「今までの失敗と後悔を通じて最適な筆記試験の取り組み方を考えた結果、合格できました」石井 宏顕さん

石井 宏顕さん

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何故司法書士資格を目指したか

10年前に父が他界し、その財産等を相続することとなり、実家の処分で大変苦労しました(実家は借地権が更新されていない借地権付建物でした)。これが、不動産の権利関係の勉強を始めたきっかけです。また、時期を同じくして、勤務する会社の管理職登用試験に連続して2回失敗してしまい、管理職への道が閉ざされたことで、「替わりに何か公的な資格を取得しておきたい」という気になったことも理由でした。

クレアールを選択した理由

会社勤めをしていますので、学習のために予備校に通うことは難しく、通信教育であることが予備校選びの大前提でした。また、受講料が他校よりも比較的安価であったこともクレアールを選択した理由でした。

クレアールで学習して良かった点

他の予備校の講座は一切受講していませんので、他校との比較はできませんが、講義での講師の方々の要点箇所の説明が、時間をかけて丁寧にされていたため、私を含めた初学者の方々にも、比較的わかりやすかったのでないかと感じました。

クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

改正民法(債権法編、相続法編)の講座は大変に有益でした。当時、私は改正される前の民法の知識も不十分な状況でしたが、改正講義を繰り返し学習することで、改正前と改正後で比較しながら民法の理解を深めることができました。会社法や司法書士法においても、同様の講義がありましたが、改正の前後での要点を比較しながら学習することは、理解を深めることに大変役立ちました。

答案練習の効果的な活用方法

答練については、学習済の問題冊子に鉛筆で書き込んだ〇×は、一度消しゴムで消し、記述式問題の答案用紙は学習の事前にコピーをとっておくなどして、前年度の答練を1年後に再度学習できるように使い回しをしました。答練も学習してから1年も経過すれば、問題の内容は殆ど忘れているため、有効活用ができたと思います。

過去問題集の学習の進め方

私が過去問題集を解いたのは学習を始めた5年目からでした。全ての科目について過去問題集を3回ほど繰り返し学習したことで、令和2年度の本試験から択一式の点数が飛躍的に伸びました。過去問題集を繰り返し学習することの重要性に、もっと早くに気づいて取り組むべきであったことは、私自身大変後悔するところです。過去問題集の学習は、他のカリキュラムと並行して学習する形ではなく、過去問題集のみを集中して学習しました。繰り返し学習する際には、A、B、Cのランク分けの表示はあまり意識せず、択一六法などには記載のない、特異なことを聞いてくるような珍しい(?)問題を意識的に記憶するよう努めました。

学習スケジュールをどのように立てて、学習を進めたか

毎年9月頃から学習を開始しますが、最初に学習の内容とスケジュールを任意に設定していました。

4月までは講義主体(択一六法、レジュメ、過去問題集、記述式の応用講義などから学習するものを任意に選択)、直前期は答練のみです。私は2014年からクレアールの司法書士講座を受講しており、主要なカリキュラムは殆どが受講済だったので、今年度は、以下の2点に絞りました。

  • 択一六法を最新のものに替え、全ての科目の単科講座を受講(2回学習)。
  • 実力完成総合答練および全国公開模擬試験は本年度と昨年度の2年分を解く。

午後の部の効果的な時間の使い方

択一式問題にかける時間は80分程度(令和3年度は85分、令和4年度は75分でした)です。

各設問の肢は、基本的には全て解きます。択一式問題は、それなりに時間をかけてじっくり取り組み、30問以上を正解することを念頭に置きました。一方、記述式問題の解答時間は択一式ほど多くなく、不動産登記には55分、商業登記は残り45分で書けるところまで書くという感じです。

択一式問題に時間をかける理由は、私は問題を解くスピードを上げると、その分ケアレスミスが多くなるという実態があったからです。よくあったケアレスミスは、正しいもの(〇)の組み合わせを解答すべきところ、なぜか正しくない(×)の組み合わせを解答してしまうというものです。その逆もあり、このようなケアレスミスをしてしまうのが毎年3問くらいありました。択一式問題の得点は1問3点ですので3問だと9点です。これを記述式で挽回するのはとても難しいと考え、択一式問題はじっくりと解いた方が良いという考えに至りました。

