「事前に学習に向けた基本ルールを定めておき、それを順守することが学習を続ける秘訣であり、合格への近道である」山川 紘史さん

山川 紘史さん

目次

1 何故司法書士資格を目指したか

法律を取り扱う仕事をしているので、仕事のプラスになると思い、法律関係の資格の学習をするようになりました。

これまでに、幸運にも宅地建物取引士、行政書士の資格を取得することができたので、 より難易度の高い資格の取得にチャレンジしようと思い、司法書士の資格を目指すことに しました。

2 予備校選びのポイント

私がクレアールを選んだのは、Web通信のオプションとしてDVDの講義があり、自宅学習ができたからです。

私の仕事は不規則であり、定時に帰宅できる保証がないため、仕事をしながら予備校に通うとなると、仕事の都合で欠席を余儀なくされることが容易に想定されました。

そこで、自宅学習ができる通信教育を探していたのですが、他の通信教育はWEBによる講義システムが大半で、自分のペースで学習することが困難に思えました。

その点、クレアールは、講義が収録されたDVDの送付をオプションとして選択することができ、自分のペースで学習ができると思ったので、申し込みました。

他社の通信教育と比較すると、料金が良心的な価格だったこと、安心保証プランがあったことも決め手の一つです。

3 クレアールで学習して良かった点

前述したように、講義が収録されたDVDにより、自分のペースで学習できたことが最大の良点です。 また、学習の中盤からは、各種答練や実力完成総合答練などが送付され、現在の実力を測ることができたことも学習の励みとなりました。

答練などの解説講義も、詳細な説明がなされていましたから、解答時には理解できなかった点も理解することができ、自信に繋がっていきました。

ただ、あえて改善点を挙げさせていただくなら、私は解答は問題と同一の機会に送付した方が良いのではないかと思いました。おそらく、問題と解答を同一の機会に送付すると、難解な問題の場合に解答を見てしまう可能性を考慮されての措置だと思われますが、せっかく問題を解いても、解答が送付されてくるのが1週間後になってしまうので、解答が届いた時点で問題の内容を忘れかけているといった現象が生じていたように思えます。

先生方の講義は皆さんとてもわかりやすかったですが、その中でも、清水先生の講義は特にわかりやすかったです。

4 クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

解法マスター講義は、非常に有益でした。

もちろん、単元別講義や復習講義等も有益ではありましたが、やはり、ただ講義を聴いているだけではよほどの天才でもない限り、中々実力に結びつけるのは困難であると思います。その点、解法マスター講義は、自らが問題に取り組み、限界まで実力を発揮した後の解説講義であるので、内容がスラスラと頭に入ってきたように思えます。

5 答案練習の効果的な活用方法

効果的かどうかはわかりませんが、私は、クレアールから送付されてきた答案練習のA3サイズの記述式答案用紙をコピーしておき、何度でも問題演習をできるようにしてから解答に臨んでいました。

答練の問題によって、答案用紙の解答枠が異なっていますので、事前にコピーをしておかないと、再度、同一の問題を解く際にノートやルーズリーフに解答を記載することになり、本試験時の臨場感を損なうおそれがあるからです。

ほとんどの答練について、1か月ほどの期間を置きながら、概ね2~3回は解き直し、以前の解答との相違点を見比べて、毎回間違えてしまう苦手な論点は、ノートに記録するようにしていました。

6 過去問題集の学習の進め方

(1)科目ごとに何周したか

民法、不動産登記法、会社法、商業登記法は過去問題集が分厚いので、一部の問題(講義の最後に表示される参考過去問)を除き、5周程度しかできなかったと思います。 他の科目については、過去問題集がそれほど分厚くないので、10周ほどはしたと思います。

(2)学習時期ごとの復習方法、学習の際に意識したこと

学習当初は、実力不足により過去問が全く解けなかったので、講義の最後に先生方が表示する参考過去問の肢部分だけを解いていました。

ある程度実力が付いてきた中盤からは、先生方が表示する参考過去問の肢部分だけではなく、参考過去問全体を解くようになり、次第に、先生方が表示しなかった過去問も解くようになりました。

その中で、全く解答できなかった過去問や難解な過去問については付箋を貼っておき、繰り返し学習するようにしました。試験直前は、付箋を貼付しておいた過去問を重点的に学習し、付箋を貼付しなかった問題は全く触れませんでした。

