合格体験記『フルタイムで仕事かつ子育てをしながら勉強を続けて勝ち取った司法書士試験合格』市田 美奈子さん

市田 美奈子さん

目次

はじめに

私が司法書士になろうと思ってから試験に合格するまで約10年かかりました。今学習を進めている方やこれから学習を始める方は短期で合格したいと思われるでしょうから、私のような長期化した者の体験記は参考にならないとも思いましたが、私がそうだったように予期せず長期化している人もいるかもしれないので、体験記を書いてみることにしました。

なぜ司法書士を目指したか

司法書士試験を受けようと思ったのは、今から約10年前のことです。育児休業を取得していた頃、所属している企業の事業所が業績不振のため閉鎖し、退職することになりました。頑張って仕事をしてきたと思っていましたが、状況次第でいとも簡単に切られてしまうのだなと感じ、どうせ失業したのだから、「何か一本これでやっていけるというものが欲しい」と思いました。当時司法書士ではありませんが士業を目指していた家族を見て「自分も士業と呼ばれるような資格を取ってみたいと漠然と思っていたこと」、また、その家族が私の性格から「司法書士が向いていると思う」と以前から勧めてくれていたこと、「自分で仕事がしてみたい」と思ったこと、退職する際に会社との話し合いがすんなりいかず、「法というものを知ることはとても大切なんだ」と感じたこと、これらが重なり司法書士の資格を目指してみようと思いました。

学習を始めた頃から数年の環境

学習を始めるにあたりインターネットなどで調べ、教育訓練給付制度を使える大手他校が目につき、通信での初学者向けコースを受講しました。今になると悲しくもありますが、この時はまだ短期間で合格する意気込みで溢れていました。しかし、心配性な性格が災いして仕事をせずにいることができず、ほどなく就職をしましたので、仕事と幼い子供の世話で何とか必死に講義を消化するという毎日が続きました。1回目の本試験はあまり良い成績は残せませんでした。

2年目以降は仕事や育児が忙しかったこともあり、特に予備校の講義を受講せずに引き続き学習を進めましたが、2年目でも受かることはできませんでした。ただ、2年目くらいになると、基準点付近までの点は取れるようになりましたので、「このまま続ければもう少しで合格できるかもしれない」と甘い考えも出てきました。それから数年は基本的には初年度の講義で使用していた他校の教材で独学を続け、直前期の答練や公開模試だけ申し込んで本試験を受けるという年が続きました。これは「基準点を狙えるくらいまではきたから独学で続け、費用を浮かせたい」という気持ちが大きかったと思います。

ところが、数年続けても受かりません。これは単純に勉強時間や情報の不足だと思います。数年後にはもう一人子供が産まれましたので、まとめて勉強することができない毎日で、仕事に復帰してからは更に時間が取れず、短時間の勉強は続けていましたが、「これではいけない」と気持ちだけが焦っていました。試験も十分な準備ができないまま臨み、結果は基準点くらいまでは取れるが記述は採点されたりされなかったり、という年が続きました。「私は一生この資格には縁がないかもしれないな」と悲観的にもなっていました。

クレアールを選んだ理由

このように、数年間独学で学習を進めましたが、法改正の情報なども見逃しがちで、何より学習のペースメーカーの役割となるものがないため、不安でした。時間がないからこそ効果的な勉強方法が必要で、「改めて予備校の講義を受講してみたら良いかもしれない」と考えるようになりました。 効率的にかつ高額にならずに受講できる講義はないかと探している際、他の士業向けのクレアールの講義を受講していたことがある家族が「クレアールが良いと思う」と勧めてくれました。調べてみると「コンパクトにまとまった学習経験者向けの講義をリーズナブルに受講したい」と思う私に合った講義がありましたので、クレアールに決めました。仕事中の休憩時間などにも勉強したいので、PDFの教材があるのも魅力でした。

クレアールの講義を受講したここ数年の学習方法

独学の時期が長く、自分がやっていることに自信がなくなってしまったため、コース内容を信頼して学習しようと思いました。自分に課したのは、とにかくコース内に含まれている講義や答練などをこなすことです。これはほぼ達成できました。取れる勉強時間は仕事の休憩時間や寝る前程度と短いので、割り切って講義は1.5倍か1.75倍で視聴しました。

コース内の講義や答練などの他は、過去問を解き不明な箇所などはテキストに戻るということを続けました。過去問は何巡もしたいので全教科につき直近5年程度に絞り、直前期は直近2年分に絞りました。2年以内に出ていない論点もありますが、割り切ることにしました。

