信夫 大雅 さん
受講コース:2025年合格目標 延長コース
司法書士資格を目指したきっかけ
当時働いていた会社の職場環境や将来性に不安や行き詰まりを感じるようになり、転職を考えたことが最初のきっかけです。その中でさらに先の将来も見据えて考えてみた時に、「会社勤めしかできないようだといわば大きな組織に頼るような生き方になってしまう、今後は自分で自分の生き方を決めていけるような道も考えていかなければいけない」という考えに至りました。
そこで考えたのが「資格」の取得でした。大学では法学部で法律を学んでいたので、せっかく学んだその知識を自分の強みとして活かしていきたいという思いもあり、法律系の資格を取得しようという方針は自ずと定まりました。その中でも司法書士試験を受験しようと思った理由としては、まず一つに、会社勤めに拘らずに独立開業も目指せる資格であるという点に大きな魅力を感じたことにあります。また、司法書士の仕事について調べていくうちに、不動産登記・商業登記をはじめ後見、相続、裁判と様々な業務があり、色々な可能性が広がる資格だと感じました。そして何より、その試験内容に可能性を感じたことが最大の理由でした。司法書士試験は合格率4~5%とかなりの難関試験ではあるものの、受験資格に制限もなく、今まで学習してきた知識も生かしながら、働きながらでも短期間での合格も目指していける試験だと思ったので、「現状を変えるという意味も込めてこの難関試験に挑戦したい」と考え、受験を決めました。
予備校選びのポイント(クレアールを選んだ理由)
最初は独学でいこうか予備校を利用しようか悩みました。そこで色々と調べてみると、司法書士試験には記述式という独自の形式の試験もあるため、独学では難しい部分があるということを知りました。であれば多少お金はかかったとしても、その道のプロである予備校を利用した方が効率的に勉強を進められ、合格への近道になるだろうと思ったので、予備校を利用することに決めました。
予備校選びの基準としては、まずは仕事をしながら学習を進めていくことになるので、通学制ではなく自分のペースで学習できる通信制の予備校で考えました。中でも価格が比較的安く、「非常識合格法」を謳った短期合格も可能とする効率的な学習方針を掲げるクレアールに魅力を感じました。
加えて、やはり慣れた紙の教材で学習していきたいと思っていたので、紙の教材の配布があることも条件の一つでした。クレアールは『択一六法』をはじめとしたテキスト類も充実していましたし、さらに紙だけではなくPDFでも配布されるという教材の充実ぶりは、受講の大きな決め手になりました。
クレアールで学習してよかった点
自分のペースで、また状況に応じて学習を進めていくことができたことは、働きながら学習していた自分としてはやはりよかったです。
机に向かって勉強するときは基本的に『基本テキスト』も『過去問題集』も紙の教材で学習していましたが、クレアールではPDFのデータでも教材を配布されていたため、例えば電車の移動中に講義を視聴するときや過去問を解きたいとき、いちいち紙の教材を開かずにスマホひとつで完結できたので、状況に応じた使い分けができたのは、限られた時間を有効活用する上で非常に便利でした。
また、講義動画の再生速度も変更することができたので、私は基本的に1.5倍速で視聴し、学習済みで復習のために流し聴きする場合などでは2倍速で聴く、といったような使い分けをしていました。このように学習状況に合わせて講義の速度を調節することができたことも、学習効率の向上に大変役立ちました。
教材面では、クレアールはテキスト類が充実していましたので、市販の教材を特に購入することもなく、配布された教材だけで合格レベルの知識を身につけることができました。中でも、『択一六法』は素晴らしい教材でした。私はある程度学習の基礎ができた後、古川先生の「【中級】択一六法マスター講義」を受講した頃から『択一六法』を本格的に使い始めたのですが、その内容の充実ぶりと使いやすさに驚きました。テキストや過去問の学習だけでは疎かになりがちだった条文の理解を深めることができ、さらには法の体系的な理解にも繋がりました。条文の知識がそのまま試験で出題されることも多い会社法や民事訴訟法などは特に、『択一六法』で条文を読み込むことで択一式の得点も向上したと思っています。会社法に関しては条文の構造が複雑なものも多いですが、『択一六法』には超訳としてわかりやすく解説もされているので、それを読んで理解するだけでも十分だと思います。
