「『試験終了と言われるまで書き続けろ』『周りは勝手に諦めて勝手に脱落していく』という浅沼講師の激励の言葉を思い出しながら、最後まで答案の作成を続けて掴んだ司法書士試験合格」中村 洋さん

中村 洋さん

目次

1 司法書士試験を受験したきっかけ

私は平成5年に新卒で現在の金融機関に就職しましたが、ポストオフ、定年といったことが現実に感じられる年齢になるにつれて、「このままで自分の人生はどうなるのかな」という曖昧な不安感を持つようになりました。 そんな中、令和2年1月に自己研鑽の一環で受験した行政書士試験に合格し、せっかく積み上げた知識をこのまま錆び付かせるのも勿体ないと感じ、思い切って、ハードルの高い司法書士試験を受験しようと決めました。そういった意味では、他の受験生の方々と比べて、レベルの低い受験動機なのだと思います。

ただ、仕事をしながらの受験勉強になるので、せっかく時間とお金をかけるのであれば真剣に取り組んで、「必ず結果を出す」との想いは強く持って受験勉強を始めました。

2 受験勉強

行政書士試験は、書店で購入した基本書と過去問題集を読み込む独学で合格しましたが、司法書士試験は合格率、科目数、記述式問題があるといった特性を考えると独学での合格は不可能で予備校の活用が必須と考えました。その際、仕事をしながらの勉強なので、自分のペースで時間を使うことができ、かつ、より効率的・効果的に行う必要があると考え、自分の空いている時間にネット環境を利用して自由に勉強ができること、非常識合格法と銘打っている過去問を中心に勉強範囲を絞ったカリキュラムであること、そしてコスト的にもリーズナブルであることからクレアールで勉強することに決め、令和2年2月から学習を始めました。

まずは、講義を聴きながらテキストを読み理解をする学習を進め、テキストが相当進んでから過去問題集に着手しました。過去問題集に着手した時期は遅いかもしれません。

行政書士の勉強をしていたこと、仕事の関係で不動産の登記簿謄本には馴染みがあったことから、当初、講義やテキストの内容は比較的すんなり頭に入ってきたように感じましたが、理解が表層的であったことを、過去問に取り組んで痛感しました。

そもそも講義やテキストの内容が頭に記憶されていない、テスト形式で質問されると、講義で聴いた内容なのに解答ができない、そんなことだらけでしたので、できるだけ講義を聴いてテキストを理解することと、過去問を解くことを並行して行うようにしました。

やはり受験勉強ですから、単にテキストを理解しようとするのではなく、試験と同じ問題形式とあわせて理解することが非常に有益だと思います。

受験勉強を開始した最初の年は、新型コロナ感染症の関係で本試験が7月ではなく9月下旬に行われました。一通りの勉強も終わっていなかったのですが、クレアールからの勧めもあってお試し受験をしました。司法書士試験がいかに大変か、特に時間との勝負であることを最初に身を持って痛感できたのは、その後の学習にとって非常に貴重な経験となりました。

私の場合は、普通に会社勤めをしながら受験勉強をしていましたし、家庭もありましたので、十分な勉強時間を確保できたわけではなく、結果として合格まで3年半程度を要したのだと思っています。

普段は、早起きをして出勤前に30分程度、仕事が終わった後は帰り道の途中のカフェで1時間程度(4か所くらいのカフェを日替わりで利用していました)、土日は1日平均3時間程度の勉強時間という生活を続けてきました。本試験の直前1か月くらいの土日は1日平均4~5時間の勉強時間を確保するようにしました。ルーティンにしてしまうと、土日以外はあまり苦痛には感じませんでした。

令和3年度の本試験は、択一式の勉強が一通り終わり、記述式については答案用紙を第一次答案提出期限に遅れながらもなんとか提出して、記述式ハイパートレーニングも一通りは終わった、という最低限の状態で臨んだので、択一式の午前の部は基準点を越えましたが、午後の部が基準点に満たなくて不合格となりました。

令和3年度の本試験が終わった後は、1年半続けていた勉強を繰り返すことに時間を費やすように過ごしましたが、基本的な知識が不十分であったため択一式の勉強が中心となり、記述式の勉強は後回しになってしまいました。 令和4年度の本試験は、クレアールの実力診断模試、実力完成総合答練、全国公開模試で、ツボにはまると合格ラインを越えるけど、だいたい、もう少し頑張らないと難しいという結果でしたので、択一式は午前の部、午後の部とも基準点を越えましたが、記述式は基準点に満たない結果でした。

勉強を始めて2年以上経って、各種法改正などがあり、改めて知識を確認する必要があると考えたので、新たに中上級パーフェクトコースを受講し、令和5年度に幸い合格することができました。

3 学習方法

クレアールで強調されていることですが、択一式の過去問は繰り返し解くことが非常に重要だと思います。過去に何度も出題されている論点は、それだけ受験対策としては大切な論点であり、繰り返し取り組むことで記憶に刷り込まれます。

