T.Iさん
なぜ司法書士資格を目指したか
私が司法書士を目指したのは、今までの仕事等を通じて、法律や制度を知らずに不利益を受けている人がいることを感じており、司法書士としてそういった人の手助けをしたいと考えたからです。また、独立しやすい資格であることもポイントとなりました。
なぜクレアールを選んだか
クレアールを選んだ理由は、自宅で自分のペースでWeb受講を進められることと、回数制限等なくその都度質問できることを重視したためです。また、価格がお手頃で、安心保証プラン加入で2年目以降の講座の受講も保証されていることも魅力でした。1年での合格を目指していましたが、法律初学者であったため、安心保証プランを選択しました。結果として2年目に合格することができたので、その選択は正解だったと思います。
学習の進め方
法律初学者であったため、一度に全てを理解するのではなく、全体のイメージをつかんでから細かい知識を習得することを心掛けました。また、知識を定着させるために、まずは講義を聴いた後にテキストを再度読み、その講義の単元の過去問を解くというサイクルで学習を進めました。
1年目については、最初の計画では、一通りの学習が終わったら過去問中心にしようと考えていましたが、実際に学習を開始したところ、1回目の講義の時は理解したはずが、2回目に過去問やテキストを読むと全く記憶がないということが頻発したため、2回目以降はテキストを読んだ後に過去問を解き、テキストで理解できない箇所のみ講義を聴くという流れで学習に取り組みました。
また、科目別の学習の進め方としては、1年目は、学習開始の7月から12月までは民法・不動産登記法・会社法・商業登記法の主要4科目を複数回学習し、1月から記述式の学習を開始し、マイナー科目は4月以降の直前期に行うことを計画していました。ところが実際には、主要4科目の知識がなかなか定着せず、学習計画が遅れ、記述式の答練もスケジュール通りには行うことができませんでした。
しかし、最後まで1年での合格を諦めず、4月以降は択一式の過去問をやりつつ記述式に力を入れて学習を続けたところ、記述式の理解度は徐々に上がり、点数は安定しませんでしたが、1回目の試験の時には、記述式の出題が自分の得意なパターンにハマればある程度の点数が取れる段階までは持ってくることができました。また、択一式については記述式の学習に伴い、登記法の理解が深まり、安定して点数が取れるようになってきました。マイナー科目の学習状況については6月から民事訴訟法等の学習を開始し、供託法・司法書士法は試験前1週間程度の学習、憲法・刑法は手つかずでした。
1年目の試験の結果は、午後の部の択一式は基準点を越えましたが、午前の部の択一式が基準点未満で、記述式は採点されませんでした。直前期に記述式を重点的に学習し、登記法の理解が深まったことにより、午後の部は基準点を越えることができましたが、全体的には合格レベルに達していないことを痛感しました。
2年目の学習は試験の翌日から開始しました。1年目の試験結果から、民法と会社法の知識不足が課題であると考え、安心保証プランを活用し、択一六法をテキストとして条文ベースで知識を深めていく択一式合格論点マスター講義を受けつつ、民法・会社法を重点的に学習しました。1月からは主要4科目の過去問を回しつつ記述式を学習し、知識の定着を図りました。マイナー科目については、講義視聴と過去問演習を安心保証プランのスケジュール通りやった後は、4月から民事訴訟法等、5月から憲法・刑法・供託法・司法書士法の過去問を回しました。
2年目はスケジュール通りに学習を進めることができ、直前期には一通りの学習が終わっていたため、本試験をイメージして答練・模試の解き直しを行うことができました。
択一式対策・CROSS STUDYについて
択一式は、過去問を丸暗記するのではなく、理解することを意識しました。一度や二度では理解できませんが、繰り返し学習することにより、理解が進み、知識が定着してくると思います。
ある程度理解が進んだら、過去問を繰り返しました。過去問で間違えたり知識があいまいと感じた時は、都度択一六法で条文や判例の確認を行い、正確な知識の習得を目指しました。