『択一六法』には条文だけでなく、試験に必要な判例や先例、比較の図表なども数多く掲載されています。例えば、不動産登記法は先例が重要な科目ですが、条文とそれに関連する先例をまとめて整理することができたので、よく参考にしていました。『択一六法』を最も学習に使用した科目も不動産登記法でしたね。
『択一六法』はコンパクトでありながらも、学習初期の基礎固めから直前期の本試験対策までこなせる万能な教材だと思います。わからないところはとりあえず『択一六法』を調べてみることをお勧めします。
モチベーションの維持と仕事との両立
司法書士試験の受験において一番難しかったのは何かと問われれば、モチベーションの維持だった、とお答えします。私の受験期間(試験勉強を開始してから合格した年の本試験の日まで)は約2年半でしたが、実質的な学習期間は1年半ほどだったと思います。モチベーションが下がり、学習をやめてしまっていた時期が何度もありました。当初合格目標としていた令和6年度の本試験前ですら、ちょうどその時期に転職をしたこともあり、受験勉強まではなかなか意識が回らず、結果として令和5年度のお試し受験の時の点数とほとんど変わらないような成績でした。
それでも一度「やる」と決めたからには、いつか合格したいという思いだけはあったので、受験をやめるという選択肢はありませんでした。もっと言えば、この転職は司法書士試験への合格に近づくためのものでもありました。司法書士事務所で補助者として働き実務にも携わることができれば、司法書士の業務を通じて合格のために必要な知識も学ぶことができ、司法書士試験合格への一番の近道になるだろうと思ったので、前職の退職を考えたこのタイミングで司法書士事務所への転職を決めました。
とはいえ、司法書士事務所に勤め始めたからといってすぐに受験を再開できたわけでもありません。慣れない環境で、その上前職とは異なり日勤で週に5日働くというタイムスケジュールでは勉強までなかなか手が回りませんでした。
そうこうしているうちにどんどんと月日が経過し、ようやく学習を本格的に再開することができたのは令和6年度本試験から半年後、今年の1月になってからでした。正直、今さら再開してももう今年の本試験には間に合わないのではないかと思うこともありましたが、それ以上に、できるなら早く合格して次のステージに進みたいという思いや、そろそろ何かしないとまずいのではという焦りの気持ちが私の重い身体を動かしました。しかし、何かと誘惑の多い自宅ではなかなか勉強に身が入りません。これは学習環境を根本から変えないとダメだと思い、そこで利用したのが有料の自習室でした。多少のお金をかけて無理やりにでも勉強を再開しないと、このままやる気のないままダラダラと何年も勉強を続けることになってしまうと思ったためです。
自習室選びのポイントはとにかく通いやすいこと、落ち着いて勉強できるように設備が整っていることの2点でした。自宅からでも仕事帰りでも通いやすいように通勤経路内にある自習室への入会を決め、そこからようやく、私の本格的な受験生活が始まりました。
自習室には、平日の仕事終わりも休日も出来るだけ毎日通うようにしていました。あまりモチベーションの上がらない日でも、とにかく行けば周りは集中して勉強などをしている人ばかりなので、「自分もやらなければ」という気持ちになり、自然とスイッチが入りました。そのように自習室に通い続け勉強する習慣をつけていくと、いつの間にか毎日勉強するのが当たり前になっていきました。私は勉強自体は嫌いではなかったですし、計画通りに学習を進めることに楽しさを感じる部分もあったので、毎日勉強することも全く苦にはなりませんでした。むしろ、毎日勉強をすることが当たり前になっていたので、勉強しないことに不安を感じてしまうほどでした。私はこのような方法で半ば強引に習慣づけることに成功しましたが、自分なりの方法で良いので学習を習慣づけること、そして本試験から逆算して計画通りに学習を進めていくことが大切だと思います。
自習室に通い続けた結果、本試験までの約半年間で基礎の復習から始め本試験合格レベルの知識を身に付けることができました。この詰め込み型の勉強方法が、膨大な知識を要求される司法書士試験には意外と合っていたのではないかとも思います。短期間で繰り返し学習することで、知識の抜けを防ぎやすいからです。ただ、この期間、私はほとんどの時間を仕事と受験勉強に費やしています。私にはそれが苦にならなかったので続けることができましたが、決して万人にお勧めできる方法ではありません。司法書士試験は地道に努力を積み上げていく試験だと思いますので、自分のペースで進めていって欲しいなと思います。
