「今年合格すると決めたら、腹をくくることが大切です」上村 汀さん

上村 汀さん

目次

1. 何故司法書士を目指したか

私が司法書士を目指したのは、地方でも活躍でき、また自由な働き方もできると聞いたからです。法学部に入学した時から、法律に関わる仕事がしたいと考えていました。大学1年生の夏休みに司法書士会が開催しているインターンシップに参加し、現役の先生方から司法書士についてお話を伺ったときに、「これだ!」と思いました。国家資格の中でも難易度が高い分、合格したときの達成感もあり、資格取得後は登記の専門家として地域や年齢、時間に縛られずに仕事をすることができます。登記は土地や会社がある限り必ずついて回るものなので、ある程度安定しているだろうとも考えました。

2. 予備校選びのポイント

クレアールを選んだのは、価格が比較的安価だったことと、講義が分かりやすかったからです。複数の予備校のお試し講義を視聴した結果、クレアールの講義が合っているように感じました。私は基本的には紙のテキストで学習したかったため、択一六法等の評判の良いテキストの配布があることも決め手でした。

3. クレアールで学習して良かった点

クレアールで学習して良かった点は、自分のペースで学習が進められることと、直前期の答練・模試で理解度を確認できることです。テキストはある程度まとまって届くので、今後の量を見越して学習計画を立てることができました。また、答練・模試には毎回講評があり、正答率が低かった問題の出題意図までしっかりと書いてあり、難易度についても過去問を周回して理解が進めば大半の問題は解けるよう設定されていました。

4. クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

クレアールのカリキュラムで、活用しやすかったものは、Web上にある「基本4法過去問解説講義」です。これには、直前期に本当にお世話になりました。分からない選択肢はもちろん、分かっている選択肢に関しても解説を音声で聞くことで、ただ読むよりも頭に定着したように思います。また、解説動画で出てきた図を過去問題集に写したり、プリントして挟んだりすることで、周回のたびに見ることになるので覚えられました。

また、「択一六法」もコンパクトでありながら情報量が多くてよく持ち歩いていました。講師の先生方もおっしゃっていましたが、本試験には、過去問で出題されたものと全く同じではないながらも、同じ条文の中の別の条項が出てきたりもします。過去問で出た条文は、一度は読んでおくべきだと思います。勉強する際によく言われていることですが、あまり手を広げすぎず、一つの教材をやり抜くようにするとよいと思います。その際には是非択一六法を活用してください。記述についても、クレアールの教材にきちんと取り組めば大丈夫だと思います。

5. 答案練習の効果的な活用方法と過去問題集の進め方

A) 科目ごとに何周したか

主要4科目は10周、マイナー科目は7周ほど回しました。直前期を迎える前まではじっくりと主要4科目を3週、直前期(私は3月頃から勉強時間を増やしました)は回転数を意識して主要4科目、マイナー科目ともに7周しました。

B) 学習時期ごとの復習方法

直前期までは、講義を視聴し、学習した箇所の過去問を解いていました。その際には、分からないところがあったら毎回テキストに戻り、正しい知識を確認していました。また、主要4科目のみですが、次の科目が始まった場合は、その科目の講義動画の回数で前の科目の過去問のページ数を割り、並行して進めていました。同じようにして他の3科目を並行して進めていました。

直前期は、過去問を多く回すようにしました。過去問を解き始める前に何周したいかを決め、最初の方は1ヶ月かけて、最終的には1週間というように取り組む期間が段々短くなるように計画を立てました。1週間に一度予備日を設け、調節できるように計算すると、1日に何問しなくてはならないかが分かるので、その通りに進めていきました。1日に全部の科目を少しずつやると飽きなくてよいと思います。私は、あと何問やればよいか毎回数えるのが面倒だと思ったので、計画を立てるついでにエクセルで前日までの過去問の枠を科目ごとに作り、ひたすらその枠を埋めていきました。すべてやりきったあとの紙の束を見て、「これだけやったのだから大丈夫」と自分を鼓舞したりもしました。

C) 復習の際に意識したこと

過去問をやっていると、いつもできないところが自然に分かってくるので、条文をきちんと確認するようにしました。いつもできないところはそう簡単にできるようにはならないので、とにかく見る回数を増やすことを意識しました。いつもできないところは、紙に書き出し、試験当日に持参して試験前や昼休みに確認しました。また、私は、過去問でよく間違える単元の基礎を確認するために1000問ノックWebテストを活用していました。1000問ノックWebテストは基礎の問題ばかりなので、間違えたときは、必ず択一六法に戻り、寝る前に見直してから翌朝確認するという作業をしていました。

