A.Oさん
受講コース:2025年合格目標1年スタンダード春コース
なぜ司法書士を目指したか
きっかけは第2子の妊娠出産です。出産を控え今後のキャリアプランについて改めて考える機会が増え、産休・育休期間に何か資格を取得しようと思い立ちました。
いくつかの資格を検討したのですが、司法書士の業務内容に興味を持った点や司法書士の試験範囲、試験制度が自分に合っていると感じたことから、最終的に司法書士を目指すことにしました。
予備校選びのポイント
産後に予備校に通うことは現実的でなかったため、通信教育の中から検討しました。勉強に充てられる時間が限られていたので、いかに効率的に学習できるかという点を最重視しました。
クレアールを含めいくつかの会社に資料請求したのですが、「満点」ではなく「合格点」を最短で目指すというクレアールの方針が私の希望に合っていると感じ、また費用も比較的リーズナブルであったことからクレアールを選びました。
クレアールで学習してよかった点
講義動画1本あたりの視聴時間があまり長くない点がとてもよかったです。まとまった時間を確保できなくても隙間時間で少しずつ受講を進めることができました。また、視聴時間が短いことで視聴前の心理的なハードルも下げられたように思います。私は1.5倍速で視聴していたので、概ね15~40分程度で1本の動画を視聴できました。
また、質問回数に制限がない点もとてもありがたかったです。回答待ちの質問は10問までとなっていますが、早期に回答をいただけることが多く、回答待ちの状態が長く続くことはありませんでした。学習当初は質問制度をなかなか活用できていなかったのですが、直前期には本当にたくさん利用させていただきました。
そして、直前期に定期的に答練等がある点も、本番形式に慣れるという良さがあるのは勿論のこと、自身の学習ペースを落とさないという意味でもとても良かったと感じています。期限が決まっている提出物がハイペースであることで、直前期の「追い込みリズム」を整えることができたように思います。
CROSS STUDYの進め方
私は、講義動画視聴とCROSS STUDYをセットにしていました。毎回講義視聴後に、「理解度チェック」としてその日視聴した単元のCROSS STUDYを解いていました。
また、直前期にはクロスワード検索機能を活用し、自分が苦手に感じている分野に絞って問題を解くなどしていました。移動時間や隙間時間にスマホでさっと学習できる点がとても便利でした。
学習全般
①学習スケジュール
まず私の学習スケジュールですが、学習を開始したのは産休に入る少し前の令和6年6月頃でした。開始当初は日中仕事をしていたこともあり、夜に子供が寝てから講義動画を2~4本ほど視聴するというペースでした。後から振り返るとこの頃にもう少し進めておけば良かったのですが、当初は試験範囲のボリュームが把握しきれておらず、のんびりしてしまっていたように思います。
その後産休に入ってから出産までの2か月ほどは日中にも学習を進めることができ、少し遅れを取り戻すことができました。ただ、産後はなかなか思うように学習を進められず、最終的に基本4法過去問解説講義を除く全講義動画を視聴し終えたのが令和7年2~3月頃だったと記憶しています。
その後4月頃から過去問題集に取りかかり、直前期の4、5、6月は過去問題集と記述式対策をメインに取り組みました。過去問題集に取り掛かるのが遅かったため直前期に駆け足で取り組むことになってしまい、当時は「このままでは試験までに全部終わらないのでは」と焦りながら解いていたように思います。
基本的なことではありますが、まず学習を始める前に全体のボリュームをしっかり把握し、ある程度細かい計画を立てたうえで学習を進めていくというのはとても大事なことだったなと反省しています。
②各時期の勉強方法
次に各時期の勉強方法ですが、学習初期は細かいことはあまり気にせず、まずとにかく講義動画を視聴するようにしました。特に不動産登記法や商業登記法は今までの生活であまり接点がなく未知の領域だったので、1回視聴しただけではよく理解できない部分もたくさんありました。
ただ、自分自身が全容を理解できていない状況で「どこがわからないのか、なぜ理解できないか」を突き詰めても時間がもったいないように感じたので、「あまり立ち止まらず全体像を掴む」ということを意識して取り組みました。細かい暗記物等もこの時期には全く覚えていませんでした。
直前期には、過去問題集を解きながら自分が理解できていない論点や覚えていない部分を確認し、その都度『基本テキスト』でおさらいをするようにしていました。暗記物もこの時に合わせて覚えるようにしました。
ただ、暗記は1回では覚えられないと思っていたので、「何度か繰り返していくうちに覚えればよし」という気持ちであまり時間はかけないようにしました。
最終的に過去問題集は全体を2周し、その後は2周目で間違えたところやもう一度確認したいページに印をつけ、印のあるページのみ繰り返し解くようにしていました。
記述式については、まずは基本的なひな形を覚え、その後はひたすら問題を解き、自身がひっかかりやすいポイントや間違えやすい箇所をメモするようにしていました。最初はひっかけにひっかかることや基本的な前提条件を見落としてしまうことが多く嫌になりましたが、繰り返すうちに少しずつミスを減らすことができました。
