「仕事の繁忙期の関係で直前期を2回定める工夫をして掴んだ司法書士試験合格」Y.Ⅿさん

Y.Ⅿさん

目次

何故司法書士を目指したか

勤務先で不動産業を開業することになり宅建士の試験勉強を始めたのが、そもそものきっかけでした。それまで法律に触れる機会がなかったため、宅建士の試験勉強をしていく中で徐々に法律を身近に感じるようになり、またその奥深さに興味を覚え始めました。

宅建士の試験合格後にもっと腰を据えて法律の勉強をしたいと思い、見つけたのが司法書士という資格でした。それまで法律とは、争いが起きたときに初めて表に出てくるものという意識がありましたが、争いを未然に防ぐ「予防法務」という言葉を知り、その言葉に基づく具体的な仕事内容を実際に現職の司法書士の先生から伺う機会を経て、さらに法律への興味が増したのを鮮明に覚えています。

予備校選びのポイント

私がクレアールの上級パーフェクトコースを受講したのは、学習開始から3年目のときでした。1度目、2度目の試験は共に択一式・記述式の両方の基準点を突破し、ある程度の基礎固めはできているという自負のもと、その先の合格点につなげられる学習ができそうな講座を探しました。

フルタイムで週に5日ないし6日の仕事をしていたため、可処分時間が限られていたことから、コンパクトな内容で全科目を無理なく学習できそうである点で上級パーフェクトコースが最適だと思い、受講を決めました。また、料金も元々が安価である上に、リベンジ宣言やWeb特待生試験による割引が充実していたことも受講を決める要素の一つとなりました。

クレアールで学習してよかった点

コース内で設置される各カリキュラムが細分化されており、自分に必要な学習内容の取捨選択が容易であった点です。

受講開始直後に、コース全体のスケジュール表が送られてきました。当初はスケジュール表に沿ってコース内のすべてのカリキュラムを履修する予定でしたが、秋以降に仕事が繁忙期に入り、平日はまとまった学習時間を確保することがままならなくなりました。休みの日に学習するだけでは追い付かず、そこで自分に必要な部分のみをピックアップし、学習する方針に切り替えました。クレアールのカリキュラムは、自分に必要な箇所のピックアップがしやすく、過不足なく学習を進めることができました。

クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

一番活用したのが、択一基準点攻略マスター講義レジュメでした。各科目数十ページの比較的薄い冊子(主要4科目は2分冊ありました)でしたが、重要事項が網羅されており、あくまで個人的な感覚ですが、この冊子の内容を全て自分のものにできれば択一式の合格点が取れると思える内容でした。

当初は講義も視聴しておりましたが、講義を聴くことで本当は理解できていない部分も理解しているという錯覚を起こしてしまうことが何度かあったため、あえて活字のみで学習し、自分の言葉で説明できない論点のみ深く掘り下げていきました。

答案練習の効果的な活用法

択一式・記述式ともに、間違えた箇所、問題を読んでわからなかった箇所を問題・解答解説冊子のPDFデータより抜き出し、タブレットのノートアプリに貼り付けて間違いノートを作成しました。

択一式は、問題文の読解ができていなかったのか、そもそも該当分野の理解ができていなかったのか、あるいは問題文を読み違えてしまったのか等、躓いた原因および次回正解するために何が必要かの考察を行うようにしました。

記述式も、択一式同様の処理をしたうえで正答の横に自分の誤った解答を書き込み、どの部分が誤りやすいかを自分なりに検証しました。タブレットは常に持ち歩き、まとめた間違いノートは空いた時間にこまめに見返すようにしていました。

過去問の学習の進め方

今年1年に限って言えば、全科目を回したのは1回のみになります。全科目を回した時期は、令和4年度の本試験終了後、8月から10月の間でした。答練と同様に過去問も、間違えた箇所、問題を読んでわからなかった箇所をPDFデータより抜き出し、タブレットのノートアプリに貼り付けて間違いノートを作成しました。過去問に関していえば、本来は何度も回すべきという感覚でしたが、本試験までの可処分時間を逆算したときに、全範囲を何度も回すことは不可能という結論に至り、理由付けも含めて正解した問題はその後は解かずに、間違えた問題のみ、その後2か月に1度ほどのペースで解いていました。

本試験直前には、自分の苦手とする出題形式や分野がある程度絞れてきたように思えました。

1年目・2年目からの反省

私は、3回目の受験で司法書士試験に合格することができました。

1年目は他社の初学者向け講座を受講し、2年目は予備校を利用せずに独学で試験に挑みました。仕事をしながらの学習であったため、1年目は講義を聴くだけで精一杯でした。それでもいわゆる総合点落ちの状態でしたので、翌年には合格できるだろうと高を括っていました。