択一式の勉強方法
学習初期はひたすら基本講義を聴き、学習した内容をノートにまとめるという勉強を地道に進めていきました。ノートを取るという作業は昔ながらの基本的な勉強方法ではあるのですが、自分なりに見やすい形でまとめることで講義で学んだ知識の整理にもなりますし、後々問題を解いてわからなかったり、誤って覚えてしまっていたりした場合には、「ここに書いてあったこれか!」「全然覚えていなかったけど、前に学習していたのか。次は同じミスをしないようにしないと」といったように、後で見返せば忘れかけていた記憶を効率的に思い出すできたので、復習には欠かさず使用していました。
私にはインプットしたりまとめたりする勉強方法が合っていたので、この言わば「ノート学習」にかなり時間のウェイトを置いていました。ただ、過去問をひたすら解くのが司法書士試験のセオリーだとも聞きますし、繰り返し問題を解きながら知識を身につけていきたいという人などには向かない方法だと思います。また、全科目やるとなると時間もかなり要しますので、一概にお勧めできる方法ではありません。それでも最初に時間をかけた分、後々の勉強が楽になるといったリターンも大きかったと思っています。私が本試験前の半年間での短期集中的な学習で合格することができたのは、学習初期にきちんとノートをまとめていたことも大きな要因でした。一見まわり道に見えるような方法でも、それが意外と合格への近道になるかもしれません。ノートを一通りまとめ終えると、その科目から順次『過去問題集』に取り組んでいきました。問題を解いた後は必ず解説を確認し、なぜ間違えたのか、どの知識があやふやだったのかを振り返りました。解説だけでは理解しきれない部分は、前述のノートや『択一六法』も併せてチェックしながら知識を整理するなど、アウトプットとインプットを繰り返すことで、知識の定着を図りました。
私の択一式の対策は、このように基本的なことの繰り返しでした。
記述式の勉強方法
記述式問題は「択一式の学習で得た知識をいかに申請書に反映させることができるか」が問われる試験だと思っています。「記述式って何をどうやって書けばいいかわからない…」と学習初期は必要以上に恐れてしまうかもしれませんが、記述式は択一式の延長線にある試験ですので、あまり心配する必要はありません。当然、記載方法としてひな形の知識は必要にはなりますが、前提となる実体上の判断をするには、特に民法や会社法の実体法の知識が重要になります。実体上の判断ができるようになれば、何を書けばいいのかある程度わかってくるかと思います。ただ、ひな形を知らなければどのように書けばいいのかはわからないままなので、そこでひな形の重要性に気付き、本腰を入れてひな形の学習を進めていけばよいと思います。
私のひな形の学習は、『合格書式マニュアル』を参考に、ひな形をノートに書き写すという作業がメインでした。とはいえ、膨大な量のひな形を全て書き写して覚えていくなどという悠長なことはしていられませんでしたので、グループ分けをしてある程度まとめて覚えるようにしていました。不動産登記であれば、「所有権移転登記」や「抵当権設定登記」といった基本的なひな形を軸に、それぞれの登記に類する登記については、各ひな形の特徴に応じて追加で記載しなければならない事項だけをピックアップして覚えたり、「申請人が権利者・義務者という記載方法にならないもの」や、「申請人の欄に括弧書きで追記が必要なもの」「登記の目的に(付記)の記載が必要なもの」というグループを作って、どのグループに属するかを覚える、というような感じです。商業登記であれば、「登記の事由に年月日が入るもの」や、「~の定款の定め」「~に関する規定」という記載方法になるグループ、添付書面でいえば「定款が必要になるもの」「株券提供公告をしたことを証する書面が必要になるもの」というグループを作ってまとめて覚えるといった感じです。
私の場合、ひな形を学習していた時には既に本試験まであまり時間もなかったので、とにかく効率的に覚えられるように意識して学習していました。
苦手分野の克服について
