「クレアールのカリキュラムに沿って基本を繰り返したことが令和5年度司法書士試験の合格の秘訣」佐藤 明日香さん

佐藤 明日香さん

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何故司法書士を目指したか

祖父が亡くなった際に、書籍等で調べながら相続登記の手続を手伝い、途方に暮れていた祖母から感謝されたことが、司法書士という仕事を意識するようになったきっかけでした。ですが、当時は仕事と育児、家事に追われており、難関といわれる司法書士資格の取得を目指そうとは、考えもしませんでした。

子供の小学校進学を機に法律関係の正社員の仕事を辞め、それ以降は一般事務のパートとして働いていましたが、子供が成長するにつれて「私の人生はこのままで良いのだろうか」と悩み始め、子供がある程度成長したタイミングで法律関係の仕事に戻れるように、司法書士資格の取得を目指すことにしました。

当初は、司法書士になることを目指していたというよりは、「転職活動に役立ちそう」という考えでした。しかし、勉強を進めていく過程で、司法書士の仕事のやりがいを知り、徐々に「司法書士として働きたい」という気持ちが膨らんでいきました。

何故クレアールを選んだか

予備校選びに際して、いくつかの予備校のサンプル教材を取り寄せ、講義の動画やテキストの内容を見比べました。その中で、クレアールの講義は、講師の癖が強くなく落ち着いた雰囲気で、学習に集中できるように感じられました。

教材に関しては、ネット上で「クレアールの教材は初心者には難しい」、「二色刷りで地味」といった口コミも見受けられますが、最終的には条文を自分で読んで事例に当てはめる力を身に付ける必要があると考えていましたので、条文に忠実なクレアールの教材は、私の考え方に合うものでした。また、他資格の取得時に、教材がカラフル過ぎて重要事項が分かりにくかった経験があったので、シンプルな教材に書き込みを加えていって自分にとって使いやすい教材に仕上げられる、クレアールの教材が気に入りました。

また受講料の安さも決め手でした。当初は「途中で諦めてしまうかも」という後ろ向きな気持ちもあり、正直、「この程度の料金なら、途中で止めることになってもそんなに損害は大きくないな」という消極的な理由が大きかったように思います。ですが、1年間受講した後の本試験で、記述式の答案用紙に受験番号と名前しか書くことのできなかったお試し受験からの成長を実感し、「このままクレアールの講師について行けば、確実に合格を目指せる」と確信して、2年目は積極的にクレアールで学習を続けました。

クレアールで学習して良かった点

クレアールの教材は、他校に比べると内容がシンプルで、分量もかなり少ないので、「これで本当に足りるのだろうか」と不安に感じ、他の教材を買い足したい衝動に駆られた時期もありました。ですが、過去問を解いた後にテキスト等の教材で該当箇所を参照すると、問題を解くのに必要な知識は網羅されていたので、「これだけを全部やれば合格できる」と安心して学習に取り組むことができました。特に、択一六法が優れものです。法律を学習する上で条文を読むことは欠かせませんが、併せて関連する判例などが過不足なく掲載されているので、何度も目を通すことで条文と関連知識とを紐づけて頭に入れることができました。

講義も条文に沿って進められるので、問題を解く際にも条文を意識する習慣が自然に身に付き、知らないうちに条文のひっかけ問題にも気付けるようになっていました。

また、安心保証プランがあるのも良かったです。本気で合格を目指した年の翌年に合格することが多いとよく聞き、私もその一人ですが、本気で合格を目指して試験に落ちた後に気持ちを立て直して再度学習に向かうのは、そこで諦めてしまうのはもったいないとわかってはいても、本当にしんどいです。でも、安心保証プランに入っていたおかげで、何の手続も支払いもすることなく次年度に向けての学習を再開できたので、それだけでもしんどさが軽減されました。

クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

各単元がコンパクトなので、まとまった時間が取れない時でも机に向かいやすく、少しずつでも着実に学習が進んでいる実感が得られるのが良かったです。 また、一通り講義を受講し終えた後に一から全てを復習するのは非効率的ですが、復習講義を視聴することで、全体像を振り返ると同時に、何を忘れてしまっているかを効率よく把握できたので、その部分を集中的に復習することができました。

答案練習の効果的な活用方法

午後の部は時間との戦いになりますので、時間配分の仕方や、選択肢を検討する順序、余った時間に行うこと、わからない問題が出てきた時の対処法などをあらかじめ決めておき、本番では問題を解くことだけに集中できるようにしておくことが重要です。やり方に正解はないので、答練の中で試しながら自分に合ったスタイルを確立するのが良いと思います。

答案の提出後は、解答が送付されてきた段階ですぐに復習を行うようにしていました。問題を解いた直後の方が、自分がその答えに至った過程を記憶しており、間違えた理由がわかりやすいからです。採点結果については、記述式で繰り返しがちな自分の癖を見つけるために目を通す程度で、「過去の自分が解いたもの」と割り切ってあまり気にしないようにしていました。

できれば、答練は本試験の時間帯に合わせて行うのが望ましいと思います。私の場合は、子供が午後の早い時間に帰宅するため、午後に答練を行う時間を確保することが難しく、いつも午前中に行っていました。そのため、昼食後の頭が働きにくい時間帯に問題を解くという状態を本試験で初めて経験することになり、「午後の部の択一式は得意分野だから落とせない」という緊張も相俟って、問題がなかなか頭に入ってきませんでした。その結果、答練の時のような点数を取ることはできませんでした。