その他、ほぼ毎日続けていたことは、記述式の問題を解くことです。「合格書式マニュアル対応問題集」は不動産登記、商業登記それぞれ1日2問前後、「記述式ハイパートレーニング」は不動産登記、商業登記それぞれ1問ずつ解いていました。1回目は通して全問解き、2回目以降は間違えた問題と合っていたが不安がある問題を解く、と決め何巡もしました。記述式は択一式と比べ、どちらかというと得意だったと思いますが、記述式を解くことで苦手な論点が身につき、択一式を解くのにも役立つからです。私は特に会社法が苦手ですが、商業登記の記述式問題を解くことで、会社法の理解にもつながりました。

記述式問題を解くときは、とにかく早く書くこと、考えなくても手が動くようになることを目標に続けました。これは今年の本試験で活かされました。本試験では時間切れになりそうな中、速いスピードで書き続けることができました。結果としては択一式での上乗せは数問でしたが、記述式で巻き返すことができました。

答練の受け方について

答練や公開模試などは必ずこなすようにしましたが、受け始めの頃は張り切って届いたらすぐに解いて、1週間後解答冊子が届く頃には内容を忘れているということがありました。もう一度解ける時間があれば忘れた頃にもう一度解くということも効果的なのだと思いますが、とにかく時間がないので、効率的に答え合わせを進めるために、解答冊子が届く直前に解き終えるように時期を調整して取り組むようにしました。

クレアールの良かったところ

とても助かったのは、すべての教材がPDFで配信され、出先や仕事の休憩時間にも見ることができた点です。講義の動画も教材のPDFもスマホで閲覧できますので、細切れの時間しか取れない時でも見ることができました。1000問ノックWebテストも時間があれば数問でも解くようにしていました。

クレアールからは、過去問題集などの新版ができれば送っていただけましたし、改正情報なども定期的に送っていただけて役立ちました。クレアールの教材は無駄がなく、何より時間が取れないことが心配な私には「ここにあることをやれば大丈夫なんだ」という安心感につながりました。

クレアールの事務局の方もとても親切で、たまに疑問点などをメールで問い合わせることがありましたが、その回答に何日もかかることはなく、速やかにお返事をいただけました。

また、筆記試験に合格した際は、合格発表のすぐ後にお電話をいただき、口述試験に向けた口述模試などのお知らせがありました。口述試験対策の過去問題集は、筆記試験合格発表後の翌日に届くというびっくりするくらいの迅速なご対応で、受講生に対する配慮が感じられてとても嬉しかったです。

本試験を終えた後と口述試験について

本試験を終えると、精神的にくたくたでした。今年度の本試験直後に囁かれた択一式の基準点予想はかなり低かったので「もしかしたら割といい位置にいるのかもしれない。あとは記述式の出来次第か」と思いましたが、だんだん択一式の出題レベルは当初想定されたよりも難易度が高くなかったと情報が変わって基準点の予想が上がり、「今年もだめそうだ」と自信がなくなってきました。加えて本試験直後はまずまずの出来と思っていた記述式も徐々に記憶が薄れてきて、択一式の基準点が発表された頃には、もしかしたらそんなに解けていないかもしれないと不安になり、択一式でかなり良い点数だった人たちのSNSなどでの書き込みなどを目にしては「私の択一式の点じゃだめだろう。記述式がかなり良くできていれば別だろうけど、記述式もたいしたことがない気がする」と落ち込みました。それでいて、もしかしたらという期待が完全には捨てられず、筆記試験の合格発表があるまでの間、本当に悶々とした毎日を過ごしていました。

フルタイムで働き、家事育児をしながら学習することについて

仕事、家事・育児をしながら司法書士試験の勉強をするのは気持ちがとても辛かったです。世の中にはすごい人がいるので、「フルタイムで働きながら一発合格」「家事育児をしながら一発合格」という方もいて、これらの方と比較しては「できる人はできるのに、勉強時間もろくに取れない。自分はなんてダメなんだ」と卑下することもありました。

しかし、約10年を費やして今思うのは、もし専業で勉強できていたら、もし仕事をセーブしていれば、…と思ったことはありますが、私はフルタイムでかつ子育てをしながら勉強を続けて、これで良かったのだと思っています。私の性格からして経済的にある程度余裕がないとイライラしてしまうのが目に見えていますし、子どものことに手がかかるのはどうしようもないことです。学習の環境は人それぞれで、人には事情があるのだから、自分ができる中で努力すればいつか実るかもしれない、とクレアールで講義を受けていたここ数年の自分は、いつしか割と緩い考え方になっていたと思います。「とにかく早く受からなければ」と構えていた時より気持ちが楽になり、そのあたりも結果につながったのかもしれません。

最後に

最後に、ゆっくりな歩みの私を見守ってくれた家族、指導してくださったクレアールの皆さまに感謝します。ありがとうございました。

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