会社法は大学時代にもあまり勉強しなかった科目だったので、会社法・商業登記法の学習には最初は苦労しました。会社の制度というものに全く馴染みがなく、イメージも湧かなかったので、講義を一通り聴いただけではなかなか知識も定着せず、どのように学習を進めていけばよいかもわからなくなりました(実際私はここで一度、学習から離れてしまっています)。それでも、講義の中で先生方も仰っていましたが、分からなくてもとりあえず進めていくことが大事です。何度か講義を聴いていくうちに、何度も聴くワードは自然と頭に残っていきますし、わからなくてもとりあえず過去問を解いてみることで、どのような問題が出題されるのか、そのためにはどんなことを覚えなければならないのか、学習の目的が定まってくると思います。具体的なポイントを申し上げると、株式会社の機関設計や、株主総会あるいは取締役会などの決議要件は会社法の手続上非常に重要であるので、早めに覚えてしまうべきだと感じました。会社法では、「どの機関が何を決議することができるのか」ということが全体を通してよく問われますし、それ故に混同しやすく、間違えて覚えがちな箇所でもあるからです。商業登記法でも同様に、択一式・記述式を問わず、「いつ・誰が(どこで)・何を決めるのか、そのためにはどんな添付書面が必要になるのか」ということがよく問われます。私はこの機関設計の知識が定着してきた辺りから、会社法の理解がよりスムーズに進んでいったように思います。
また、学習がある程度進んできたら、知識を比較横断整理してみることをお勧めします。例えば、株式会社と持分会社の違い、公開会社と非公開会社の手続の違い、株式と新株予約権の違い、新設型組織再編と吸収型組織再編の手続の違いなど複数の似たような制度の異同が、比較問題や誤りの選択肢の引っ掛けとしてよく出題される印象があります。
クレアールの『択一六法』には、このような比較横断整理すべき事項をわかりやすく整理した表がいくつも掲載されていますので、是非参考にしてみてください。さらに言えば、このような比較表を自分なりに作ってみると知識がより定着しやすいかと思います。
学習初期は会社法・商業登記法をどう勉強すればわからなかった私でも、学習を続けた結果、直前期の答練では安定して得点することができるようになりました。本試験では、択一式の商業登記法は難易度が高い(その上疑義が出るような)問題が多くそれほど得点することはできませんでしたが、商法・会社法は9問全問正解し得点源とすることができました。近年、会社法は基本的な問題が出題されることが多く易化しているとも言われているので、序盤はとっつきにくい法律だと感じるかもしれませんが、是非得意にして欲しい科目です。
本番を見据えた対策(答練・模試の活用方法)
直前期(私の場合は5月以降)は本試験を想定した「実力完成総合答練」と模試をあるだけ解きました。
恥ずかしい話ですが、前年度に配布されていた「実力完成総合答練」がほとんど手つかずの状態で残っていましたし、今年度の答練も提出期限までに解いて提出できるような状態ではなく、直前期になっても解いていないものも多くありましたので、2年分の答練および模試を計画的に、どんどん解いていきました。
答練を解くときには、本番を想定して制限時間内に終わらせることをとにかく意識しました。司法書士試験の難易度を高めている要因は、膨大な知識量を求められる試験範囲の広さはもちろん、午後の部の時間配分の難しさにあると思います。試験直前期の私にとっても、知識量はある程度高められていても、午後の部の試験を時間内に終えられるかどうかが最大の課題であり、それが試験の合否を分けるのポイントだと考えていました。
最初のうちは択一式の問題を解き終えるのに80分くらいかかってしまったりと、時間内に終えることが難しかったので、対策を考えました。と言っても至ってシンプルなものではありますが、まず択一式では、迷ってわからない問題は飛ばすこと、そもそもわからない問題がないように知識を増やすことです。記述式では、特に商業登記に言えることですが、解答を答案用紙に書くだけでそれなりに時間がかかってしまうので、考えている時間もできる限り手を動かすこと、問題文の中の重要な指示や登記事項証明書、登記記録は試験中何度も確認することになるので、重要なポイントや不動産登記の登記名義人、商業登記の株式の譲渡制限の規定や役員の任期などにはマーカーを引き、確認作業に無駄な時間を使わないことを心掛けました。マーカーで目印をつけるようになって以降は答案構成用紙のメモ書きも少し減らすようにしました。
