「難しい問題よりも基本的な問題を、未出の問題よりも既出の問題を確実に解けるようにすることが大事!」 佐野 弘和さん

佐野 弘和さん

目次

1 司法書士資格取得を目指した理由

 司法書士受験を始める前は、大きな組織の中で組織の壁を感じる毎日をすごしておりました。当時、私は組織の外に出て地域の方々の役に立つ仕事につき、生きがいを見つけたいと考えていました。

 過去に不動産関連の業務に関与していたことがあるため、また、妻が登記関連の仕事をしていたため、「将来的には夫婦で事務所を開ければ良い」と思い、司法書士資格取得を目指すことを決心して、10年以上勤めた職場を退職し、司法書士の受験勉強を始めました。

2 学習方法の選択

 当初、独学で5年間受験勉強をしましたが、その結果が択一試験の正答率は6割というものでした。独学による司法書士受験の難しさを痛感させられました。

 その後、大手予備校の中上級コースの指導を受け、択一試験の基準点をクリアできるようになりました。あと一歩のところまで来ていると思いつつも、記述式の基準点を突破できない状況が数年続きました。記述式の基準点を超えられない理由を考えると、大量の問題文から論点を抽出することが記述式対策だと思っていたため、問題文を読むテクニックなどは多く学んできているものの、書式の基本的な書き方やひな形の暗記をきちんとできていないことで記述式の問題文を読んでも解答を迅速・正確に書けないところにあると考えました。また、会社法改正が予定されていたので、どこかの予備校で講座を受講し情報を収集したいと考えていたことから、記述式の合格書式マニュアルに定評があるクレアールの講座の受講を検討しました。択一対策としてこれまで予備校のテキスト等を中心に学習をしており条文中心の学習をしていなかったこともあり、司法書士になってからも役立つのではないかと考え、択一六法を使用し、条文を中心とした講義を行う中上級ハイスピードコースを選択することとして学習を進めることとしました。

3 合格年の学習スケジュール等

(1)択一式対策

 基本的にクレアールのカリキュラムに沿って、復習中心での学習を進めました。択一の基準点を超えるだけの知識はあったので全ての条文について予習すると効率的ではないと考え、講義を聞き、理解している部分は知識の確認をするとともに、知識不足や誤った知識を持っていた部分を中心に復習をするという形でインプット学習を進めました。

 また、アウトプットは、正月までに主要科目(民法、不動産登記法、会社法、商業登記法)について過去問を1度解き、まだ不完全と思える部分だけチェックしておき、その後はチェックした部分のみを何回も繰り返しました。正月明けからはマイナー科目(憲法、刑法、民訴系、供託法、書士法)も同様の方法で、繰り返し過去問学習を行いました。

 この他に隙間時間を使って1000問ノックWEBテストを繰り返しました。このテストは良く出題されている問題を肢ごとに出題しており、解説もコンパクトになっているので、過去問で軸となる知識の構築をするとともに、その知識の劣化を防ぐのにとても役に立ちました。

 過去問学習時に不明確な部分は、択一六法で条文確認をするようにしました。択一六法は、条文の周辺の知識・その他の過去問まで確認できるように構成されているので、効果的に学習を進めることができました。

(2)記述式対策

 記述式についてもカリキュラムに沿って、進めました。苦手意識があったので、講義を聞く前に予習をし、自分で疑問点をピックアップしてから受講するスタイルをとりました。そして講義でその疑問点を重点的に確認しました。講義で解決できない部分は、質問して疑問点を解消するようにしました。復習は合格書式マニュアルに対応した問題集があるので、該当箇所を解き、知識の確認をするとともに、スムーズに書けない部分を中心に繰り返し演習するようにしました。この講義では基本事項も説明しているので、基本部分に不安がある私には有意義なものでした。

 また、講義だけでは、本試験問題への対応(問題の読み込み、時間配分などへの対応)は難しいので答練は必ず受講し、制限時間を意識して時間内に答案を仕上げることを考えて解くようにしました。このような訓練で本番でも時間内に全問題に対する答案を作成できたと思っています。

(3)直前期の学習方法

 自分の場合、過去問の学習をしていると、やっている部分の得点は取れるものの、期間が開くと記憶が薄れて答練等での得点が取れないことが多かったため、試験1ヶ月前で過去問の学習は止め、以前から活用していた暗記用に編集された市販のコンパクトな受験用書籍を活用して、全体を3回程度繰り返すという方法で全体の知識を本番に維持できるようにしました。その際、学習している箇所がどのように過去問で出題されていたかを想い起こすようにしました。

 記述式対策も試験1週間前からは、合格書式マニュアルで不安な個所を繰り返し確認する作業のみを行いました。
直前期は、他の受験生も知らないような細かい知識は忘れてしまっても基準点はクリアできると思い、基本事項を落とすと悔やんでも悔やみきれないので、細かい知識には目を向けず、全体の基本事項の再確認をすることに時間を充てました。

(4)答練・模擬試験の活用方法

 答練・模擬試験は時間制限をして解くことに意味があると考えて受験しました。特に、過去問で出題されていない肢がある問題の対応方法として、「過去問知識だけで消去できる肢を消去する」方法を上手く使えるように訓練することを心掛けました。また、選択肢を全部読まずに解くよう意識して解きました。司法書士試験では2肢判断できれば正解できる問題がほとんどです。自信が持てない問題は別にして正解がわかった段階で、次の問題にとりかかった方が良い結果が出ると思います。特に午後の問題は、時間との勝負だと思います。時間短縮することを重視することが得点アップのポイントだと思います。

4 これまでの失敗談

(1)受験勉強を始めた時は独学で資格取得を目指しましたが、司法書士試験のボリュームある受験科目を、独学でマスターすることは非常に困難だと感じました。どのようなペースで学習すべきかも含めて受験予備校の必要性は大きいと思います。また、予備校のパンフレットなどに択一式の本試験結果が6割程度あれば中上級コースを推奨する記載があったりしますが、あくまで目安だと思います。実際は自分のこれまでに学習してきた内容を一度振り返ってコース選択をした方が良いと思います。自分のように独学で基礎があまりない場合、なんとか6割乗っていても中上級コースを選択すると、「基礎力が無くついていけず消化不良になる」恐れがあります。

(2)独学での学習をしていると、どこが重要なのかという部分を見い出せず、ダラダラ学習になる危険があります。その当時、過去問を解く重要性を理解しておらず、予備校で講義を受け、過去問の重要性を刷り込まれるまではダラダラ学習になってしまいました。各予備校から情報収集は欠かさず行い、できれば予備校の講義を受講した方が合格に近づくと思います。

5 合格を目指す方へ

 司法書士試験は、基本事項をしっかり習得すれば、誰でも合格できる試験だと思います。難しい問題よりも基本的な問題を、まず確実に得点できるように訓練する必要があると思います。未出の問題を解けるようにする前に、既出の問題を確実に解けるようにすることが大事だと思います。

 自分のように受験期間が長いと上記の基本を忘れがちになり、未出の部分に目が行きがちになりますが、基本に戻って学習をしていった方が良い結果がついてくると思いました。

 受験期間が長くなっても、基本をしっかり押さえていけば合格することができると思います。諦めずに合格を勝ち取ってください。

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