二見 仁さん
なぜ司法書士資格を目指したか
私は社会に出てから、様々な職に就き、それぞれにおいて懸命に働いて参りました。 しかし、常に仕事に関して充たされない思いを抱えており、いずれどこかでこの状況から脱却したいと考えておりました。
そんな中、司法書士という職業を知りました。 この国において必要とされる職業であり、それに就くことにより、一定の社会的信頼が得られ、一定の収入が担保される。 これは私にとって非常に魅力的なものでした。
そして、司法書士になるための試験は、受験資格の制限がなく誰でも受験できるものであり、まさに今の私がすることができる最善の選択であると考えました。 また、司法書士試験は最難関であるとも言われており、それ故に挑戦する価値のあるものだとも考えました。
この試験に合格し、司法書士になることで、きっと自らを誇れるようになる。
そう思い、この試験に挑みました。
予備校選びのポイント(なぜクレアールを選んだか)
最初は、独学の道を検討しました。 予備校に通うとなると、講義を受講することによる時間的及び身体的な拘束や、通学に要する時間や労力などが発生しますが、これらを極力省きたかったためです。
しかし、教材には拘りました。 試験範囲がとても広く、必要な書籍の数もかなりの量になり、多大な勉強時間を投資することになるので、よく知らない教材を買って失敗はしたくなかったためです。
そのため、上記2つの条件(「通学が不要」、「質の高い教材セット」)を満たしつつ、極力費用が安くなる方法を探すことにしました。
そんな中、「クレアールの択一六法は秀逸である」との情報を入手し、クレアールを知るに至ります。 そして、クレアールの講座は、上記2つの条件を満たすだけでなく、さらに様々なサービス(講義動画、答練、模試、問題演習ツール(CROSS STUDY))も付いた状態で、料金が安いということで、迷うことなく決めました。
クレアールで学習して良かった点
まず、合格に必要な、質の高い教材セットを頂けたことです。 インプット及びアウトプットの両観点から、必要な物がすべて揃っています。 また、択一六法などは、筆記試験合格後も、口述試験対策や、他の法律系資格試験の参考書としても活用させていただいております。
それから、時間や場所に制約されず、重い本も持ち歩かずに勉強できたことです。 すべての教材をPDFで提供していただけたので、基本的にはPC一台さえあれば他には何もいりませんでした。 また、講義動画やCROSS STUDYなどは、スマホ一台あれば、いつでもどこでも利用できました。
そして、答練や模試などは、質が高く、一つ一つ熟慮して作成されているということが伝わってきました。 そのため、本番をイメージしながら真剣に取り組むことができ、これにより得られた知識と体験は、合格に大きく結びつきました。
CROSS STUDYの進め方
(a) どのように利用したか
使用頻度としては、最後の一カ月を除き、ほぼ毎日でした。 使用タイミングとしては、全科目の講義を一巡するまでは単元ごとに使用し、以後はメインの演習ツールとして繰り返し使用しました。
(b) 学習時期・段階ごとの利用方法の変化
全科目の講義を一巡するまでは、インプット直後の問題演習として活用しました (※なお、最初は単元ごとに利用できるということに気づかず、ある程度講義を受講してからまとめて行っていましたが、途中から気づき、以後は1単元受講ごとに利用しました。)。
全科目の講義を一巡した後は、再度、全科目を全問解きました。 一日につき200問から300問のペースで、一巡するまでには20日間くらいかかったと思います。なお、これは2~3回繰り返しました。
その他、自信のない科目や、重要論点や、何度も間違えてしまう問題など、様々なパターンで絞り込みをかけて、何度も繰り返し使用し、直前期の答練の時期まで使用し続けました。
(c) 復習の際に意識したこと
一問ごとに、その解説の内容を熟読しました。 間違えた問題の場合は当然として、間違えていなくても、少しでも不安があれば熟読しました。 解説を読んでも物足りないと感じた場合には、択一六法などで関連条文や判例を確認しました。 また、間違えた問題に関しては、「重要度」の星を1つ増やすことで印とし、翌日に再度解き、しばらく経って全体をもう1周した際にまた解きました。
(d) 各種機能の利用方法
「重要度」に関しては、間違えた際に星を1つ増やし、期間を空けて再度解いた際に正解できたら星を1つ減らす、という風に利用しました。 「ユーザータグ」に関しては、作成してはみたものの、結局あまり使用しませんでした。 その他、科目・単元・クロスワード・重要度の組み合わせで問題を絞り込む機能を大いに活用しました。
(e) CROSS STUDYを使い始めてからの学習法の変化
もしCROSS STUDYが無かった場合、過去問題集をメインとしつつ択一六法で調べるといった形になり、ページをめくって探すという作業が常に発生していたことが想定されますので、そういった利便性の点において大きな差があると思います。 また、CROSS STUDYはスマホでもできますので、場所を選ばす、教材を開いたり閉じたりする手間もなく、ちょっとした隙間時間でさえ有意義な勉強時間にすることができました。
(f) 過去問題集との使い分け