これらの対策の成果もあり、直前の模試では何とか時間以内に終えることができるようになりました。本試験では緊張することも想定されたので、もう少し早く解けるようになりたかったですが、それでも直前期の対策でようやく、本試験で戦える土俵に立つことができたと思っています。
本試験午後の部の解き方
択一式60分→商業登記記述式60分→不動産登記記述式60分という順番と時間配分で解くようにしていました。基本的には時間がかかる順に解いていくという方針です。択一式は50分で解き終えることが理想という話も聞きますが、できる限り全選択肢を検討したい私にはどうしても難しく、答練では70分かかってしまうこともあったので、60分で設定しました。記述式は、商業登記の方がどうしても記載する分量が多いので、焦らず書き終えられるようにという理由と、ひたすら書いて解き進めていくという作業をしていくうちに記述式試験に頭を切り替えていけるような感じがあったので、先に解答するようにしていました。本試験では、この方針が当たったように思います。択一式は設定通り60分で解き終え、商業登記に取り組みました。しかし、検討事項が多く、事例の実体判断にやや時間がかかってしまい、さらに記述量もかなりの量があったので商業登記に70分もかかってしまいました。不動産登記を残り50分で解かなければならなくなり、正直焦りましたが、記述量がそれほど多くなかったのは不幸中の幸いでした。とはいえ、こちらもどのように登記を申請すべきか考えさせられる問題で、一度答案用紙に書いたものを修正して書き直したりもしましたので、時間ギリギリになんとか書き終える、というような状況でした。択一式のマークミスのチェックも最後の1分だけで時間のある限りすることしかできず、試験後自己採点した時に1問マークミスをしたことに気が付きました。試験が終わった直後は手ごたえも達成感もまるでなく、「とにかく終わったのか」という感情しかありませんでした。
令和7年度司法書士試験に合格することができた一番の秘訣
令和7年度の司法書士試験の合格は、周りの方々の支えがなければ成しえませんでした。試験直前期、どうしても時間が足りないと感じた私は勤めている事務所に無理を言ってお願いし、勤務日数を減らして試験勉強に専念させていただきました。また、私の受験生活に理解を示し、生活面で陰ながらサポートをしてくれた両親には感謝しかありません。
このような周りの方々の理解を得て受験に専念できていなければ、学習時間の足りていない私が試験に合格するのはまず難しかったと思うので、この合格は決して自分一人の力だけで手にしたものではありませんでした。
それと同時に、その協力が得られたのは、「今年絶対合格する」と私自身が覚悟を決めたからでもあります。勤務日数を減らし雇用形態を変えてまで試験時間を確保することに迷いはありましたし、決断するには覚悟も必要でした。それでも今年度の試験で勝負したいと思ったのは、身近で司法書士として活躍している方々の姿を見て、早く合格を勝ち取って次のステージに進みたいという気持ちが強くあり、その可能性が少しでもあるのであれば挑戦すべきだと思ったからです。私の挑戦のために周りに迷惑をかけてしまうことにもなりましたので、だからこそ絶対に合格しなければならないと自分を奮い立たせる動機にもなりました。
司法書士受講生へのメッセージ
試験に臨むからには、試験終了の最後の最後まで諦めないでください。試験直前期に聞いた、ある予備校の先生の「試験中、必ずピンチは訪れるものだ。そういうものがわかっていればピンチに動じることなく、乗り越えていける」という言葉がとても印象に残っています。その言葉通り、私も試験中「やばいかも…」と思うタイミングが来ました。最初は焦りましたが、その言葉を思い出し「これがあの時聞いたあれか」と少し冷静になることができました。そして、試験終了ギリギリまで問題を解き続け、最後まで解ききったことで、合格をつかみ取ることができました。
司法書士試験は簡単な試験ではありません。受験勉強中も本試験中も何度も苦しくなる場面があるかと思います。私もそうでした。合格された他の多くの方々もそう感じたことと思います。それでも諦めずに、最後まで試験に向き合い続けた人にチャンスが訪れるものではないかなと私は思います。
結びに、私の勉強方法など大した参考にはならないかもしれませんが、一人でも試験に挑戦される方の助けになれば良いなと思い書かせていただきました。皆さまのご健闘をお祈りしております。

