「気力を振り絞って記述式の答案を最後まで書き続けたことが今年合格できた秘訣」T.Mさん

T.Mさん

目次

何故司法書士資格を目指したか

私は、司法書士を目指す前に、宅地建物取引士の資格を取得していました。その学習の中で不動産取引の上で必要不可欠、かつ重要な役割を担っている司法書士という資格に興味を持ちました。そして、その試験が難関であることを知り、難関だからこそ取得する価値があると思っていました。また、将来、宅地建物取引士の資格と併せて持っていれば役立つので、いつか取得したいと思うようになりました。

そんな折、クレアールで司法書士講座を開設していることを知りました。私がクレアールを選んだ理由は、質問の回数制限がない点でした。これは特に初学者であった私にとっては大きな魅力の一つでした。 答練の答案と一緒に質問票を送ると、時には採点された答案より先に質問の回答が返ってくることもあり、学習がはかどりました。また迅速な回答と講師の方々の暖かいコメントに励まされたこともしばしばありました。

クレアールで学習して良かった点

クレアールで学習して良かった点は、同じ講師の方が、択一式対策講座や記述式対策講座と答練の解説講義を兼ねていることが多いため、同じ論点が問題となった時に、解説が一貫しているので、知識の混乱が起きないことでした。

また、択一式講座で記述式の知識喚起があったことも良かった点でした。 私のお薦めは、書式攻略完成講義です。これは、過去の本試験の記述式の問題を論点ごとに分けて解説する講義です。初学者の方や、記述式問題が不得意な方はわかると思いますが、複数の事実の中に沢山の論点が存在するため、実体上の判断に多くの時間を取られてしまい、ミスをする事が多いのではないでしょうか?私もこの講義で、どのように実体上の判断をし、どういう順で申請するのかなど、実戦的な力を付けることができました。

実戦的な力を付けると言えば、直前期の実力完成総合答練が、最も効果的なカリキュラムでした。私は、本試験と同じように、午前の部は午前中に受講し、午後の部は午後に受講することを心がけました。

午後の部の効果的な時間の使い方

本試験を受験した方はお分かりになると思いますが、午後の部は記述式問題があるため時間との戦いです。かくいう私も直前期の答練は、本試験と同じ時間配分で臨みました。具体的には、民訴等は午後1時から10分間で解き、過去問レベルの肢が多ければ1問1分以内を目指します。その後5分間で供託法と司法書士法を解き、不登法は1時15分頃から1時40分までを目指します。不登法の問題は、必ず非常に難しい問題が出題されますが、1問に3分はかけられないのでペース配分が非常に大切です。また、不登法は午後の択一式問題の中では16問と最もボリュームがあるため、正答率50%以上の問題を3問以上落とすと取り返しがつかないので、ケアレスミスにも要注意です。実力のある受験生なら午後の択一式試験の基準点が75点でも90点超えの正答をする方が沢山います。その後、商登法は午後2時5分までに終わらせ、次に不動産登記の記述式問題を午後3時10分頃までに終わらせ、最後は商業登記の記述式問題を解きます。受験生の中には、先に記述式問題を解いて、後から択一式問題に取りかかる方もいますが、私は択一式問題から解き始めました。

記述式問題で不動産登記が非常に難しく、かつ解答を書くボリュームも多い場合、1時間以上時間を使ってしまうと、その後の商業登記の記述式問題が難しい場合は択一式問題を解くための時間が足りず、午後の択一式の基準点に達しないおそれがあるからです。ただし、記述式問題が得意な方は、逆に記述式問題に時間をかけずにこなし、択一式問題を後からじっくり解くのも良いと思います。どちらが自分に合っているのか、また問題の難しさに応じて択一式から進めていくか、それとも記述式から始めるか決める、といったことも答練で試せますから、実戦力をつける絶好のカリキュラムだと思います。

答案構成用紙の使い方

記述式問題の答案構成用紙の使い方で注意が必要な点は、答案構成用紙で登録免許税等の計算をしないということです。答案構成用紙がごちゃごちゃして非常に煩わしいので、計算は問題用紙の余白ですることをお勧めします。答案構成用紙の書き方のルールは無いので、自分に合ったスタイルで書けばいいと思います。合格レベルの実力がついてくると答案構成用紙もスッキリと上手に書けるようになるのではないでしょうか。

過去問の学習の進め方

司法書士試験で一番大切なのは、やはり過去問でしょう。近年は記述式問題でも同じ論点が繰り返し出題されるため、過去問の取り組み方が勝敗を分けると言えます。過去問知識の択一式問題は、言うまでもなく記述式問題を解く上で必要な知識の基礎となっています。択一知識を強化すれば記述式を解く力もつきます。どちらか一方だけの力が伸びるということはありません。両方の力が伸びる感じで実力がついていきます。