CROSS STUDYは一問一答の過去問題集として、学習時期全般にわたり、一つ一つの知識の定着のためのメインの教材として使用しました。
一方、過去問題集の方は、直前期の5肢択一の演習として使用しました。 肢レベルではCROSS STUDYと内容が重複していますが、実際の本試験と同様の形式での演習という点に関しては、CROSS STUDYではなくこの教材が必要となります。
学習全般:学習スケジュールをどのように立てて、学習を進めたか
まず、実際に学習を開始する前に大事なことは、学習スケジュールを立てることです。
司法書士試験は、その出題範囲が広く、かつ深い知識が要求されており、一般的には、合格するために合計3,000時間以上の勉強時間が必要とも言われています。
このような大きな試験対策を行うにあたっては、中間目標の設定と、それに至る手段を明確にした上で、具体的に、いつまでに何をするかを明確にする必要があります。 それを行わずにただ闇雲に進めてしまうと、最悪「全科目をカバーできなかった」とか、「時間をかけるべきでないところに時間をかけ過ぎた」という非効率が発生するなど、様々な失敗が発生し得ます。 また、それだけでなく、長期間の勉強の中で、今自分がどこまで到達しているのかを把握できなくなり、モチベーションの維持も困難になってきます。
そのため、実際に学習を開始する前に、必ず計画を立てる必要があります。
私の場合、クレアールから頂いた学習計画表を自分用に独自にカスタマイズしたものをExcelで作成し、日単位での学習計画と、その実績記録を行える環境を整えました。 その上で、毎日、実績を記録し、計画との差を確認し、もし計画通りにいかなかった場合には、その要因分析と改善策を検討し、必要に応じて計画変更を行いました。
具体的な対策:答練・模試で本番を見据えてどのような対策をしたか
答練・模試に関しては、初回実施時も復習時も、非常に大切に活用させていただきました。
初回実施時においては、本番のための訓練と捉え、極力本番を意識し、本番と同じ日曜日の同じ時間帯に行い、また、コワーキングスペース等の他人がいる場所を使用しました。 本番さながらの環境で行うことで、純然たる知識以外にも解決しなければならない課題が明らかになり、そして、午後の部の試験が如何に過酷なものであるかを痛烈に感じることができました。
また、答練や模試の問題は、先生方が本番を意識し、一つ一つ熟慮して作成されていると思いましたので、この一問一問がすべて最重要であると考えました。 そのため、一度実施した後も、日を空けて再び実施し、そしてこれを何度か繰り返し、もし本番で同様の問題が出たら必ず正解できるよう、念入りに復習しました。
モチベーション関係:仕事、学業、家事、育児等との両立をどのように行ったか
私の場合、最初から両立は考えず、勉強一本にしました。
それまでの私は、常に仕事に多大な時間と労力を奪われており、それだけでは何も成し得ぬまま人生を終えるおそれがありました。 そこから脱却するために、それまで勤めていた会社を辞め、試験勉強に専念することにしました。 そして、それまで仕事に費やしていた時間をすべてそのまま勉強時間とし、「この勉強こそが今の自分の仕事なのだ」と考えるようにし、仕事をしていたときと同じように真剣に勉強に取り組みました。
その他:令和7年度以降の合格を目指すクレアール司法書士講座受講生へのメッセージ
教材は、クレアールのものだけで十分です。他のものに手を出す必要はありません。 そして、まだ全範囲を終えていない方は、まず全範囲を一巡することを第一の目標としてください。 範囲が膨大であるため、ここで躓きそうになりますが、ここで躓いていては、戦う土俵にすら立てていないことになり、非常にもったいないことです。
年齢による記憶力の低下を感じたとしても、大丈夫です。 若い頃のように覚えることはできませんが、その代わりにたくさん培ってきた知識や経験があるはずです。 それらの知識や経験は、法律を学ぶ上で、具体的な事例をイメージする際に大いに活かせるはずです。 また、覚えられないと感じることでも、何度も何度も繰り返せば、必ず覚えられます。
午後の部の試験は、本当に手強いです。この試験が最難関と言われる所以は、ここにあります。 できるだけ早い段階で、この壁の高さを知り、それに向けた対策を講じることが肝要です。
この試験は、定まった合格点というものがなく、相対評価です。 つまり、自分が高得点を取れたとしても、それ以上の高得点者が多ければ合格できないことがあります。 また、午後の部の記述式においては、知識とは別に、落ち着いて情報を整理する力が要求されます。 そのため、十分な知識を持って挑んだとしても、心を乱してしまえば、失敗する可能性もあります。
つまり、如何に念入りな準備をしようとも「絶対に100%合格する」という状態は作り出せません。 ですが、最善の準備を尽くすことにより、合格の可能性を100%に近づけることは可能です。
悔いのないよう、やれるだけの準備をし、本番に挑んでください。
本番では、リラックスして、ただ淡々と進めてください。 そして、もし想定外の事が生じても、落ち着いて対応してください。 もし、落ち着いて対応できず、時間が足りなくなり、絶望的な状況になったとしても、諦めない限り、合格可能性はまだ0%ではありません。
試験終了の合図があるまで一文字でも多く書いてください。
奇跡は起こります。
以上