教材は、当初は過去問題集を使用しましたが、2年目の学習の途中からCROSS STUDYがリリースされたため、そちらに移行しました。
CROSS STUDYは重要度とユーザータグで過去問の絞り込みができる点が良かったです。
私はCROSS STUDYの「重要度」を「理解度」に置き換え、理解度により過去問を分類しました。直前期には理解度が低い問題を繰り返すことにより、知識の定着が進んだと思います。
主要4科目については、問題の難易度も高く、知識の抜けを防止するために毎日過去問を中心に学習しましたが、マイナー科目は基本的な問題が多いので、直前期のテキストの読み込みと過去問演習である程度点数は取れると思います。基本的な問題を落としてしまうと他の受験生と差がついてしまうので、マイナー科目も最後まで諦めずに学習することが大切です。
記述式対策について
記述式は登記の目的・原因等のひな形が決まっているため、理解をするだけではなく、ひな形の暗記がどうしても必要となります。記述式対策の講義の受講後、合格書式マニュアル対応問題集や記述式ハイパートレーニングを繰り返し解きましたが、ひな形を正確に覚えることが難しかったため、これらの問題集による演習と併せて、暗記用のアプリにひな形のデータを登録して隙間時間に繰り返し見て暗記しました。登録したデータは、不動産登記であれば「登記の目的」「登記原因」「登記事項」「申請人」「添付書類」「特記事項等」です。最初に全データを登録し、学習しながら未習得のものに対象を絞り、繰り返し暗記しました。スマホにアプリを入れていたので、場所を問わず学習できたことも効果的だったと思います。
また、本試験では限られた時間で大量の情報を処理しなければならないため、本試験と同程度のボリュームの問題に慣れておくことも必要だと思います。
時間配分の対策について
午後の部は特に時間が足りなくなることが想定されたため、答練・模試については常に時間を計り、午前の部は1時間、午後の部は択一式50分、記述式は各50分を目標として時間内に解き終えるように学習しましたが、当初は時間通りに解き終えることは難しく、解答時間の短縮をしないと合格は難しいと感じました。
そこで、時間内に解き切る感覚を身につけるために、試験1か月前からは毎日1回、答練・模試の択一式と記述式を組み合わせて本試験を想定した演学習を行いました。
その際、午後の部の択一式については、全肢検討は時間が不足するため、問題文の内容を流し読みで把握できるようにする、短い肢から検討する、正解と判断した肢との組み合わせのみを検討する等、解答時間の短縮に努めました。一方で、検討する肢を減らすことで正答率が下がらないように、正誤の判断は慎重にするようにしました。
直前期の答練・模試の学習により、記述式についても、本試験と同様のボリュームの問題を毎日解くことによってスピードを上げることができたと思います。
また、科目別の目標解答時間を設定し、演習の際の経過時間をメモして進捗を確認するようにしました。これを繰り返したことにより、科目ごとの解答時間の目安を把握した上で本試験に臨めたので、落ち着いて解き進めることができたと思います。
結果として、本試験においては概ね目標解答時間内で解くことができ、午後の部も見直しの時間を確保することができました。これは、直前期に時間内に解き終えるように演習を繰り返したことで、本試験のイメージトレーニングができていたことが大きかったと思います。
試験の解き方について
解く順番は、午前の部は①民法②会社法③憲法④刑法としました。午後の部は①不動産登記法②商業登記法③民事訴訟法等④供託法・司法書士法⑤商業登記記述式⑥不動産登記記述式としました。
記述式は、学習を進める中で商業登記の方が得点を取りやすいと感じたので、商業登記の後に不動産登記を解く順番に変えました。
択一式の解き方については、前提問題文の指示(正・誤いずれの肢の組み合わせを問われているのか)に応じて、問題文の右上に〇・×を記載してから、肢別に検討してア~オの横に〇・×を記載し、解答の組み合わせを選択しました。そして、全問解き終えた後に問題文の右上の〇・×と肢の横の〇・×を照合して、前提問題文の指示通りに選択しているか確認をした後にまとめてマークシートを塗り、最後にマークシートと問題用紙の照合をしました。
