「『最後まであきらめない、何としても合格を勝ち取る』という気持ちを絶やさなかったことが一発合格につながった」金木 信さん

金木 信さん

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なぜ司法書士を目指したか

 私は、将来地元で仕事をしたいと考えていましたが、企業から内定が出ても、地元に戻ってきたときに、どんな職に就くか不安がありました。大学では教育学を専攻し、教員免許も取得しましたが、教員の道は選択肢になかったため、そのことが悩みの種でした。そんな時、「司法書士を目指してみてはどうか」という助言を受けたので、大学4年生の夏、思い切って司法書士を目指すことに決めました。

予備校選びのポイント

 大手予備校のパンフレットやテキストのサンプルを取り寄せましたが、正直なところ、大きな差があるように感じられなかったので、自分にテキストが合っているか、コスト、合格の確実性の観点で検討して、クレアールを選びました。

クレアールで学習して良かった点

 択一六法と合格書式マニュアルは重宝していました。初学者にとって、条文の原文にあたるのは酷なところがあるので、かみ砕いた表現の超訳はとても良かったです。合格書式マニュアルは答練や模試で間違えたところ、自分の苦手なひな形がすぐにわかるようにチェックできるので、直前期には特に役立ちました。

カリキュラムで有益だった点

 カリキュラム通りに学習していくと、効率的に学習を進められる点です。特に記述式の講座は、記述式の全体像の把握、ひな形の習得、次いで実際の試験問題に近い申請書を書いていくという流れで構成されており、無理なく学習を進めることができました。また、民法・不動産登記法、そして会社法・商業登記法の一体講義の形式も実体法と手続法を一緒に学べるので効率的でした。

答案練習の効果的な活用方法

 解き終わったらすぐに採点し、マークの正誤でなく、肢ごとに理由づけも含めて理解しているかチェックしていきました。その後、答案が返ってきたタイミングでもう一度、誤った肢を解き直し、定着を図りました。また、本試験の1か月前くらいには再度すべての模試や答案を解き直し、学習したことが整理できているかの確認にも使いました。

過去問

(a)主要科目は学習初期から数えれば、問題にもよりますが多いもので10周、少なくても5周はしていると思います。マイナー科目は3~5周くらいだと思います。

(b)学習の開始時は、確認テストのような形で、講義で聞いたことのアウトプットとして使っていました。そのため、講義の最後で提示される参考過去問のみ解いていました。直前期になると、自分の苦手な単元の炙り出しとしても使っていました。私は、民法の債権編が苦手でして、過去問の解説を読み込んで、択一六法をたどって、そこからさらに派生した論点もチェックしてというように、学習のガイドラインのような役割も果たしていました。

(c)学習の初期の頃から、間違えた肢は必ずチェックしていました。なぜ間違えたのか、どの知識が抜けていたから解けなかったのかを明らかにして、先に進むことを心がけていました。チェックを入れておくと、おのずと自分の苦手分野が見えてくるので、その点でも有効だと思います。復習の間隔は、その日の勉強の最後、次の日、3日後、1週間後ぐらいで行っていました。区切りのタイミングや時間が余った時などにもまとめて間違えた肢を復習することもありました。

(d)基本的にはその日の視聴目標の講義を聞き終えてから、まとめて過去問を解くというスタイルで続けてきました。また、大きな単元の切れ目(民法であれば、物権編から債権編に移行したときなど)でも、その単元の過去問をまとめて解いていました。

お試し受験

 記述式含めテキストを1周した状態でお試し受験を受けましたが、半分くらいしか解けず、かなりショックを受けたのを覚えています。ただ、生半可な覚悟では無理だなと改めて確認でき、モチベーションアップにつながりました。また、会場の雰囲気や試験の流れを一度味わっておくだけでも、目標合格年度の試験が、初めての試験よりも落ち着いて受験できるので、勉強の進み具合に関係なく、受けてみることはプラスになると思います。

午後の部について

 午後の部は、解答順と時間配分は択一(50分)→不動産登記記述(60分)→商業登記記述(60分)で、10分のゆとりを持たせて計画していました。余った10分は本試験では、択一に回しましたが、模試や答練では記述の時間に充てることが多かったです。

択一で上乗せ点を稼ぎ、記述は基準点プラス数点で合格する作戦でいたので、択一の勉強を怠らないよう気を付けていました。講師の先生方もおっしゃっているように、択一の知識がベースとなって、記述の力が培われていくと考えているので、記述に注力しすぎないことは重要かと思います。  

択一のケアレスミスで落とす3点を記述で挽回することは容易ではないと考えていたので、スピーディーかつ正確に解けるよう、普段から解答時間を気にしながら勉強していました。また、基本的には全肢を検討せずに組み合わせから判断して解答する戦略を取り、時間を確保していました。

本試験の結果

〈午前択一〉

目標:30問/35問

結果:28問(基準点27問)/35問

 憲法で1問、民法で3問、刑法で1問、商法・会社法で2問落とす結果でした。試験終了直後は、かなり手応えを感じていましたが、見返すと何てことの無い問題で判断を誤っていることも多く、目標にも届かず、基準点+1問でした。変に勘ぐってしまったり、文章の端々がやたらに気になったりと試験独特の緊張感にやられてしまった印象があるので、当日に自分の100%の力を出し切ることの難しさを痛感しました。

〈午後択一〉

目標:27問/35問

結果:34問(基準点25問)/35問

 不登法で1問落としたのみで、自己最高得点を取れたので驚きました。後述しますが、記述式の合同会社の問題がお手上げ状態だったので、本来なら37問に充てるはずだった時間を択一の確認に回すことができ、ケアレスミスが発生しなかったので、この結果を得られたのかと思います。

