「できていないことを冷静に見極めて重点的に学習することで、2回目の受験で司法書士試験にハイスコアで合格できました」K.Sさん

K.Sさん

目次

何故司法書士を目指したか

 私は現在法律関係の業務に携わっており、民法や会社法についても検討をする機会が多々あります。基本的には提携している司法書士等に検討を依頼するのですが、自分自身で民法や会社法、その後の手続として不動産登記法・商業登記法を理解した上で、業務を進めていきたいと思ったため、自身も司法書士試験の合格を目指すことにしました。仕事は組織ですることなので、一人で何でもできる必要はないと思いますが、何もわからずに他人に依頼するのと、自身で理解した上で他人に依頼するのとでは、仕事の成果や業務進捗の不安の多寡が違ってくると思います。

何故クレアールを選んだか

 仕事をしながらの勉強になるため、なるべく詰め込み学習は避けたいと思いました。試験に合格するための最低限の勉強時間しか確保できないと思ったため、「非常識合格法」を謳うクレアールの司法書士講座は魅力的に思えました。受講料もお手頃で助かりました。申し込み前には過年度の合格体験記を読み、実際にクレアールのカリキュラムのみで毎年、安定的に合格者が出ていることを確認できたのも後押しになりました。

クレアールで学習してよかった点(講師、教材、講義、答練等)

 教材がすべてPDF形式でも配布されている点がよかったです。PDF教材をクラウドで管理することで、通勤中のバスの中でスマホを使って勉強することができたり、始業前にカフェでタブレットを使って講義とPDF教材を2画面で表示しながら勉強できたので、時間・場所を問わずに勉強できた点が非常によかったです。PDF教材なので、自分でデータの加工もできる点もよかったです。また、講義資料のパワーポイントに掲載されている図表のうち、テキストや択一六法にないものをトリミングして、テキスト・択一六法にペーストすることで情報の一元化が容易にできました。択一六法に関しては、条文で「第10条の規定を準用する。」などの表現があれば、その条文番号をタップしたら第10条のページに切り替わるようにリンクを張ったりして活用できました。PDF形式の教材は、教材の持ち運び・情報の一元化・検索の時間短縮について大変有用でした。

クレアールのカリキュラム(単元別講義、解法マスター、復習講義等)で有益または活用しやすかった点

 学習の順序が決められていたため、自身で勉強の順序を考えることなく学習が進められる点がよかったです。講義についても1単元の時間が30分~60分時間程度に設定されているため、講義視聴のための時間を細切れに計画できるのも助かりました。講義視聴の際には、倍速機能を用いて2倍速で視聴をして時間短縮を図りました。

答案練習の効果的な活用方法

 答案練習は「実力確認」と「過去問の追加教材」の2つの視点を持って学習に臨みました。初めて答案練習の問題を解くときは「実力確認」の視点で、どこが正解でどこが不正解だったのか、時間配分はうまくできていたのか、なぜ記述式問題でケアレスミスをしたのか、これらの対策はどうすればよいか、ということを考えて自己採点をしていました。また、今の自分に足りないことを確認する機会であると思っていました。そのため、初回は何点取れていたのかはあまり気にしていませんでした。もちろん初回でよい点が取れれば自信につながりますが、それよりも自分のできていること・できていないことの選別を重視していました。2回目以降に解く際は「過去問の追加教材」として活用しました。過去問の学習が進んでいれば、過去問の焼き増し問題は簡単に解くことができますが、過去問に類題が少ない論点であれば答案練習では不正解となっていることが多かったため、不正解となっている論点を過去問の上乗せ問題として復習をしていました。答案練習で正解できている問題は、主に過去問題集にも収録されていたもので、そのため特別な復習はしていませんでした。勉強時間の制限があるので、解けている問題に割く時間はなかったためです。

過去問題集の学習の進め方

 講義を1単元視聴し終えたら、その単元に対応する過去問題を1回解きました(学習開始~12月頃)。その後は、全科目の講義を視聴し終えた後に、すべての問題について2回目を解きました(1月~4月頃)。2回目に解いたときに間違えた問題は、その後+3回ほど復習として解きました。最後には試験日の1~2か月前に、またすべての問題について3回目を解いて、全科目の総復習をしました(5月~6月頃)。そして3回目の解答時で間違えた問題も、その後3~5回ほど復習しました。その結果、一つの問題に対して、理解度に応じて、3~10回ほど解いたことになります。

