M.Fさん
なぜ司法書士資格を目指したか
定年も近くなり、スキルの棚卸をしたところ、現在の勤務先でしか通用しないスキルばかりであることに気付きました。このため、いわゆるポータブルスキル、つまり社外でも通用するスキルを身につけたいと思ったからです。
また、身近にも法律問題(不動産登記や相続等)があることに気付き、そうした問題を解決するのに役立ちたい、と思ったのも、司法書士を目指した理由です。
予備校選びのポイント
フルタイムで仕事をしていますので、通学は無理でした。ウェブ学習+教材(データではなく冊子で提供されるもの)で勉強をすることができ、費用負担が妥当なところ、という基準でクレアールを選択しました。
クレアールで学習してよかったこと
まず、試験までの学習スケジュールがきちんと組んであることです。これだけの広範囲の試験科目を全部カバーするには、ポイントを押さえて効率的に学習することが不可欠だと思います。
初めは、スケジュールに書いてあることをこなすだけで、試験準備の学習量として大丈夫なのだろうか(=不足しているのではないか)と思いましたが、始めてみると、配信される講義動画の視聴や答練等の提出をスケジュール通りにするだけでも結構大変です。ですので、とにかく組まれたスケジュールについていくことを心掛けました。それが「自分はこれだけ続けてきた」という自信にもつながったと思います。
また、講義・答練・過去問のいずれも、重要な分野をしっかり説明いただいているので、限られた時間を有効に使うために大変役に立ったと思います。
特に択一六法は、条文の説明のみならず、関連する知識も記載されています。図表で知識の横断整理もされていますから、非常に役に立ちました。
答練も、毎回の解説は「おっしゃるとおり」という指摘事項が多く、それらを意識することで問題文の読み方=出題者の意図を読む精度も上がったのではないかと思います。
CROSS STUDYの進め方
出勤日(週2日)の往復時は必ず、その他の日は、外出していて信号待ちをしているとき、お買い物時のレジ待ちのときなど、1分でも隙間があれば活用していました。ほぼ毎日何らかの形で活用していたと思います。
初回は、全科目全問通しでカテゴリ順に1回解きました。2回目以降は、単元ごとにランダムに解く、単元ごとに一度でも間違えた問題を解く、クロスワードやキーワードで設定した設問を解く、といったやり方で、どんな順番で出題されても必要な知識を引き出せるように練習しました。確認テストも、毎週解くようにしました。
ひょっとすると、関連する単元を組み合わせて解く方が、知識が有機的につながったのかもしれませんが、どの単元を組み合わせるのが良いかわからなかったことから、単元ごとにランダムに解いていました。
民訴系がなかなか理解できなかったので、1回目の試験の後は、民訴系をテキストで総復習してから数回CROSS STUDYで学習し、苦手意識を払拭するようにしました。2回目の試験準備の際は、初めに苦手分野に取り組んだという安心感から、その後、主要科目に力を入れることができたのではないかと思います。とはいえ、残念ながら2回目の試験でも民訴系で思ったほど点数が伸びなかったのですが。
毎日少しずつでも解くようにしていましたので、復習間隔は、特に決めていませんでした。
重要度とユーザータグは設定したものの、あまり使いませんでした。クロスワードはすべて複数回解きました。複数単元組み合わせ機能は、上記の通り単元の組み合わせ方が分からず、使いませんでした。また、1単元の問題数が多いので(もう少し小さな単元で選択すればよかったのかもしれません)、2単元選択したときの問題数で、「無理」と思ってしまったことも、複数単元組み合わせ機能を使わなかった理由です。
なお、クロスワードで抽出される問題数がもう少し多くてもよいかなと思いました。
学習終盤の択一式対策は、CROSS STUDYでの学習が中心でした。CROSS STUDYで一肢一肢を正しく解答できるようになると、過去問の正答率も高くなったと思います。
ただ、初期には本試験と同様の形式(5肢択一形式)で一問全体を解いてみて、選択肢毎の解説を理解することが大事だと思います。
学習終盤は、記述式は紙の問題集で、択一式はCROSS STUDYで、という感じで勉強しました。
学習全般について
スケジュールは、クレアールが設定している予定表通りに進めることができれば十分かと思います。個人差があるかと思いますが、私は過去問を解かないと知識が定着しないので、動画の講義は倍速機能を使いながらできるだけ短時間で視聴を終え、過去問を繰り返す時間を最大限確保するようにしました。CROSS STUDYも徹底的に活用しました。
不動産登記法、商業登記法はちんぷんかんぷんもよいところだったので、市販の参考書も参考にしながら、やはり過去問を中心に知識の整理をしました。
まとめノートを作成することには賛否があると思いますが、私は、理解できないところは自分なりにまとめないと頭に入らないので、根抵当権関連(元本確定事由など)、会社法の組織再編関連などはルーズリーフ見開きで一覧できるようなまとめを作りました。ただ、ノート作りに時間をかけるのは最低限にすべきなので、本当にわからないところだけに絞り、後はまとめを何度も見直す、というのが良いように思います。
