『クレアール出身の合格者との出会いからスタートした合格までの道のり』 砂原 恵一さん

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司法試験から司法書士試験への転向

私は司法書士試験の学習を始める前は旧司法試験の勉強をしていました。しかし、ロースクール制度及び新司法試験制度の導入に伴い、旧司法試験の合格者数が激減することになり、旧司法試験を続けることは現実的ではないと考え、司法書士試験へと転向しました。
司法書士試験の勉強の1年目は他校の司法試験受験者からの転向者向けの講座を通信で申し込みましたが自分には全く合わず、結局市販のテキストと過去問集を繰り返していました。ただ、書式対策まで全く手がまわらず、択一の基準点は突破したものの書式で足切りに終わりました。
2年目は答練を受けたいと思い予備校を検討していたところ、たまたまこの年の司法書士試験合格者の方とお話させて頂く機会があり、相談したところ、その方はクレアール出身者であり、「クレアールは料金も安く、かつ、良質なものを提供しているからお薦めである」とのアドバイスを頂きました。このとき私は法律の勉強歴があったとはいえ1年の勉強で択一の基準点を突破したため、司法書士試験をかなり甘く見ていました。しかし答練が始まると合格点には全く達せず、特に書式に至っては下一桁の順位ということもあったように記憶しています。ただ成績が停滞していた答練の成績も4月に入ると急激に伸びてきて、合格点を割ることはほとんどなく、上位一桁の順位も何度か頂けるようになりました。最後の全国公開模試でも一桁の順位で締め、絶対の自信を持って本試験に臨みました。が、不登法書式の別紙形式に全く対応できず、総合点では合格点を上回ったものの、2年連続で書式足切りに終わってしまいました。

合格して親を喜ばせたい

  クレアールの答練が良かったので、3年目も迷わずクレアールに申し込みました。勉強内容については、択一は前年と同じことをやり、細かい知識を追うことは避けるように心がけ、2年連続足切りの書式対策に時間を多く充てるようにしていました。ただ、去年無理をした反動のせいかなかなか気合が入らず、2月ころまではダラダラした感じになってしまいました。ようやく春になり気合が入ってきたところで、まずは父が体調を崩し入院し、その後しばらくして今度は母も体調を崩し救急車で運ばれる、という事態が生じてしまいました。私の家族は両親と私の3人家族ですので、両親がともに体調を崩すということは様々な面で大変であり、勉強時間はあまり取れなくなりました。しかし、今までずっと親不孝を重ねてきたため、とにかく今年は「絶対合格して親を喜ばせたい」、そう思い、細切れ時間も無駄にすることなく勉強するようにしました。また、このような状況の中、受験できるのも「今年が最後かもしれない」という思いもあり、「悔いを残さないように精一杯やろう」と思っていました。勉強時間は少なかったですが密度の濃い学習はできたと思います。そして本試験。結果は勉強時間不足から午後択一の点数があまり良くなかったのですが、苦手の書式対策に時間を費やしたのが功を奏し、結果的にはやや点数に余裕をもって合格することができました。

