関田 亘さん
はじめに
私は12回目の受験で司法書士試験に合格することができました。
私の合格体験記が、これから学習を始める方や現在学習中の方にどれだけ有益なものとなるか分かりませんが、参考にして頂き、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
なぜ司法書士資格を目指したか
資格を何も持っていなかった私は「何か資格を取得して今後の人生の強みにしたい」と考え、その際に知ったのが司法書士の資格でした。
司法書士の業務内容等を調べたところ、自らの裁量で業務が行える点、取り扱うことのできる業務の幅が広い点、様々な人と関わる事ができ業務を通じて社会貢献もできる点に魅力を感じ、司法書士を目指しました。
なぜクレアールを選んだか
他社に比べ価格がリーズナブルであり、また『非常識合格法』に魅力を感じたからです。
「仕事をしながら合格に必要な学習時間を確保できるのか」ということに不安を感じていた私にとっては、合格に必要な学習範囲を徹底的に反復して行う『非常識合格法』はとても魅力的でした。
クレアールの講義内容、テキスト、択一六法、合格書式マニュアル、CROSS STUDY、過去問題集、答練等は司法書士試験に合格するために十分なものであったと思います。
クレアールで学習してよかった点
私は合格するまで他社の講義や答練は一切受けず、クレアールのみで学習しました。ですから、他社の教材、講義、答練等がどのような内容か分かりません。
ですが、クレアールの択一六法は条文を読むことと併せて関連する判例などが過不足なく掲載されているので、何度も目を通すことで条文と関連知識とを紐づけて頭に入れることができました。
講義も講師の方々の声のスピード、トーン等が聞き取りやすく、特に「択一式合格論点マスター講義」は条文に沿って進められるので、問題を解く際にも条文を意識する習慣が自然に身についたと思います。
答練、模試については、良問ばかりで、過去問やその周辺知識から出題されており、繰り返し復習することで記憶の整理や周辺知識にも幅を広げることができる内容でした。ボリューム、内容も充実しているので、他社の答練や模試を受講する必要はないと思います。
CROSS STUDYでの学習
(1) 使用頻度
毎日CROSS STUDYに取り組みました。
通勤、仕事の休憩時間等少しでも空いた時間があれば、たとえ一問でも問題に取り組みました。
(2) 各機能の利用方法
ランダム出題、重要度、確認テストを利用していました。これらの機能の利用により、各科目の横断的な学習、苦手・弱点の把握、最適なタイミングでの復習を行うことができました。
(3) 過去問題集との使い分け
CROSS STUDYが導入されてからは、CROSS STUDYのみで過去問の学習に取り組みました。
CROSS STUDYが導入され、私の学習スタイルは劇的に変化しました。
今までの過去問の学習方法は、各科目ごとに過去問題集を解き、一科目を終了すると次の科目を解くという方法でした。この学習の進め方ですと、全科目を学習し終わる頃には初期に学習した知識が薄れてしまい定着せず、また、各科目を横断的に学習することができませんでした。
CROSS STUDYは「複数単元の組合せ出題」「ランダム出題」「クロスワード検索」「ユーザータグ検索」「重要度検索」等の機能を用いることにより、様々な観点から横断的な出題を行って、幅広い範囲の問題演習を行うことが可能です。
また、出題される問題によっては解説ページに択一六法掲載の図表が引用されているので、その出題で問われる知識と比較すべき別の知識や関連する周辺知識等をその都度確認することができます。これにより学習の進捗度と精度、苦手科目や弱点を把握することができ、効率的かつ効果的に過去問の学習に取り組むことができました。
実際に答練等では、全ての科目でほぼ満点の結果を出すことができました。
長時間1つの分野や単元ばかり学習するのではなく、分野や科目を混ぜて勉強した方が記憶に定着しやすく効率的であることが実感できました。
学習全般について
私は学習について近道はないと考えています。それは一発合格された方でも長期学習中の方でも同じであると思います。
個々人によってポイントの押さえ方が上手であったり、理解が早かったり等の差はあるかもしれませんが、基本的には講義の視聴から始まり、過去問でのアウトプット、記述式のひな形の習得、答練等での解答力の養成が必要です。ですから、本試験まで学習をいかに反復継続できるかが重要だと思います。
学習初期について
学習初期の段階でつまずきやすいのが、基本4法と呼ばれる民法、不動産登記法、商法・会社法、商業登記法だと思います。私もそうでしたが、初めは何の話をしているのか分からない部分が多くありました。
ただし、そこで法律用語の意味や内容の深追いをすることなく「そういうものなんだな」と割り切って学習をどんどん前に進めて行くことが大切だと思います。私も深追いして結局何が何だか分からなくなってしまったことがあります。目標はあくまでも「司法書士試験に合格すること」ですから、自ら学習範囲を広げすぎることなく、クレアールのカリキュラムに沿って学習を前に進めてください。