D) どのタイミングで過去問を解き始めたか

講義が終わった後、講義で学習した箇所の過去問を解いていました。

6. 学習を進めていく上でのポイント

学習を進めていく上で大切なのは、とにかく基礎をしっかりと押さえることです。講師の先生方から再三言われると思いますが、基礎がしっかりとできていれば、全く分からない選択肢があっても、基礎の選択肢だけで答えが導ける場合があります。また、令和4年度の不動産登記の記述では、択一の過去問で何回か出された論点に気づけなければ枠ズレを起こしていました。教材に掲載されている抵当権、根抵当権等の良く出題される論点に関する表は、真っ白な紙に線も含めて書けるようになるまで繰り返すと安心だと思います。よく出題される論点は決まっているので、過去問で3回くらい見たものは暗記していくつもりで取り組んでください。暗記は大変ですし、私も苦手なのですが、表を一つ暗記するだけで点数にすぐつながるので、達成感はあると思います。

7. 午後の部の効率的な時間の使い方

午後の部は時間が厳しいので、分からなければ思い切って飛ばし、ちょっと考えてもう分からないと思ったら、適当にマークしてどんどん次に進んでしまってもよいと思います。そして時間不足にならないように、パニックにならないように解いていきましょう。印をつけておいて、一通り解いた後にゆっくり取り組んでもよいですし、事前に「分からなかったら4にしておこう」とか決めておいてもよいと思います。

記述では基本の論点を落とさないように余裕をもって取り組みたいので、直前期の模試の時に、いろいろな順番で解いてみて、自分に一番合ったやり方を考えておいてください。また、記述の時のメモの書き方も、工夫してみてください。やり方が決まってくると記述にかける時間がより短くて済むので、いろいろと試してみてください。

8. モチベーション維持の秘訣等

直前期でもそうでなくても睡眠時間は大切です。1日にやることが終わっていなくても、ちゃんと寝て、明日に回した方がよいと思っています。不測の事態に備えて余裕を持った計画を立てていれば多少遅れても大丈夫だと思います。また、直前期に入ってスタートダッシュを決めるのはよいのですが、息切れをしない程度に頑張ってください。いかに継続できるかが大事です。使い捨てのボールペンを使うと、直前期にたくさん使い切ることで「頑張った!」と思えるのでお勧めです。本試験の記述は黒のボールペンを使うので、自分にとって一番書きやすいペンを探しがてら勉強をすると効率的だと思います。

また、直前期に答練・模試の結果を見ると、点数が伸びなかったり、順位がいまいちだったりして落ち込むこともあると思いますが、どうか気を落とさずにいてください。本試験で結果が出せればよいので、「自分はこれから伸びるんだ」と信じてペースを落とさずにやり抜いてください。私がそうでした。

9. 気分転換の方法

私は音楽を聴くのが好きなので、気分転換にはいつも好きな曲を聴いていました。大体のポップスは2分半~5分くらいなので、1~2曲聞けば大体5分から10分程度になります。直前期は、集中力が切れて勉強に集中できなくなった時でも、休憩を入れると、「休憩していて大丈夫なのだろうか」と不安になってあまり休めなかったので、好きな曲を聴きながら好きな雑誌を読んで勉強のことを頭から追い出していました。休むときにはしっかり休み、勉強するときにはしっかり勉強するというようなメリハリが大切です。

10. 来年度の合格を目指す方へ向けて

私は、今まで3回試験に落ちていました。直前期に踏ん張りきれなかったことが原因でした。勉強をした後、「ちょっとくらい遊んでもいいだろう」と思ってちょっと遊ぶつもりがちょっとで済まなかったことが多くなってしまい、勉強時間が足りなかったように思います。直前期は、常に「メインは勉強」という意識をしっかりと持っておいてください。とにかく今年合格すると決めたら腹をくくることが大切です。合格するためには、ある程度の勉強時間は絶対必要です。悔いの残らないように頑張りましょう。ちゃんとやれば結果は必ず付いてきます。

来年度に合格を目指す方の中には、家事や仕事の都合上勉強に充てるまとまった時間が取れない方も多くいると思います。ただ、そのような方でも、どうにかして本試験までに3時間は椅子に座って勉強に集中できるよう訓練をしておく必要があると思います。本試験では、おそらく多くの方が、午前は時間が余り、午後は時間が足りなくなるのではないかと思います。時間が余れば見直し、時間がなければちゃんと取り組む問題と、そうでない問題の取捨選択をしなくてはなりません。司法書士試験は一発勝負なので、それらを集中してできるようになっておいた方がよいのではないかと思います。

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