学習の際に意識していたことは、過去問の解答の正誤ではなく、解答の説明を正確に 理解することでした。 解答の説明を見ても、よくわからなかった過去問については、テキストや択一六法を見直したり、インターネットで調べたり(テキストなどを見ても、どうしても理解でき ないこともあったので)して、正確な理解を意識していました。

7 安心保証プランがどのように役立ったか

正直なところ、当初は過去問や記述式が全く解けず、こんな試験に合格できるわけがないと心が折れかけた時期もありました。

ただ、安心保証プランの存在により、仮に今年は無理であっても、安心保証プランのおかげで財政的に来年もチャンスがあると考えることができて、勉強を続けられたと思います。

8 学習を進めていく上でのポイント、心構え

(1)学習を進めていく上でのポイントは、無理をせず、家庭や職場環境に合わせて自分のペースで学習をすることです。

前述したように、学習を進めていくと、何度か心が折れそうなタイミングがあります。

私の経験で語ると、

① これまで、全く触れたことがなかった不動産登記法、商業登記法の講義を受講したとき ② 過去問題集を初めて解いたとき ③ 記述式の問題を初めて解いたとき

に心が折れかけましたが、おそらく、ほとんどの受講生が同様の感覚を抱くのではな いかと思います。

このような場合に、焦ってしまい無理な学習計画を立ててしまうと、心に余裕がなくなって、仕事や私生活に悪影響が出るばかりか、学習自体に嫌気が差してしまうのではないかと思います。

私は、嫌気が差した状態で勉強するのが嫌だったので、そんなときは趣味の海外ドラマを見たり、読書をしたり、その日の勉強自体を諦めて外出して遊びに行ったりと気分転換を心がけていました。(時には、数日間は全く学習に取り組まなかったこともありました)。

(2)また、普段からメリハリをつけて勉強をすることが重要ではないかと思います。

例えば、「今日は仕事が休みだから、8時間は勉強しよう」と考えていても、集中力が続かないのに実際に行うことは困難です。

そこで、私は、平日は午後8時から午後11時までの3時間、休日は午前9時から午後12時までの3時間、午後は午後2時から午後4時までの合計5時間と決め、それ以外の時間は基本的には勉強しないようにしていました。

このような時間設定になったのは、私は、平日は基本的に2単元分の講義を視聴することにしていたのですが、1単元が概ね1時間強で、テキストの見直しや講義の最後で表示される参考過去問を解く時間を考慮すると、約3時間となるからです。休日は、3単元分の講義を視聴することにしていたので、合計すると約5時間になります。

私は、これくらいが、人間の集中力の限界だと思っていましたので、確かに焦る気持ちもありましたが、これ以上やっても非効率だと思い、この時間設定を徹底することにしたのです。

9 学習スケジュールをどのように立てて、学習を進めたか

学習の軸とすべきなのは、やはり、出題数の多い民法、不動産登記法、会社法、商業登記法なので、そこに時間を注いだことは当然ですが、私は、憲法の学習にも人一倍力を注ぎました。

過去問を解いていると、主要4科目以外の民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、刑法、供託法は、例年、同様の趣旨の問題が重複して出題されていましたが、憲法だけは、出題内容が読めない傾向にあったからです。

そのため、憲法のテキストについては、10周程度は読み返したと思います。

法学部出身の方は憲法に強く、司法書士試験も法学部出身の受験生が多いと思われることから憲法を落とすと、択一式の基準点を超えることが厳しくなるのではないかと考えたことも憲法に力を入れた理由です。

10 効果的な学習方法

択一式の学習に関しては、1周目は講義をしっかり聴いて、テキストは流す程度で目を通し、2周目は、講義ではなくテキストメインで学習し、わからないところだけ講義を見直すようにし、3周目は択一六法で学習することが効果的だと思います。

というのも、講義では先生方が細かいことまで説明してくれるので、その場では理解した気持ちになるのですが、一から自分の頭で考えたわけではないので、実力に直結しない危険性があるためです。

したがって、講義を見るだけで満足して、テキストや択一六法自体の学習を怠るのは非常に危険だと思います。 また、時間がない場合は、講義を1.5倍速にして見ることも効果的だと思います。 先生方は、講義でゆっくりと説明してくれていましたので、1.5倍速にしても内容は理解できますし、講義の視聴時間の短縮にも繋がります。

記述式の学習に関しては、ひな形を覚えることが重要となりますが、合格書式マニュアル対応問題集の活用が効果的です。記述式ハイパートレーニングと異なり、出題されている各問題が簡素なものが多いので、短時間で解くことができ、ひな形が頭によく残ります。