2年目は、1年目の成績で油断したのもあり、テキストの通読をメインとし、過去問は2周解くのみで、週末は「去年の答練をこなすが復習もまともにしない」という体たらくでした。そのような状態でしたので、成績は伸びずにまたもや総合点落ちの憂き目を見るはめになってしまいました。

そして3年目。このままでは今年の合格も厳しいと思い、1年目と2年目の学習内容を振り返り、何が自分に足りなかったのかを考えるところから始めました。また、これまでに解いた答練・模試を見直し、分野ごとの自分の習得度を数値化しました。

結果、択一式については、全科目において分野ごとに身についている知識にムラがあり、ある分野ではほぼ100パーセントの正答率を弾き出せるのに、別の分野ではそれが50パーセントにとどまってしまうという状態であることが判明しました。

記述式(主に不動産登記)については、枠ズレ等の大きなミスはないものの、問題の指示に従っていなかったり、時間が足らずに焦ってしまうことで申請人や日付、添付書類の選択を間違えてしまうといった細かいミスが散見されました。そこまでわかれば、あとはそれぞれのウィークポイントを潰すだけでした。

時間がないことを言い訳に、何をやればよいかわからないという部分はありましたが、やるべきこと縮小化することで、気持ちにも余裕が出たように思えます。それだけでは不安でしたので、知識の抜けを防ぐために、択一基準点攻略マスター講義のレジュメと合格書式マニュアルを交互に目を通しました。

学習スケジュールの立て方

 仕事の繁忙期が12月~翌年5月であったため、この間はまとまった時間の学習が厳しいことを想定して、自分なりの「直前期」を11月と実際の本試験直前の6月の2回に定めました。11月にも定めたのは、繁忙期前に学習を一通り終わらせておくことで、勉強ができない期間の安心材料にしたいという思いからです。

 長期的なスケジュールでは気持ちの面でどうしても弛んでしまいがちな部分もありましたので、半年というスパンで試験に対するひとつの目安を作ったことは、結果的に緊張感を程よく持続させられる結果に繋がりました。また、本試験1か月前の6月の直前期にやるべきことを、11月の「直前期」で吟味できたのも収穫でした。

 直前期には、あれもしたいこれもしたいと思っても、時間はすでに限られています。「やりたい」と思う量と「できる」量は必ずしも一致しません。自分がどれ位の時間で何をできるかという点も把握しておくことは重要だと感じました。

記述式問題の解き方

不動産登記、商業登記ともに、1年目、2年目は答案構成用紙に時系列ごとに事実関係の流れを書き込み、それに基づき答案用紙に解答を書き入れていましたが、答案構成用紙への書き込みに大幅に時間を費やしてしまい、答案用紙に解答を書き込む頃には時間ギリギリになってしまうというパターンが常態化していました。いくら解答がわかっても、時間切れになっては意味がありません。

そこで、答案構成用紙への時系列の書き込みは取りやめ、必要な部分は問題用紙や答案用紙に直接書き入れる方法に変更しました。

そのために、記述式については視覚的な情報に頼らず、頭の中で登記記録を描けるようにすることを目標に学習しました。毎日、本試験レベルの記述式の問題を、新聞を読むかのように眺め、頭の中で何が起こっているかを整理するという、至ってシンプルな作業を繰り返しました。それを数か月続けた頃に、頭の中で答案構成するという作業が自然とできるようになっていました。

最後に

 本試験当日は、通算10回以上はもう駄目だと思いました。「最後まで諦めてはいけない」という言葉はよく耳にしていましたが、精神面において、午前の部は何とか持ちこたえたものの、午後の部の開始直後には、何度か連続して解答に詰まってしまい、早速諦めていました。問題が読めなくなるパニック状態を経て、「また来年かな」と開始30分くらいで脱力しました。1,2分ぼんやりし、鉛筆を握る手がどんどん冷たくなっていきました。

 しかし、結果的にその脱力が効を奏したようで、その後は「どうせ会場に来たのだから最後までやっていこう」と開き直り、淡々と問題を解き進めていくことができました。緊張感が無いのも考えものですが、諦めるところまで行きついて、落ち着きを取り戻せたのはよかったです。

 今年合格できたのは、もしかしたら運の要素が強いのかもしれません。「最後まで諦めるな」とは口が裂けても言えませんが、本試験はもちろん日々の学習においても、何がどう転ぶかわからないです。私は、最後までやってみてよかったです。ありがとうございました。

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