私は基本的に過去問題集の最初から最後までを順番に繰り返し学習しましたが、これは苦手だな、と感じる問題には付箋をつけて、隙間時間にも確認をするようにしました。

また、最初は1科目ごとに講義とテキストの学習を行い、過去問にも取り組みましたが、過去問の2周目からは、民法、不動産登記法、会社法、商業登記法の主要4科目は同時並行で取り組みました。これら主要4科目は、あまり時間を空けずに並行してコンスタントに学習を継続する方が良いと考えたからです。

記述式についても、とにかく何度もひな形を手で書く、自然に言葉が出てくるまで書き込むことが(実際には難しいですけれども)、そのくらいの勢いで書くことが重要だと思います。何度も繰り返すうちに、ここは間違えやすいな、勘違いしやすいな、という箇所もわかってくるので、そういった箇所は下線を引いて、関連するひな形と一緒に確認するなどして、意識的に記憶するように努めました。

また、最後の1年間は、以下の取り組みも行いました。

まず、択一式の過去問を何度か繰り返すことで、この問題とこの問題は関連付けて見ておいた方が良い(例:似て非なる問題)ということに気が付くので、そういった問題はすぐに参照できるように書き込みを行い、関連付けて理解するようにしました。特に、会社法と商業登記法では、この取り組みは効果的でした。

次に、記述式については、どうしても後回しになりがちなのですが、択一式の過去問を解く際にも、関連する合格書式マニュアルを参照して内容を確認し、できるだけ実際にひな形を書くことを心掛けました。

各種答練・模試については、時間と期限を厳守して提出することが本当に重要だと思います。確かに辛いことではあるのですが、時間厳守によって疑似的に本番の経験ができること(本試験は時間との戦いなので、この点は非常に重要です)、期限厳守によって強制的に学習のリズムができることから、これもクレアールが強調しているとおりに厳守することが何よりも大切だと思います。

答練への取り組みですが、私の場合は試験本番でもそうしましたが、とにかく最初から順番に解いていく、少し考えてもわからなければ、後で見落とさないように印をつけて次に進んで最後に戻ってくる、択一式は10問終了ごとに費やした時間を見て、ペースが順調か否かを確認するようにしていました。

また、択一式については、すべての選択肢に目を通してから解答を選択するように心掛けました。これは、復習をする際の手間を考えてのことですが、こうした解答の仕方をすると、特に午後の部では後半に時間が足りなくなってくることが往々にしてありました。そうなった場合には、目を通す選択肢を絞ったり、正解がわかった段階で他の選択肢は読まないで次の問題に移るようにしました。これ自体は、時間が足りなくなってきた状況でも焦らずに対処する訓練になったと自分では評価していますが、本来の答練の活用方法として妥当だったのかは人によって評価が分かれるのだと思います。

記述式については、とにかく限られた時間の中で問題文を読み解いて解答を書き切るというのは答練を通じてしか体験できないことですので、貴重な機会だと思います。

答練・模試の復習は、同じような問題が出た時には確実に正解できるように、本試験まであまり時間が無いので厳しいのですが、すべての解説を丁寧に見るようにしました。これによって、結構な気付きを得ることもできました。

4 最後に

先ほど述べたように、私は仕事をしながら合間を縫って受験勉強を続けてきたのですが、今年の4月には東京から地方都市へ転勤、単身赴任をすることになりましたし、また本試験の一週間後には仕事の関係で大きなイベントが控えていました。 受験生にとっては非常に大切な追い込み時期にもかかわらず、生活環境の変化や仕事での負担増があって、正直、かなり苦しい思いをしました。 また、今年度の答練の結果は、だいたいは合格ラインをクリアしましたが、苦手意識のあった記述式で大コケして、まったく合格ラインに届かないこともあり、心が折れそうになることも多々ありました。 ただ、ここまで自分の貴重な時間を費やしてきたという想い、自分のやりたいようにさせてくれた家族への想いがあったので、何とか7月の本試験までたどり着くことができました。 試験当日、択一式の午前の部は順調に終わり、午後の部も途中までは順調に進んだのですが、不動産登記法の途中からつまりだし、3問程度は後回しのままで1時間50分を残して記述式の2問に臨むことになりました。商業登記の記述式は、ほとんど答案構成用紙を利用する時間もないような状況になりましたが、「試験終了と言われるまで書き続けろ」「周りは勝手に諦めて勝手に脱落していく」という浅沼講師の激励の言葉を思い出しながら、最後まで答案の作成を続けて何とか全てを終えることができました。 司法書士試験は、クレアールの非常識合格法であっても勉強する範囲は膨大ですし、試験も時間とのシビアな戦いとなります。勉強を続ける途中では心が折れそうになることもありますが、クレアールの教材を愚直に繰り返して勉強すれば結果は出るものです。そして、それを可能とするのは、自分を信じて最後までやり切るという強い気持ちだと思います。一人でも多くの受験生の皆さんが、自分を信じて納得のいく結果を得られることを願っています。

講座パンフレットや特別セミナーDVDなどを無料でお届けします。
講座についてのご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。
講座のお申し込み案内ページです。講座をお申し込みの方もこちらからどうぞ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次