ひとつ教訓として。私は第1問から順番に解くタイプでしたので、最初に民訴から取り掛かりました。今年の民訴関連の問題は難しい印象で、時間を取られました。しかし、周りは、どんどんページをめくっていくので動揺しました。結果的には、時間が余ったので、民訴の解き直しができ、解答を修正することができましたが、周りに気をとられず自分のペースで解くことはかなり重要だと思います。今考えると、記述から取り掛かる人であれば、ページの往復があるので問題冊子のページめくりが増えるのは当然ですし、気にすることではなかったのですが、試験の時は冷静さが欠けてしまっていたので、動揺して誤った判断がされていたのだと思います。したがって、自分のペースで、平常心で、ということを心がけて本試験に臨むことを念頭に置いていただきたいです。

〈記述〉

目標:45点 不登20点、商登25点/70点

結果:44点 不登31点、商登13点(基準点35点)/70点

 不動産登記は余裕をもって解き切れた印象で、結果もかなり良かったです。すべての問題で第3欄が登記不要だったので、見落としが無いか何度も確認したものの何も見つからなかったので、枠ズレがないか怖かったのですが、抜け落ちはなく枠ズレもなかったみたいなので、安心しました。

 商業登記は、問題をざっと読んだ時、第3欄で合同会社について聞かれていたので、絶望感が凄まじく、不安に駆られました。ひとまず、第1欄から解きましたが、集中を切らせてしまい、「取得条項付株式の取得と引換えにする株式の発行」の問題で勘違いをしたり、監査役の退任を見逃したりとあまり出来の良いものではありませんでした。第3欄の合同会社はひな形がわからなかったので、添付書面しか書けず、散々な仕上がりでした。

 こうなっては、何とか択一で稼いで、記述は基準点ギリギリで踏ん張るしかないと舵を切り、合同会社について深く考えるのをやめ、記述の抜け落ちが無いかチェックした後、択一の確認・解き直しをしました。この切り替えが、良い方向に作用したので、助かりました。

〈総合〉

目標:216点/280点

結果:230点(合格点216.5点)/280点

 試験中何度も「今年は無理だな」と思うことがありましたが、「最後まで諦めない、何としても合格を勝ち取る」という気持ちを絶やさなかったことがこの結果をもたらしたのではないかと思います。過去の合格者の皆様も同様のことをおっしゃっていますが、本当にその通りであることを、身をもって体験しました。これから受験に臨む方にも、ぜひ覚えておいてほしいことだなと思います。

学習スケジュール・内容

講座に申し込んだのは大学4年次の夏でしたが、実習や卒論の執筆に時間を取られてしまい、夏の1か月勉強した後、再開できたのは翌年の2月中旬以降でした。お試し受験の時は講座をやっと1周できたくらいのレベルで、1日6~8時間の勉強しかしていませんでした。お試し受験の結果を受け、自分の覚悟の甘さを反省し、まずは勉強時間の見直しから始めました。

令和4年度本試験直前期まではアルバイトを週3~4日しており、アルバイトがない日は最低10時間、アルバイトがある日は最低7時間を目標に計画しました。最初こそ、集中が続かず苦戦しましたが、冬に入った頃には、コンスタントに目標を達成できていたと思います。学習計画は、日単位の計画は立てておらず、「いつまでにここまで終わらせる」と目標を設定し、そこから逆算して週単位の計画をたてて、最低限その目標を達成するように進めていきました。

学習内容は、①前日(直前期は間違えた知識なども)の復習、②講義視聴(直前期は過去問演習や択一六法)、③過去問や重要語句の整理など、④今日の振り返り、というような流れで進めていきました。

①前日(直前期は間違えた知識なども)の復習

ノートの見返しや単語カードを使った暗記、1000問ノックWebテストなどで1時間から1時間半くらいかけていました。ただ見るだけでなく、声に出して復習することがポイントで、ひな形の記憶には特に役立つと思います。

②講義視聴(直前期は過去問演習や択一六法)、③過去問や重要語句の整理など

その日の学習のメインで、インプット・アウトプット毎日両方とも行うよう気を付けていました。

ひな形であれば、記述式ハイパートレーニングを解く(アウトプット)→正誤に関わらず合格書式マニュアルで該当するひな形、あわせて類似するひな形をチェック(インプット)→合格書式マニュアル対応問題集で書く(アウトプット)というような具合で進めていきました。学習初期は講義視聴が中心になるので、インプット中心ですが、アウトプットの機会を作ること(過去問演習や1000問ノックWebテスト)で記憶の定着に役立つと思います。

直前期は演習などを通じて、どんどんアウトプットしていき、間違えたところや見落としていた点をインプットするといったように、アウトプット中心の学習スタイルをとっていました。

④今日の振り返り

 今日学習した内容をノートやテキストで振り返り、整理します。30分程度で済ませていました。

最後に

今回、私は合格を手にすることができましたが、大切なことは諦めずに継続して勉強することだと思います。合格に必要な知識やノウハウはクレアールに揃っていることはこれまでの合格者の皆様が証明されているので、辛く長い道のりになるものではありますが、日々勉強に励む皆様の合格を微力ながら応援しております。最後に、合格まで導いて下さったクレアールの講師の皆様、スタッフの皆様、応援してくれた友人や家族に感謝の気持ちを述べさせていただき、筆を置かせて頂きます。本当にありがとうございました。

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