記述式ハイパートレーニングは難しく、時間もかかるので、私は2周程度しかできませんでしたが、合格書式マニュアル対応問題集は10周程度はやりましたし、それに対応した合格書式マニュアルも20周程度は読み返しました(合格書式マニュアルは、試験会場にも持参して、昼休憩中も読んでいました)。ただ、合格書式マニュアル対応問題集は、商業登記の持分会社に関する問題がない(令和4年度の本試験では、持分会社の問題が出題されて全く解答できなかった)ので、書店で市販のひな形集を購入しました。

11 苦手科目の克服方法

不動産登記法、商業登記法は、大半の方がこれまで触れたことがないことを学習することになるので、かなり苦手意識を持つのではないかと思います。

ただ、これらについては、講義やテキストでは理解できなくても、記述式の学習を進めていくうちに、基礎的な部分は自然と身に付いていきますので、最初はわからなくても焦る必要はないと思います。

個人的に苦手だったのは民事訴訟法です。供託法や民事保全法などはある種の法則的な部分があり、覚えやすかったのですが、民事訴訟法に関しては丸暗記するしかなく、学習範囲も広いので大変でした。

いまだに苦手でありますので、克服とまでは言えませんが、択一六法では条文の超訳があり非常にわかりやすかったので、条文と超訳を見比べて暗記したことが結果に繋がったのではないかと今になって思います。

12 午後の部の効果的な時間の使い方

午後の部は、とにかく時間がありません。

午前の部は、選択肢をすべて読んでから解いても時間が余り、見直しさえ余裕で行えたにもかかわらず、午後の部は時間が足らず、記述式の時間配分が頭によぎって集中力が削がれます。

したがって、午後の部で難解な問題や不得意な問題が出題された場合は、すべての選択肢を読むのではなく、確実に誤っている選択肢を削って、余った選択肢で合致する解答があれば、それを選択する勇気も必要だと思います。

13 記述式問題の時間配分や答案構成用紙の効果的な使い方

とにかく、商業登記の記述式を解くために、最低でも40分の時間を残すことが重要だと思います。 商業登記の問題は、不動産登記の記述式と異なり、問題のすべての解答はわからなくても、部分的には解答できる箇所があり、最低限の部分点は狙えるので、商業登記の記述式に割く時間が少なすぎると、その時点で記述式の基準点を突破できないのではないかと思います。答案構成用紙の効果的な使い方として、私は不動産登記は横向きに、商業登記は縦向きにして記載していました。

不動産登記は、不動産の所有権が順次移転していくので、縦向きに記載するより横  向きに記載した方が白紙を広域に活用できますし、見やすいからです。

14 1000問ノックWebテストの活用法

私は、1000問ノックWebテストは全く活用しませんでした。

私の自宅にはパソコンがないため、当初はスマートフォンで1000問ノックWebテストを利用していたのですが、サイトにアクセスして、1000問ノックWebテストの画面まで移行する手続がスマートフォンでは使いづらかったので、かなり早い段階で1000問ノックの活用は諦めました。

15 来年度の合格を目指す方へのアドバイス

前述しましたが、やはり無理のない学習スタイルを貫くことが重要です。

学習範囲が多岐にわたり、学習時間も長くなるので、焦る気持ちもありますが、詰め込んでやっても一過性の知識になってしまいますし、うんざりして途中で心が折れてしまうと思います。 やはり、事前に学習に向けた基本ルールを定めておき、それを順守することが学習を続ける秘訣であり、合格への近道だと思います。

16 今年の司法書士試験に合格できた秘訣

私は令和3年4月頃から学習を開始し、今回の本試験が2回目の受験でした。

実は、昨年の令和4年度司法書士試験の受験では、いずれも基準点は突破したものの、合格点に3点足らず、不合格となりました。

こんなことがあるのかと絶望し、一時は学習から距離を置いていた時期もあったのですが、家族や友人が「来年は絶対に受かるから、もう少しだけ頑張ってみれば」と声をかけてくれたので、モチベーションを取り戻すことができました。

やはり、仕事や家庭もある中で、学習を続けていこうと思うと、周りのサポートは必要不可欠ではないかと思いますので、周囲の理解を得た上で、学習に励んでいくことが重要だと思います(周囲に受験意思を示すことで、自分を追い込むこともできると思います)。

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