であったため正確な答えを導き出すことができませんでした。そのため、基礎である条文の知識をより正確なものにすることを心掛けました。具体的には、クレアールの『択一六法』を活用しました。クレアールの『択一六法』は条文だけでなく、解釈・判例、横断整理できる表や過去問などが載っており、単に条文を覚えるというだけでなく、条文の意味を理解することにも有用でした。特に民法、会社法については、『択一六法』を常に鞄に入れておき、仕事の空き時間や昼休みに目を通すようにしていました。  
また、直前期や本番直前に一通り目を通せるよう、重要条文や覚えづらい箇所には付箋をつけておくようにもしました。実際に、この2科目については、試験前日や当日に『択一六法』で最終確認をしました。

二つ目は、「書式で単純なミスをしないこと」でした。これは、2回目の本試験で単純なミスをしたということをきっかけとして、答練でも同じようなミスを繰り返していたことを改めて認識したからです。書式に関しては、1年目から苦手意識もなかったことから、答練で単純なミスをしても、「次はミスしないようにしよう」とか「本番では気をつけよう」程度にしか考えておらず、具体的に単純なミスをなくす対策を立てていませんでした。考えてみれば、答練で出来ないことが本番で出来るはずもありません。そのため、自分が書式で単純なミスをする事項をあらかじめ書き出しておき、その内容を答練の直前に毎回目を通すようにしました。毎週行われる答練の際に、毎回同じように繰り返し見返すことで、実際に単純なミスは少なくなりましたし、冷静に解けるようになったのか、大きな判断ミスの頻度も下がっていきました。また、書き終わった後の見直しの方法もあらかじめ決めておいて、答練でも毎回同じ方法で見直しをしていました。

これらのことは、実際に本番当日も同じように行いました。その他、答練では書式を解く時間を、定められている制限時間よりも自分の中で短く設定して解くようにしていました。時間に余裕のあるときでも早く解答を仕上げることで、時間のない中でいかに単純なミスをしないで解答出来るか、ということに意識をおいて答練を受けていました。2年も答練を受けていると、答練自体に慣れてしまい緊張感も薄れてきていたこともあり、3年目は改めて本番を強く意識して、本試験で全ての力が発揮できるよう毎週の答練に臨むようにしていました。

以上のように、3年目は上記の2つのテーマを意識して勉強を続けました。直前2ヶ月位は、仕事をせずに勉強に専念できましたが、それまでは仕事もあり、勉強時間も平日は1〜2時間程度と限られていたことから、特に新しいことには手を出さず、今までやってきたことの精度を上げ、本番でミスをしないための準備をする、という当たり前のことを繰り返していた気がします。正直なところ、2年目と3年目の学力に大きな差はなかったと思います。一番大きな差があるとすれば、ミスに対する意識の違いだと思います。本試験で単純なミスをしないようにするために、本試験当日までクレアールの答練を通じて準備出来たかどうかの違いだったと思っています。

クレアールの良かった点

 クレアールを選んで一番良かったと思えるのは、司法書士試験という同じ目標を持った人達と出会えたことです。優秀な方も多く、先輩受験生からテキストに載っていない勉強方法など、様々な話を聞くこともできました。その先輩受験生達が毎年合格していくことで、身近な目標とすることもでき、それが一つのモチベーションにもなっていました。
 
また、『合格ゼミ』に参加できたことも、クレアールを選んで良かったと思える点です。私は、1〜2年目に『合格ゼミ』に参加しました。一人で勉強していると、どうしても勉強に集中できない時期もありましたが、定期的に『合格ゼミ』に参加することで、モチベーションの維持にもつなげることが出来ました。

最後に

 勤務している司法書士事務所の先生が、「いかに試験当日にピークをもっていくことが出来るが大切だ」という話をされたことがあります。特に3年目は、このことを意識しながら、日々の勉強生活を続けました。当たり前のことですが、答練でいくら良い点を取っても本試験でその実力が出せなければ意味がありません。逆に、答練で失敗しても、その失敗を本試験に生かせればよいということにもなります。日々の勉強の積み重ね一つ一つが、試験当日につながっています。

司法書士試験は長丁場であり、特に3年目は何度も気持ちが切れそうになりましたが、本試験で実力を全て出し切ることを目標に、毎日の勉強を続けてきました。仕事を続けながら勉強をされている方々にとっては、勉強時間の確保が何よりも大変かと思いますが、毎日10分でも20分でもいいから勉強を続けたことが、私自身気持ちを切らせずに継続できた要因です。この試験は、自分を信じて諦めずに継続出来た人が報われる試験だと思います。

 ようやく、3年前に目指した目標のスタートラインに立つことが出来ました。ここへは、自分一人の力だけでは辿り着けなかったと思います。

最後に、クレアールを通じて出会うことの出来た受験仲間、クレアールのスタッフの方々、講師の皆様、直前期の勉強時間の確保に理解を示していただいた勤務先事務所の方々、応援してくださった前職場の先輩・同僚の方々、そして、妻をはじめとして私を支えてくれた家族に、この場を借りて感謝申し上げます。

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