 問題を解く際に重視したことは、正誤の理由まで理解できているかどうかです。あやふやな理解であるものの偶然正解したときや、本当は理解していた論点なのに問題を読み違えて不正解になったときも、学習上は理解できていない論点として復習対象としました。学習過程で自分を誤魔化しても仕方ないので、過去問を理解できているかどうかという点は厳しく判断していました。

学習を進めていく上でのポイント、心構え

 1年以上にわたる試験勉強になるので、試験当日に実力を発揮できるような仕組みの作成を心掛けていました。深い理解が求められる試験であり、かつ、長期間の試験勉強になるので、次のことを念頭に置いていました。

  • 一度の講義の視聴で理解できると思わないこと
  • 一度の過去問の学習で記憶できると思わないこと
  • 勉強期間を通じて、常にすべての論点を理解、記憶しておく必要はないこと
  • 初学者は、試験日の1週間前程度でようやく合格レベルに達すると思うこと

 これらは、勉強期間を通じての学習上の不安を払拭するための心構えです。試験というのは試験当日に、問われた問題に対して一定の合格ラインの解答ができれば、合格になるものです。つまり、試験日にさえ合格ラインに達していればよく、試験日の相当前から合格ラインを維持する必要はないのです。要は、学習の初期~中期段階に「全然理解できていない、暗記できていない。」という不安を抱えたとしても、それはまったく問題ないのです。例えば、合格に必要な勉強期間が1年間だと仮定した場合、学習期間が半年を経過した時点で、そのときまでに学習したもののすべてを理解・暗記できていることなど、あるわけがないのです。1年の勉強期間で合格するプランを立てたのであれば、合格ラインに達するのは勉強を始めてから1年後、つまり試験直前です。毎日、予定していた学習を進められているのであれば、学習の中期段階までは理解・暗記できていないことを悩むのではなく、何が理解・暗記できていないかを棚卸しして、学習の後期段階に備える期間と考えたほうがよいです。そして、学習後期に今まで理解・暗記が進んでいなかった論点に優先的に時間を割きつつ、得意としていた論点を総復習することで試験直前に合格ラインに達することができます。常に合格ラインを維持し続けるのは、相当な勉強時間と気力が必要だと思います。ほとんどの人はそこまで勉強時間と気力を備えることは困難であり、ストレスも凄まじいものになると思うので、初めから「試験直前にやっと合格ラインに達する」と考えていた方が不安の少ない学習ができると思います。

学習スケジュールをどのように立てて、学習を進めたか

 大きく分けるとインプット時期(学習初期:学習開始~12月頃)とアウトプット時期(学習中期~後期:1月~6月)に分かれます。インプット時期は、カリキュラムに従って毎日、講義を1~3単元視聴していました。1日の視聴数は平日、休日、仕事の繁忙期、プライベートの予定などを考慮し、無理なく視聴できる単元数を向こう1週間分カレンダーに記載していました。インプット時期はあまり復習はしていませんでした。講義を視聴して、対応する過去問を解いたら、その論点は年内には復習していませんでした。上記の学習の心構えで述べたように、学習初期段階で学んだことを試験日まで維持するのは困難であるためです。そこに時間を割くよりも、早めに講義を視聴して、各科目の全体像を掴むことを重視していました。アウトプット時期になると過去問を中心に学習していました。基本的にはひたすら過去問を解き、理解できていない論点はテキストと択一六法を確認するということの繰り返しをしていました。答案練習が始まったら、過去問学習に加えて答案練習の復習も加えてのアウトプットの繰り返しでした。

効果的な学習方法(科目別の学習方法、記述式対策の工夫等)

[択一式問題]

アウトプット時期の過去問学習の方法として、過去問の正誤管理表を作成して、決められたサイクルで過去問を解くという方法を実践していました。正誤管理表は科目ごとに「出題テーマ・出題年度・解いた日・解答の正誤(〇×を記載していました)」を記録したものです。その管理表を用いた、具体的な勉強サイクルは次のようなものです。