当初は問題文の右上の〇・×と肢の〇・×の照合を行わなかったところ、問題文は「正」を求めているのに解答は「誤」としてしまうことが一定確率で発生したため、確認作業を入れたところ、そのような間違いをなくすことができました。
また、マークシート記載後にはマークシートと問題用紙を照合し、前記のチェックと合わせてダブルチェックをするようにしました。司法書士試験は一問のミスが合否を分けるので、マークミス等のケアレスミスで悔しい思いをしないために、機械的な照合は行った方がいいと思います。
記述式の解き方については、商業登記の答案構成用紙には、登記事項となるものは登記の可否を判断する前に全て記載し、登記不要と判断した時点で除外しました。また、解いている途中に必要と判断した添付書類の記載を漏らしてしまったことがあったため、答案構成用紙の余白に添付書類を記載するようにしました。
不動産登記は、答案構成用紙に簡略化した登記事項・添付書類・登録免許税をメモし、最後まで解いた後にまとめて答案用紙に記載するようにしました。答案用紙に記載後の修正の手間・混乱を避けるためです。ただし、不動産登記を最後に解くことにしたため、時間に余裕がない場合は問ごとに解答用紙に記載することにしていました。
CROSS STUDYについて
(a)どのように使用したか
- 使用頻度:毎日、1日あたり約100~200問
- 使用タイミング:全科目について一通りの学習が完了した後に使用を開始したため、全科目を一気にまとめて問題演習しました。使用場所は家・外・旅行中問わずです。
(b)学習時期・段階ごとの利用方法の変化
① 使用開始後は全問解答し、重要度を理解度と読み替えて★を設定(理解低:★1、理解高:★5)。
② 科目ごとに最後まで全問解答し理解度を更新。その後に理解度が低い問題のみ解答。
③ 直前期は理解度が低い問題のみを解答。また、知識の横断整理のためにユーザータグ・クロスワードでの絞り込みも実施。
(c)学習方法の変化
CROSS STUDYを使い始めてからは紙の過去問題集は使用しませんでした。
紙の過去問題集による学習は筆記作業が必要だったため、記述式対策を含めた文字の書きすぎで1年目の試験前は腱鞘炎になってしまいましたが、スマホ・タブレットで完結するCROSS STUDYの活用により、2年目の試験は良いコンディションで試験に臨むことができました。
CROSS STUDYはスマホで学習できるため、場所を選ばず学習ができました。受験期間中も気分転換と家族サービスのために家族旅行は行ってましたが、旅行先に分厚い過去問題集を持ち歩く必要がなくなったのは助かりました。
学習時間及び育児・家事との両立
家事・育児をしつつ、専業受験生として勉強していました。小学生の子供が学校から帰ってくると集中した学習が難しいため、朝4時から7時と学校登校後の8時半から15時を基本の学習時間としていました。試験の3か月前からは15時半から18時、2週間前からは就寝前も学習時間としました。
また、家族旅行に行った際にも教材を持参して早朝の学習は欠かさず、勉強習慣を途切れさせないように心掛けました。
学習を始めてから2回目の試験までの約2年間、休みなく毎日学習を続けることができたのは、家族の理解と応援のおかげだと思っています。
モチベーション対策
基本的には自宅で学習していましたが、モチベーションが下がり集中できない時期は、近所の図書館の自習室を使用しました。静かな環境で集中力が上がりました。
また、毎日の晩酌と年数回の家族旅行、近所のお気に入りのラーメン屋の行列に並ぶ(行列の間はCROSS STUDYを解いていました)など、勉強の合間に好きなことをしたことで気分転換ができて、学習が継続できたと思います。
今後の展望について
勤務司法書士として経験を積んだ後に独立したいと考えています。地域に根差した法律の専門家として、人々の暮らしに貢献できればと思います。
受講生へのメッセージ
司法書士試験は知識の蓄積が重要で、諦めなければいつかは合格できると聞きますが、それは事実だと思います。最初は理解できなかったことやすぐに忘れてしまうことも、繰り返し学習することにより知識が定着して自分のものとできる時期が来ますので、諦めずに粘り強く学習すれば、合格は見えてくると思います。