過去問題集の学習の進め方

(a) 科目ごとに何周したか

丸3年間の学習期間で最終的に何周したのかはよくわかりませんが、回す数はあまり気にしていませんでした。学習時期に合わせて目的意識を持って解くことを重視しつつ、ある程度の期間が経つと忘れてしまうことも考慮して、2か月で1周するくらいのペースで回していました。

また、複数科目を満遍なく学習しなければならないので、特定の科目に集中して取り組んでいる間に他の科目の内容を忘れてしまうことがないように、1週間で全科目の過去問に取り組めるようにスケジュールを立てていました。

(b) 学習時期ごとの復習方法

過去問は、何度も解いているうちに解答を覚えてしまい、完全に理解していなくても雰囲気で何となく解けるようになってしまいます。学習初期は全体像を掴むことが大切なので、それでも良いと思いますが、形を変えて出題されると正解を導くことができませんでした。そのため、ある程度学習が進んだ段階からは、条文を頭に浮かべ、問題文に当てはめながら丁寧に解くように心掛けていました。

(c) 復習の際に意識したこと

間違えた論点をノートに記すようにしており、時々そのノートを振り返ると、同じことを繰り返し間違えていることに気が付きました。直前期の講義の中で浅沼先生が「本試験までに苦手分野を10個つぶせば別人になる」と仰っており、私も「このノートに詰まっている苦手を全部潰せれば別人になることができる」と自分自身に言い聞かせながら、繰り返しそのノートを見るようにしていました。

(d) どのタイミングで過去問を解き始めたか

ターゲット論点攻略講座の講義の中で該当の参考過去問を参照問題として挙げて下さるので、少なくともそれらの問題については受講直後に目を通すようにしていました。その段階では解説を読んでもあまり理解できませんでしたが、学習した内容が実際の問題でどのように出されるかを確認しておくことで、学習内容の理解が少し深まったように思います。

効果的な学習方法(記述式対策)

記述式の学習を始めた当初は、なかなか問題を解けるようにならず、焦って他の教材に手を伸ばしたくなった時期もありましたが、「択一式と記述式は両輪で同時に伸びていく」、「手が覚えるくらいにひな形を練習せよ」という講師の言葉を信じて、択一式の勉強を中心に進めつつ、ひな形を書いて練習するという基本を繰り返しました。進歩している実感はあまりありませんでしたが、1年後に答練で記述式を解いた時には点数が飛躍的に上がっており、頭では「ひな形が思い出せない」と思っていても一旦書き始めるとなぜか書けるという、まさに「手が覚えている」状態になっていて、講師が仰っていたことは嘘ではなかったと感じました。学習範囲をいたずらに広げるのではなく、点数を取るべきところで確実に取れるように、基礎をしっかり固めることが重要だと思います。

午後の部の効果的な時間の使い方

記述式は精神状態に左右されやすく、採点もブラックボックスだと感じていたので、択一式で確実に点数を稼ぐために、先に択一式を解くようにしていました。また、午後の部は時間との戦いなので、択一式で迷う問題があっても時間をかけ過ぎず、空欄にはしないで何かしら埋めるようにしました。択一式で点数を稼ぐとはいっても、記述式で基準点を超えられなければ意味がないので、記述式に充分時間を確保できるよう、択一式は40分で解くように答練の時から意識していました。

モチベーション維持、気分転換

普段は学習スケジュール通りに淡々とこなしていた感じで、モチベーションが高い状態を維持していた訳ではありません。ただ、途中で何度かスランプに陥って諦めたくなった時には、憧れの司法書士事務所のホームページを見ながら、そこで司法書士として働く自分を想像してモチベーションを上げるようにしていました。

スランプの時も勉強を止めないで続けていると、あるとき急にパッと視界が開けて様々な知識が繋がって見えたような感覚がありました。一度乗り越えられると、その後は再度スランプに陥っても、「このトンネルには必ず出口がある」と信じて進み続けることができました。

気分転換も大事ではあるものの、罪悪感が残るようなことはしたくなかったので、気分転換と実益とを兼ねてオンライン英会話で先生と雑談をしていました。

今年の司法書士試験に合格できた秘訣

当初は令和4年度の合格を目指しており、答練で高得点が取れることもあったので、運が良ければ合格できるかもしれないと思っていました。しかし、直前期に不眠が続いて勉強に集中できなくなってしまい、本試験にもほとんど眠れないまま臨んだので、頭が働かず、結果は不合格でした。

しかし、そんな状態で受験した割には基準点を超えており、総合点で5点足りないだけ(と言ってはいけないのでしょうが)でした。知識が曖昧であることによる自信の欠如が不眠につながり、それが不合格の主要因であったと考え、最後の一年は知識を定着させることによってメンタルを整えることに主眼を置きました。といっても、何か特別なことをした訳ではなく、クレアールのカリキュラムに沿って前述のような基本を繰り返したのみです。

「本番の自分はいつもの自分ではない」と講師が仰っていましたが、まさにその通りで、本試験では、言葉では言い表せないような緊張感に見舞われます。環境もいつも通りではなく、想定外のことも起こります。そんな中でも実力を発揮できるように、答練の時から、本番と同じような緊張感を持って時間を意識しながら取り組み、「本番の自分」を疑似体験しておくのが良いと思います。

今年の本試験が終わった瞬間、答案用紙は全部埋まっていた訳ではなかったものの、すべてやり切ったという爽快感に包まれました。日々の積み重ねの先にそんな時が待っていると信じて進み続けられたことが、合格の秘訣だと思います。

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