記述式は択一式以上に「慣れ」が大事なように思います。
③具体的な対策
午後の部について、私は特に順番などを変えず「択一式→不動産登記記述式→商業登記記述式」の順で解いたのですが、「変えなかった」というよりも「変えられなかった」という方が近いかもしれません。いつも答練等で時間が足りなくなるものの、自分の実力不足だと思い特に深く考えていなかったのですが、試験直前(2週間前位)にふと気になりインターネットで調べてみたところ、「解く順番を変える」「択一式の肢を全ては検討しない」等色々と対策方法が出てきて、そこで初めてそんな方法があるのかと知りました。
ただ、さすがにこのタイミングでこれまでの方法を変える勇気はなかったので、本番も順番通りに解くことにしました。
幸い本番は時間内に概ね解き切ることができ(完答はできていません)、所要時間としては択一式70分、不動産登記記述式50分、商業登記記述式60分位でした。ですので、私の実感としては学習を進めて択一式と記述式、それぞれの精度を高めていけば、解答手法を変えなくても時間内に解き切ることは可能かなと思います。
ただ、私自身もっと早く対策方法に気づいていたら別のやり方を選んだかもしれないので、順番通りに解くことをおすすめするというわけではありません。それぞれの得手不得手にあったやり方があると思うので、できれば答練等で自分に合った解き方を模索し、直前期には自身のやり方が確立できている状態にしておくのが良いように思います。
試験当日の私の失敗談としては、お昼休憩時に午前の部で迷った肢の答え合わせをしてしまったことです。当日は最後の2択まで絞れたものの明確にわからなかった問題がいくつかあったのですが、お昼休憩時につい調べてしまいました。そして、五分五分位で合っていればと思っていたのですがほぼ不正解の肢を選んでいることに気づき、午後の部は落ち込んだ気持ちのままふわふわした状態で受けることになりました。
よく「試験が終わるまでは振り返ってはいけない」と言われていますが、本当にその通りだと痛感しました。途中で落ち込んでも良いことはひとつもないので、午後の部まで全て終わってから答え合わせをすることをおすすめします。
モチベーション関係
モチベーションを維持する方法についてですが、私の場合学習に使える時間をあまり確保できなかったので、かえってそれが良かったかもしれません。私は時間がたくさんあるとつい怠けてしまうのですが、産後は特に学習に充てられる時間が子供の寝ている時間等に限られていたので、そのタイミングでやらざるを得ず手を動かしているうちにモチベーションも上がってくるという感じでした。また、子供が起きたタイミングで強制的に終了するので、それがまた気持ちの切り替えや気分転換等にもなっていたように思います。
また、学習とその他の両立という観点では、私は今回主には育児との両立ということになりますが、専業で学習されている方を含め皆様何かしらとの両立をされているものと思います。時間が限られているのは仕方がないので、学習時間をどう確保するのかという視点と同時に、確保した学習時間をどのように使うかという視点も大切なのかなと感じます。
私は前述のように、両立するものがあったことでメリハリや気分転換等につながるという利点もありました。自分の中で兼ね合いをつけて上手くやりくりしていくのが良いように思います。
その他
私が今年度合格することができて一番感じたことは、ありきたりではありますが「最後まで諦めない姿勢はとても大事である」ということです。私は令和7年3月頃まで各科目の要旨もつかみ切れていないほど理解が至らなかったのですが、「せっかく受けるのだからやれるところまでやってみよう」と思い、直前期の3か月を過ごしました。
正直今年度合格するのは難しいと感じていましたが、諦めても諦めなくても同じように3か月は過ぎていくので、「やれることはやっておこう」という気持ちでした。結果的に今年度合格することができたので、直前期に諦めなくてよかったなと心から思います。「最後まで諦めない」という言葉はしばしば耳にしますが、今回ほど身に染みたことはありません。
最後になりますが、 私の受験を支えてくれた家族とクレアールの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。家族がいる以上、なかなか自分のためだけに時間を使うことは難しい部分がありますが、私の勉強時間確保のために協力してれくれた夫や子供たちに改めて感謝したいです。特に直前期の週末等、快く協力してくれたおかげで無事合格することができました。
そして、クレアールは教材がわかりやすいのは勿論のこと(私はクレアール以外の教材や模試は使いませんでした)、直前期毎日のように質問をさせていただきました。その際、 迅速かつ的確なご回答をいただけるばかりでなく、学習相談の際には私の気持ちに寄り添った温かいアドバイスをいただきとても励まされました。クレアールを受講していなかったら今回合格はできていなかったと思います。本当にありがとうございました。