また、学習初期に限らず、問題を解くにあたっては、単に正解・不正解だけで終わるのではなく、必ず肢ごとの解説を理解してください。正解・不正解だけで一喜一憂し解説を理解していないと、同じ知識の内容が問われている問題でも、少し角度を変えた問われ方、言い回しの違いだけで全く別の問題に感じてしまうからです。
条文を確認し解説を理解すれば、どのような問われ方をしてもブレない正しい知識が定着します。
そして重要なのは反復継続です。反復継続をすれば「あれはそういうことか」と分かる時が必ず来ます。そうすればバラバラだった知識が定着し一体となり、択一式の得点だけでなく、記述式の得点も伸びてきます。
記述式の学習について
まずは合格書式マニュアルでひな形を完全に覚えることが重要です。
覚え方は人によって違うと思いますが、私は手で書いて覚え込むことが最も良いと思います。読んで覚える方法もありますが、本試験は実際に申請書の内容を書かなければなりませんから、頭と手で覚え込むことが良いと思います。
実際に手にも覚え込ますことができると、間違った解答を書いていると手に違和感を覚えることができます。読んで覚えただけでは手に違和感を覚えることはないでしょう。読む学習は一通りひな形を覚えた後、時間のないときや忘れないための学習方法として行うのが良いと思います。
また、書いて覚える時も略字や崩れた文字で書かないように注意しなければなりません。略字、判読できない字は勿論のこと、崩れて読みづらい字はどのように採点されるか分かりません。ひな形を覚える段階から採点してもらえる文字を書くことを意識することが大切です。
そして最も重要なことは、ひな形の暗記と記述式の問題を解くことは同時進行で行うということです。ひな形を覚えただけでは解答力は身につきませんから、ひな形を覚えながら合格書式マニュアル対応問題集、記述式ハイパートレーニング、答練、模試等で問題を解く、問題を解きながらひな形を覚えることを反復継続することが重要だと思います。
答練、模試について
私は答練、模試を自宅で受けていましたが、可能であれば図書館等の、周りに人が居て、かつ問題を解くことができる環境で受けることが良いと思います。自宅ですとどうしても緊張感に欠けてしまう部分があります。可能であれば本試験に近い環境で答練、模試を受けるのが良いと思います。
また、必ず設定された解答時間を厳守してください。時間内に問題を解き終えることができなくても、設定された解答時間を厳守することで自分の実力を把握することができますし、問題を解く順序や記述式であれば問題文の読み取り、答案構成用紙の使い方など、問題を解くための自分だけの型を確立することができるからです。
反復継続すれば、必ず時間内に問題を解き終える実力が身につきます。
令和6年度の学習方法について
合格した令和6年度の学習方法は、択一式はCROSS STUDY、平成31年度(令和元年度)から令和6年度までの答練、模試、記述式はハイパートレーニングをひたすら反復継続して学習しました。勿論知識が曖昧な部分は条文の確認、合格書式マニュアルを確認し手書きをすることを行いました。この学習方法が良かったか分かりませんが、とにかく曖昧な知識を無くし、基本を徹底するという学習方法でした。
本試験について
本試験はやはり独特の緊張感があり、自宅等で受ける答練や模試とは別物だと思います。特に午後の部は時間との戦いになりますから、他の受験生のページをめくる速度、記述式の解答を書いているペンの音など焦りにつながる要素が多くあり、問題の読み飛ばし、勘違いなど様々なミスを誘発する可能性があります。
しかし、そこで自分のペースを乱してはいけません。そもそも記述式から解いた後に択一式を解く方もいますし、問題への取り組み方は人それぞれだからです。
重要なのは、自分が今まで学習し身につけた知識をより正確・確実に、試験終了の合図があるまで諦めずに答案用紙に落とし込むことに集中することです。
来年度合格を目指す方へ
私は12回目の受験でようやく合格することができました。
私は「合格するまで絶対に諦めない」と心に誓って司法書士試験の学習を始めましたが、ここまで学習を継続することができたのは、クレアールの講師の方々、スタッフの皆様、そして家族、友人の支えがあったからこそだと感謝の気持ちしかありません。
来年度の合格を目指す方は、学習を続けていると合格することができるのかと不安になることもあると思いますが、クレアールの講師、スタッフ、講義、教材等を信じて決して諦めずに学習を継続すれば、必ず合格できます。
特に基準点を超えているのになかなか合格することができない方、長期学習中の方は合格を諦めてしまいそうになることがあるかと思います。ただ、そのような時こそ踏ん張って思い出して頂きたいことがあります。
クレアールの講師、スタッフ、ご自身の家族や友人、これまで支えてきてくれた人たちは誰一人としてあなたの合格を信じて諦めていないということ、そしてご自身が司法書士を目指した時の志を。
諦めずに学習を継続すれば必ず合格できます。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます。