H.Kさん
1 司法書士を目指した理由
私は東京で民間会社に2年間勤務して、「結婚や親の面倒を見るために故郷に帰ろう」と地元密着である公務員試験を受験し、無事合格して地元で働くことができました。その際、法律の勉強をしたことで、その後も、仕事上でも法律知識が必要であるため、うっすらと司法試験や司法書士試験を意識することとなりました。
その後、宅建士、行政書士、日商簿記2級、と各種の資格試験に合格し、司法書士試験に取り組み始めましたが、中々捗らず年月ばかりが経過し、いよいよ定年まで後5年という時になって、「これは気合いを入れなければ」と気分一新して取り組むことにしました。
これまで、記念受験を除けば5回目で合格することができたことになります。1回目は午後択一のみ基準点突破、2回目は全て基準点を突破するも総合点で18.5点及ばず、3回目は記述式で基準点及ばず、4回目は総合点で5点及ばずで、今年5回目で合格点を12.5点上回って合格することができました。
2 私のとった勉強法とクレアールの講座を選んだ理由
1回から3回目は予備校の直前模試を受けるくらいで、ほぼ独学で勉強しておりました。その際、使っていた本は、過去問題集と他の予備校が発刊している参考書でした。しかし、「定年までに合格する」という期限が迫ってきたことで、4回目の時には、他の予備校のWEBでの基本講座を受講し、基本からやり直すことにしました。これが効を奏し、4回目であと5点という所まで来れたのを機に、予備校の上級講座を受講し、5回目は背水の陣で臨む決意をしました。
実は、4回目の試験での記述式で大失敗をしてしまい、「おそらく不合格であろう」と予想していたので、前回の試験が終わって、直ぐに勉強を始めるべく、予備校の上級講座を探し出しました。また、私は仕事をしていることも有り、前年に引き続きWEBでの講座を探しました。そこで、出会ったのがクレアールの司法書士講座でした。その際、選んだポイントは、WEBでの講座であること、上級者向けの講座であること、それと、計画的かつ効果的に勉強を進めることができるカリキュラムを備えていることでした。
この点、クレアールの講座はWEBに特化しており、いつでも何回でも受講ができ、上級者に特化した講座でした。カリキュラムも基本的項目から応用的項目まできちんとした流れができており、豊富な問題演習も講座に完全に組み込まれていました。また、7月中に申し込んだ場合、約半額になるという費用面のメリットもあるので、クレアールの講座を躊躇なく、申し込むこととしました。
3 クレアールの講座の良い点
クレアールの講義は1単元が約60分なので、毎日1単元ずつ消化することができ、学習の大変良いペースメーカーになりました。送られてくる教材は大変分かりやすく、内容面でも十分に満足できるものでした。また、再生速度を簡単に変更できるため、時間の空きに応じていつでも視聴することができました。
特にクレアールの講座を受講して良かった点は、教材が送られてくるのと同時に、教材の全てがデータとして学習管理システムでPDFを閲覧できるようになる点が、他の予備校にはないメリットだと思います。データで見られることで、いつでもどこでも、いちいち教材を持ち歩く必要がなく、学習ができます。おかげで、この2年間少し遠くの勤務地で、往復2時間以上かかっていたことをメリットとして、通勤時間等の空き時間を利用して、勉強することができ、大変学習スピードを上げることができました。また、PDFは、「ここは重要」という箇所のみを印刷して、常に手元に置くことで、記憶の定着を図ることができました。
4 私のとった勉強法
この1年間の私の勉強スケジュールは、クレアールの講座に沿っての勉強で、その他は、「徹底的に過去問を解く」ということの繰り返しでした。クレアールの講座をスケジュール通りにこなし、その合間に徹底的に過去問を繰り返しました。やはり、過去問の学習は司法書士試験攻略の上で最重要です。クレアールの過去問題集に掲載されている各科目直近19年分を徹底的に繰り返すこととしました。その際、誤った問題には付箋を貼っていきました。こうすることで、どの科目のどの部分が自分が苦手なのかを自覚することができたと思います。その際、覚えなければならない事項などは、表にするのが効果的(特に会社法)です。そんな時、クレアールの教材の中には、豊富に表が含まれており、その表のページを学習管理システムにアップされているPDFデータから印刷することで、一から作成する手間がかなり省けました。また、表以外でも、自分の苦手な箇所をその部分だけ、PDFデータから印刷することで、弱点克服のための効果的な勉強をすることができたと思います。そう考えるとPDFデータでの教材配布は本当に有効であると思います。また、過去問については、各科目5回は回したと思います。何回も繰り返すことで、弱点を克服し、知識の穴を埋めていくことができます。
次に、記述式の勉強法ですが、クレアールの講座には、基本事項を中心に学習するものと、応用(ほぼ本試験問題)に該当するものがあります。まず、合格書式マニュアルと合格書式マニュアル対応問題集を毎日何問と決めて必ず登記申請書を書くことを心がけました。その際、きっちり書いていると時間が足りないので、要点だけを走り書きにしておりました。択一の過去問もそうですが、記述も慣れることが大切なので、必ず不動産登記・商業登記ともに1日何問と決めて書くことが大事だと思います。最初は時間がかかりますが、段々スピードが上がっていきますので、1日にこなす量がどんどん増えていきます。司法書士試験の午後の部は時間との戦いになりますので、基本的な問題の数をこなすことが記述式攻略には有効であると思います。
また、記述の模擬試験は必ず時間を守って解くことが重要です。最初は時間内にできないこともありますが、何度も解いているうちに慣れてきて、時間に余裕ができてきます。時間に余裕ができるようになれば、合格も近いと思われます。特に本試験を意識した模擬試験では、必ず1問を50分で解答するように心がけておりました。午後択一を70分、各登記法の記述をそれぞれ50分で解答すれば、10分間の余裕が生まれます。まあ、実際には5分も残れば儲けものなんですが…。クレアールの模擬試験は家で受験することとなりますが、記述式は必ず1問を50分で終えることを心がけてください。
5 科目別学習法
① 民法
民法は司法書士試験の大きな山です。膨大な量があり、最も時間をかける必要があります。その際、必ず条文に当たるようにしてください。ここで過去問から離れてはなりません。過去問の解説を見ながら、条文を当たることで知識の定着を図ってください。また、過去問に当たることで、司法書士試験で繰り返し出題される箇所が分かってきます。
② 商法・会社法・商業登記法
これらの科目は1つの科目と考えた方が良いです、また、あまり明確な理屈がなく、闇雲に記憶することを強要される科目です。勉強が進んでくると、何でそうなっているのかが、なんとなく分かってくるのですが、最初のうちは覚えることが苦痛で苦痛で仕方がないと思います。なるべく図表などを活用して覚えるようにしましょう。
また、膨大な量を暗記しなければならないですが、忘却との戦いだと割り切って「何回も覚えて忘れて、また、覚えて忘れての繰り返しだ」と割り切りましょう。とにかく、繰り返すことしかありません。この科目も必ず過去問で出ている箇所を繰り返し回すようにしてください。また、商業登記の記述式も必ず同時に勉強することをお勧めします。択一式と記述式は関連しており、相互に勉強することで各科目の理解が深まることとなります。
③ 不動産登記法
この科目は、先に記述式から勉強を始めた方が効果的かもしれません。記述式試験の内容がそのまま択一式で聞かれることがあります。また、民法とも関連が深い科目なので、記述式の勉強は民法とも並行して進めることをお勧めします。
④ 憲法・刑法
午前の部のマイナー科目ですが、この科目も過去問を何度も繰り返し解き、その周辺知識を潰す勉強に徹してください。
⑤ 民訴系科目
民事訴訟法と民事執行法は量が膨大なので、過去問を潰すだけで十分です。毎年必ず見たことのないような問題が出題されます。午後の部の最初なのでパニックを起こしそうになりますが、そんな問題は皆も当てずっぽうの解答しかできないので、あっさり諦めて次に行くようにしましょう。民事保全法は条文も僅かしかなく、条文そのものの知識が問われますので、必ず正解することを心がけましょう。
⑥ 供託法
供託法は同じことを何度も聞かれる科目です。過去問を繰り返し解いて知識の定着を図りましょう。3問も出題されますので、ここでの得点はかなり大きいです。必ず落とさないつもりで過去問知識を完璧なものにしましょう。
⑦ 司法書士法
この科目は1問しか出題されないですが、条文も少なく、繰り返し同じ箇所が出題されますので、必ず得点するように過去問知識の定着を図りましょう。
6 直前期の勉強方法
直前期はなかなか焦ってしまって、勉強が手につかなくなってきます。そこで今までの学習が活きてきます。もう19年分の過去問を回している時間はありません。過去問の間違ってしまった問題を回しましょう。それと模擬試験の問題を回しましょう。模擬試験の問題数くらいは回す時間はあります。模擬試験の問題で全体を見渡し、過去問の間違った問題で弱点の克服に努めましょう。また、記述式は直前期においても、簡単な問題で良いので、必ず毎日何問かは解答イメージを作るようにしてください。この時期に新しい問題は学習するべきではないです。今まで解いた問題だけを繰り返すようにしてください。
7 まとめ
司法書士試験は出題範囲も広く、難易度も高い過酷な試験です。しかし、相対的な試験で、毎年上位600名ほどが抜けていきます。着実に勉強を進めていけば、必ず自分の順番が回ってくると信じて1歩1歩進んでいってください。また、記述式は自分で思ったようには得点が取れません。現に私は4回目で大失敗したと思いましたが、41.5点取れていました。合格した今年の5回目はかなり良い出来でしたが、46点と僅か4.5点しか得点が違いませんでした。かなり運が左右する試験ですので、記述式は基準点より若干高い得点で良いくらいの気持ちでいれば良いと思います。記述式の基準点はいつも5割程度ですので、最後まで書き切れば、おそらく基準点を超えられると思われます。総合点の合格点は基準点から25点ほど上になります。これから受ける皆さんはこれを目標にして、択一式の得点を1問でも多く取るよう心がけてください。基準点から25点ということは、基準点プラス27点(択一式9問)を目標に試験に臨んでください。令和4年度では、基準点合計191点(52問+記述式基準点35点)に択一式で9問プラスすれば合格点に到達します。択一式問題で合計61問を取れば、かなり合格の確率は高くなりますので、択一式問題で合計60問正解することを目標に頑張って下さい。そのためには、マイナー科目が重要になってきます。勉強すれば得点に結びつきやすい民事保全法・供託法・司法書士法・憲法・刑法では失点しないように心がけてください。とにかく、穴を無くすことがこの試験の合格への近道です。
厳しい試験ですが、必ず合格できる試験であると信じて頑張って下さい。