合格レベルの受験生は、過去に問われた知識を絶対に落としません。落としてはいけない問題なのです。記述式問題で、商業登記の記述式問題の役員変更と募集株式の発行等の問題は、得意にしておいた方が良いです。カリキュラムで多く取り上げられる論点は、本試験でも繰り返し問われます。また、テキストで知識のインプットをして答練でアウトプットのトレーニングをすれば、過去に問われたレベルの問題は必ず解けます。これを落としてしまうと他に出題されたことがない論点が出た場合、取り返せません。役員関係の問題は合格レベルにある人は落としません。このようなことは個人成績表の記述式の総評に詳しく記されて、採点された答案と一緒に送られてきますし、自分の弱点と他の受講生の実力もわかるので、復習の時にしっかりと見ておくことをお勧めします。

他の受験生との差をつけるためには、募集株式の発行や株式分割、無償割当、併合や資本金の額の減少などをミスなく計算しておくのが良いでしょう。私もそうでしたが、本試験では焦って計算をミスすることが多いので、これを得意にすることは大きなアドバンテージになり、登録免許税の計算をする場面でミスを減らすことにもつながります。私は小学校高学年向けの計算ドリルで、直前期に計算のトレーニングをしました。 皆さんは過去問を何周しますか?私は講義の視聴を始める前に、一度全部の問題を解いて巻頭の過去問題掲載頁一覧に、もう一度解いた方がいい問題に印を付けていました。そして、その問題を解く時に論点が曖昧な肢について印を付け、最後に本試験までにその肢だけを解くようにしました。この試験は科目が多く過去問も膨大なので、仕事をしながら勉強する方は全ての問題を3周するのは大変だと思いますし、私も実際そうでしたが、過去問から取り組み、その後講義を受け、択一式の答練を受けました。

9月の下旬頃までに民法を終わらせ、11月中旬頃には不登法を終わらせ、お正月休みを使って翌年1月中旬までに会社法と商登法を終わらせます。その後2月中旬までに民訴等を終わらせ、3月末までに憲法、刑法、供託法、司法書士法を終わらせ、4月から6月末までは全国公開模試と実力完成総合答練を消化します。1年は本当にあっという間なので気を引き締めてかからないと、過去問を3周させるどころかカリキュラムを消化するだけで精一杯になってしまいます。仕事で忙しい方は前述のように抜き取りの過去問だけでも学習すれば知識の定着と理解が深まるので試してみてはいかがでしょうか。2周目の過去問も3月までには終わらせます。直前期の答練が始まると復習の絶対量が増えるため、過去問だけに取り組む時間は取れません。答練で出題された論点と関連した問題を先に解いて、本試験まで時間を見つけて残りの問題を解き終わる頃にはもう本試験まで10日程度しかないという一年でした。

初学者の頃に苦労した不登法と会社法

私が初学者の頃にこうすれば良かったという話をします。まず苦労したのは、不登法でした。択一式が解けないと記述式も解けませんから、択一式の過去問(具体的に事実が示されているタイプ)を解く際にその事実に基づく申請情報の内容を、目的、原因、申請人と順番に考えながら解くようにしました。そこで足りない知識が実体上の判断なのか、申請順なのか、ひな形なのか、添付情報なのかと、繰り返すうちに択一式の力も記述式の力も、択一式の過去問でトレーニングできました。

会社法ではやはり、組織再編に苦労しました。何と言っても、会社法の学習の中で一番条文の理解が要求される分野なので、他の会社法の問題以上に時間がかかりました。一つコツを説明しますと、全ての条文をただ番号順に読むだけでは理解が深まりません。組織再編にあたり当事会社で決めておかなければならない事項なのか、そのために必要な手続の話なのかを考え、次に新設なのか吸収なのかを考え、最後に存続会社側の話なのか、消滅会社側の話なのかと順序立てて条文を読みます。そして、組織再編の各類型を比較し、存続会社側の手続と消滅会社側の手続を比較することです。

法改正に関する知識は、試験にあまり関係のないものもあるので、学習範囲を必要以上に広げないようにするためにも、クレアールの教材と答練の範囲にとどめるべきです。

モチベーションの維持

1年間モチベーションをどう保つのかも試験を受けるに当たっては大切です。四六時中勉強のことばかり考えているのは無理ですし、私もそうでした。私は登山が好きなので、勉強が嫌になった時は、試験が終わったら登りたい山やルートを調べたり、欲しい装備品をネットで探したりして気晴らしをしました。気分転換は必要です。家族に勉強の話をしてもムダだと思っている方もいるかと思いますが、そんなことはありません。分からないなりに励ましてくれたり、応援してくれて、私には一番の励みになりました。

今年の司法書士試験で合格できた秘訣

最後に、今年合格できた秘訣についてお話しします。私が受講したカリキュラムの最後は、全国公開模試だったのですが、その解説講義の最後に、浅沼先生から「最後の決め手は気合だ!最後の10分で100人抜くつもりでやれ!」と、激励されました。試験終了の10分前は焦りと疲れで頭が働かなくなりそうでしたが、その言葉を思い出して気力を振り絞って記述式の答案を書き続けました。試験終了後は、しばらく何も考えられず、知らぬ間に筆記用具を片付け、試験室からの退室の説明をぼんやりと聞いていました。今年、合格できたのは、最後の気合だったと思います。本試験では普段の力を出すのも難しいです。ですから最後は、気合が合否を分けるし、逆転も可能だということを心のどこかに留めて本試験に臨んでください。皆さんの健闘を祈ります。

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