具体的な勉強方法

  私は受験期間中、週6回、夜10時から朝5時まで夜勤をしていました(但し、2回目の受験時は直前3ヶ月間休みました)。そのため、勉強時間の確保が難しく、少し工夫をしていました。
択一の勉強については一般的にはテキストと過去問と言われていますが、両方をやる時間は正直なかったです。そこで民法と不登法はテキストをざーっと読み、大まかな体系を掴むにとどめ、むしろ過去問題集をテキストのように使っていました。また、過去問題集には各肢の脇に直接○×を書き込み、解くというよりは何度も繰り返し読むという感じで使っていました。また関連知識もどんどん書き込み、不登法ではひな形も書き込んだりしました。
憲法、刑法、民訴系、供託、書士法は逆に過去問題集は一切使わず、テキストを覚えるくらい読み込みました。ただテキストには参考問題として過去問の情報も入っていましたので、重要な過去問はマスターしていたとは思います。
このように民法・不登法とマイナー科目でやり方を変えたのは民法・不登法は過去問の数も多いので、過去問題集をやれば必要知識はほぼ網羅されているのに対し、マイナー科目は過去問の数が少ないので、過去問だけでは必要知識に漏れがあると思ったからです。マイナー科目であれば、テキストも薄いので読み込んで知識化するのは可能だと思います。
会社法・商登法は法改正の関係で過去問だけでは足りず、かといってテキスト読み込みによる知識化は大変なので、上記の折衷的な方法をとりました。具体的にはテキストは丁寧に何回か読みましたが、それだけで知識化は難しいので、法改正後の過去問・答練の問題を繰り返しやりました。
次に書式ですが、一般的にはまずはひな形を覚えてから問題演習と言われています。しかし、私はいきなりクレアールの問題集の『記述式ハイパートレーニング』をやりました。最近の本試験での書式の問題はひな形の知識はもちろん、複雑な事例や資料の中から登記事項を探し出せるか、また、正しい順番で登記申請ができるかという点も問われていますので、問題演習から入るのも一つの方法だと思います。ただ、問題演習といっても単純なひな形を書かせるだけの問題ではあまり意味が無く、かといっていきなり本試験レベルでの問題演習というのもポイントがぼやけてしまい非効率的です。この点クレアールの『記述式ハイパートレーニング』は、基本的なレベルですが単純なひな形を書かせるのではなく、すべて不登法は連件申請、商登法は一括申請の問題であり、基礎を固めるのに最適だと思います。私はこの問題集は10回以上繰り返しました。これが今年の本試験の書式で点を取れた要因だと思っています。この『記述式ハイパートレーニング』をマスターした後は、クレアールの『答練パック』で出題される書式の問題を完璧にすれば十分だと思います。

現場思考力の重要性

  司法書士試験はたしかに知識の正確さが要求されている試験ですが、法務省は知識だけを要求しているわけではないと思います。もし知識だけを重視する試験ならば、択一の問題文をこれだけ長文化させる必要はなく、また、推論問題も出す必要もないはずです。書式も複雑な事例や資料など与える必要性はないでしょう。これは逆に言うと、どんなに知識を正確にしても本試験での「考える」という作業は不可欠であるということを意味していると思います。そこで私は、知識だけではなく本試験での現場思考力という点をかなり意識していました。この対策としては、やはり答練を受けるということが不可欠だと思います。ただ、答練はあくまで現場思考力要請のためのものですので、細かい知識を出題する答練はあまり意味がなく、この点クレアールの答練は過去問から逸脱しない範囲でひねりを加えた問題が多く、現場思考力養成にとても役立ちました。

 

それから、よく本試験2週間前からは「新しい問題を解いてはいけない」と言われています。しかし私はこれには反対です。本試験直前2週間に知識暗記ばかりしていると、本試験で「思い出す」という思考だけが強くなり、近時要求されている「考える」という思考がうまく働かない可能性があると思います。そこで私は他校の模試の問題などを数回分入手しておき、択一は毎日35問、書式は毎日、新作問題を1問解くようにしました。ここで注意する点はここでの演習はあくまでも現場思考力要請のためですので、択一の正答率の低い問題や書式で知らない細かいひな形が出てきても無視すべきだと思います。とにかく直前に少しでいいので、毎日新作問題を解くことで「考える」という思考が、鈍ることなく本試験で力を発揮できると思います。この方法は1年目の方にはお勧めできませんが、中・上級者の方で「答練では成績がいいのに本試験ではうまくいかない」という方には有益な可能性が有ると思います。

実力者の方へ

司法書士試験は合格者が900人を超える位ですが、合格してもおかしくない人が3,000人位はいる試験であり、そういった意味でとても大変な試験だと思います。よく司法書士試験は合格率が3パーセントを割るということで難関と言われていますが、この「合格してもおかしくない人」に入ってからが本当の厳しく苦しい戦いです。残念ながら合否が運に左右されることも否定できないと思います。しかし、この「合格してもおかしくない人」にいる方は気持ちを切らさず、また、常に勉強の方向性が間違っていないかを確認しながら、真摯に勉強を続けていれば必ず報われると思います。

最後に

  クレアール出身の合格者の方と本当に偶然に知り合ったことがきっかけで、クレアールのお世話になり、クレアールの講師・スタッフの皆様、試験直前に嫌な顔せずバイトのシフトを替わってくれた同僚、そして何よりも出来の悪い息子を最後まで信じ続けてくれた両親のおかげで合格することができました。本当にありがとうございました

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