① 過去問1題のうち、1肢解いたらすぐに解答を見る ② 正誤、理解力の程度に応じてテキスト・択一六法を確認して理解を深める ③ 管理表に正誤を記録する ④ 次回、その問題を解く日付を管理表に記載する ⑤ 上記①~④を繰り返す

 問題を解くサイクルは、最初に解いた日、その翌日、その3日後、その1週間後、その1か月後と合計5回解くようにしていました。このサイクルに従えば、次にいつその問題を解くのかが自然と決まります。これは忘却曲線の理論を意識したものです。このやり方のよい点は、無理やり暗記しようとしなくても自然と暗記できること、毎日の学習予定が自然と決まってくること、苦手な論点が自然と管理表に集約されてくることです。今日は何の勉強をしようか、ということを考える必要がないので、決められたタスクをこなすだけで合格レベルに近づいていきます。学習の中期の頃は、上記②のテキスト・択一六法の確認に時間を取られていたので、一日の過去問の解ける数は20~30問程度でした。学習が進んで理解が深まると、過去問の解説だけで納得がいくレベルになり、テキスト等の確認時間が短縮されるので、1日に解く問題数が40~50問程度まで増やせました。上記サイクルを徹底すると、1日に解く問題数が膨大になってしまうので、間違えた問題を優先して上記サイクルに当てはめることをお勧めします。得意な論点に時間を割きすぎると、苦手な論点の学習時間を食いつぶしてしまうのでもったいないですし、得意な論点は放っておいても、試験直前に少し見返すだけで思い出せるので、それに時間を割くよりは苦手な論点に時間を割くべきだと考えます。この勉強サイクルに従えば、今日勉強すべきことを過去の自分が示してくれるので非常に有用でした。

[記述式問題]

 択一式問題と同様にインプットとアウトプットの繰り返しです。書式のひな形を暗記して、合格書式マニュアル対応問題集と記述式ハイパートレーニングを解くことの繰り返しでした(上記択一式問題と同じサイクルを用いていました)。実践問題の対応としては、答案練習の問題を繰り返すことが大事だと思います。最初のうちは、ひな形を覚えていなくて、答案練習の際に書くことができなかったものもありましたが、答案練習の初回はひな形が正確に書けていなくても、解答しようとしたものの内容が正しければ自分の中では及第点としていました。答案練習では、解答すべきことが理解できているかどうか、問題文の読み取りが正確にできているかどうかを重視していました。ひな形が正確に書けるかどうか、という点は答案練習外で毎日、合格書式マニュアルを暗記することで対応していました。

2回の受験で合格できた理由

 1度目の令和4年度の受験は、午前の部の択一式問題:31問(基準点27問)・午後の部の択一式問題:24問(基準点25問)で、午後の部の択一式問題が基準点割れのため不合格でした。記述式問題は択一式問題で基準点を下回ったので採点がされませんでしたが、自己採点ではおよそ7割程度正解していました。そのため1度目の受験の敗因は、午後の部の択一式問題の出来が悪かったことにあります。特に不動産登記法の択一式問題がよくなかったです。実は答案練習の段階から、午後の部の択一式問題ができず、記述式問題はそれなりにできているという状況がわかっていたにもかかわらず、漠然と「司法書士試験は記述式問題が大事なんだ」と、記述式問題を過剰に演習していたことがよくなかったと思います。2回目の令和5年度の受験では、1回目の試験結果を受けて、午後の部の択一式問題の科目の勉強時間を増やし、記述式問題の勉強時間を少なめにして学習計画を立てました。記述式問題は本試験の難易度について年によってバラつきがあるため、安定して高得点を取るのが難しいと思います。一方で択一式問題は、難しい問題も時々ありますが、おおむね過去問と答案練習でカバーできるので、択一式問題の方に力を入れた方が、得点効率が良いと感じました。2年目は択一式問題に力を入れたことで午前の部の択一式問題:32問・午後の部の択一式問題:33問とハイスコアで合格できました。

 2回の司法書士試験を通じて、できていることと、できていないことを冷静に見極めて、できていないことを重点的に学習することで効率的に合格レベルに達することができると実感しました。

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