記述式も、初めは全く訳が分かりませんでした。今にして思えば、民法、不動産登記法、会社法、商業登記法の知識が身についていない上に、断片的な知識が全然つながっていなかったので、どういう場面にどの法律のどの条文が該当し、どのひな形が当てはまる、という一連の流れが全く見えていなかったからだと思います。
それぞれの法律の知識が少しずつリンクし始めたら、だんだん自分で組み立てられるようになり、面白くなってきました。登記を避けて通ることができないから、という消極的な理由ではなく、民法、不動産登記法、会社法、商業登記法が有機的につながると、自分で登記申請ができるようになる!という積極的な理由で、法律知識の整理・定着と記述式へのアウトプットをするのが良いと思います。
具体的な対策
午後の部はよく言われますように、時間との闘いです。択一式を1時間、記述式2問をそれぞれ1時間で解くという割振りが理想だと思います。
私は、民訴系がとにかく苦手で(CROSS STUDYで克服したつもりですが、2回目の受験でもだいぶ足を引っ張りました)、先に記述式を解き、残り時間で択一式を解くやり方は、焦って選択肢が理解できなくなるだろうから、絶対に無理だと思っていました。このため、択一式を解いてから記述式、という方法を採りました。
択一式は、短い選択肢から正誤判断して解答を絞り込む、というよくある方法で時間の節約をしました。
記述式は、答練の時から、商業登記→不動産登記の順で解いていました。自分でもよく理由が分析できないのですが、商業登記の方が解きやすいのです。商業登記は、問題文をよく読んで、法律知識を当てはめれば順当に解けるのですが、不動産登記は思ってもみないところに引っ掛けがあるような気がして、例えば、申請順序はこれでいいのかな、など不安要素が多いからかもしれません。
それから、本試験は午前・午後の長丁場ですので、試験前の1週間は、落ち着かないかもしれませんが睡眠時間を十分確保して、体調を整えることも大事だと思います。徹夜してもパフォーマンスを維持できる人もいらっしゃるかもしれませんが、集中力を長時間維持するには、体調が万全なことが望ましいと思います。
モチベーション関係
資格を取得したい、という強い思いは持ち続けていたのですが、半年に1回くらい、ふと弱気になって、「こんな歳で資格を取って何になるんだろう?」と思うことがありました。なぜかそういう時に、クレアールから「合格体験記」が送られてきて、それを読んで「気を取り直して頑張ろう」と気分転換できました。
また、仕事をしていますので、勉強時間が、平日は在宅の日で3時間程度、出社の日はほぼゼロ(通勤時のCROSS STUDYのみ)、土日は4、5時間が精一杯でした。他の受験生はもっとしっかり勉強しているだろうな、と思うとこれじゃあだめだ、と情けなくなることもありました。
しかし、人は人、私は私、と頭を切り替えて、目の前の学習に集中するようにしました。
その他
今は、司法書士法人への転職を考えています。今の仕事に不満はないのですが、誰かの役に立てている、という実感が薄く、このままでよいのだろうか、と考えているためです。
後進の受験生へのメッセージ
今クレアールの司法書士講座を受講している皆さん、クレアールを信じて勉強を続けてください。送られてきた教材を使ってウェブの講義を視聴し、過去問を解く・答練を提出する、という学習は、周りに話をしたりする仲間がいない分、これでよいのだろうか、自分の勉強は遅れているのではないか、と不安になることがあるかもしれません。しかし、クレアールの設定しているスケジュール通り学習をすることで、必要な学習範囲はもれなくカバーできます。
ただ、それに加えて、過去問や記述式ハイパートレーニング、CROSS STUDYなどの教材を活用し尽くすことも必要です。自分が積み重ねてきた知識こそが、本番の自信につながります。ペースメーカーはクレアールに任せつつ、各学習の内容を充実させるのは自己責任、と考えましょう。そして、勉強している科目に偏りはないか、苦手分野はどこか、苦手の克服はできているか、という振り返りの場を折々設けるとよいと思います。
そして、本番では、最後の最後の最後まであきらめないことです。答練の解説で、浅沼先生が「最後まで絶対にあきらめないこと」と励ましてくださった言葉をお守りに、最後の1秒まで力を出し尽くすことを心掛けました。
最終の模試でもC判定でしたし(自分なりに本番並みに力を出し尽くしましたので、もう今度の試験はあきらめようかと思いました)、本番も本当にぎりぎりではあったのですが、何とか筆記試験を通過できたのは、あきらめないという一念のおかげかと思います。
これまでの学習を支えてくださった講師のみなさま、クレアールのスタッフのみなさまに深くお礼を申し上げますとともに、今勉強を続けていらっしゃる方々には、コツコツあきらめずに続けていれば道は開けます、ということをお伝えしたいと思います。
以上