記述式の答案構成用紙

記述式の答案構成用紙は、不動産登記の登録免許税の計算に使うくらいです。そもそも時間がないので、答案構成用紙に不動産の権利変動を転記している余裕はありません。商業登記の役員変更の推移などは、問題文中に直接書き込んで記録するようにしていました。

仕事との両立について

私は勤務する会社で営業職をしており、得意先回りで外出や出張が比較的多くあることから、電車での移動時間なども学習時間に充てるよう活用していました。択一六法のサイズはコンパクトですから、持ち運びに便利で、電車の中ではよく読み返しておりました。何度も読み返していると、前には目に止まらなかった内容に気付かされることが多く、繰り返し学習の重要さを感じました。

通信教育の有効な活用方法、モチベーションの維持の秘訣など

私は受講する講座はDVD付で申し込みました。DVDは講義を視聴したい時にすぐに視聴できるのが良いところです。DVDは繰り返し視聴しましたが、その日の一通り学習を終えて、毎日晩酌する時にも必ずDVDで講義を視聴していました。晩酌しながら、気持ちがリラックスしている時に講義を視聴すると、いつもの学習の時にはなかった「気付き」が結構あることがわかりました。とは言ってもこれを他の方にお勧めするつもりはありません。

今年の司法書士試験に合格できた秘訣など

私は令和3年度までに7回受験しましたので、本試験では多くの失敗と後悔をしてきました。択一式問題のポカミスに始まって、記述式問題の時間配分のミスなど挙げればきりがありません。

今までの失敗と後悔を通じて、どのように筆記試験に取り組むのが最適なのかを自分なりに考えて、実践したこともあります。先に述べさせていただきましたが、午後の部は解答のスピードが求められますが、私は、択一式問題は時間をかけてでも慎重に解くことを優先し、記述式問題は完答することは望まずに書けるところまで書くという方針に腹を据えました。(とは言え、記述式もそれなりに正確に書かなければなりませんが…)。

また、今年度は、午後の部の試験問題を解くことに一心不乱に3時間集中できたように感じます。

これまでは、試験の途中にトイレに立つようなこともありましたが、今から思えば試験に集中しきれていなかったのかもしれません。

今年の全国公開模擬試験の午後の部の解説講義の最後に、浅沼先生が言われていた事が印象的でした。

  • 解答を全部書けないと思っても、最後まで決して諦めないこと。
  • 最後の10分で100人を抜く気持ちを持つこと。
  • 最後の1分1秒まで書くこと。添付書類を1つでも多く、0.5点でも多く得点できるように。

今年の本試験の午後の部では、浅沼先生が言われていた通りにすることができました。僅かながら合格点を上回ることができた理由なのではないかと思っております。

本試験前の体調管理について

本試験で高い集中力を発揮するには、体調が万全であることは言うまでもありません。当然ながら、直前期の体調管理には非常に気を遣いました。今年は関東の梅雨明けが6月27日頃と早く、本試験前は猛暑にさらされましたが、暑くても、冷房を付けながら薄着で寝入るようなことは絶対に避けるようにしました。

近年では、本試験の前日の夜は、緊張してなかなか寝入ることができず、睡眠不足の状態で本試験に臨むようになっていました。私は、昨年から高血圧症と高脂血症で定期的に内科を受診しているので、この点を医師に相談し、入眠剤を処方してもらいました。おかげで、今年の本試験の前日はぐっすりと眠ることができ、万全の体調で本試験に臨むことができました。

もし、同じような悩みを持たれている受験生の方がいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。

来年度の合格を目指す方へのアドバイス

成果が出るかどうかわからないことに、時間と労力をかけ続けることは辛いことです。

しかし、諦めたら今まで消費してきた膨大な時間と労力は何の意味も持ちません。有限である時間と労力を成果に結びつかない無意味なものにしないためにも、諦めずに取り組むしかないことを自分に言い聞かせて、何度でも挑戦するしかありません。「合格あるのみ」でしょうね。

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