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「敗因分析としっかりとした対策が、リベンジ合格のカギ」 佐藤 裕之さん

佐藤 裕之さん

「敗因分析としっかりとした対策が、リベンジ合格のカギ」

クレアールとの出会い

 私が司法書士の勉強を始めようと考え出したのは、大学2年の頃だったと思います。大学で学んだことを具体的な形に残し、それを将来の仕事に生かして行きたいと思ったためです。この資格について調べてみると、独学では受かることが非常に厳しいということを知り、その当時住んでいた松本市にある予備校は何処かなと調べた結果、クレアールがあることを知り、この学校に通うことを決めました。また、他の学校に比べ受講料も安く、それも学生であった僕にとってとても魅力的であり、クレアールで勉強していくことに決めました。

試験の時間配分ができず

本試験が終わった後、本当に悔しく受験仲間から電話がかかってくるまで、座席から立つことができませんでした。これ以上もう勉強できないと思うほど勉強し、努力してきたはずだったのに、メンタル面の弱さから周囲の状況に圧倒され、時間配分が全くできなかったからです。直前期に成績がぐんと伸びたので、勢いで受かってしまおうと考えていたのですが、順位ばかりに目がいってしまい、本当に何が足りていないのか、これから何をしないといけないのかを考えることが出来なかった、それが試験に落ちた理由だったと思います。

敗因分析とその対策 

 翌年の試験に合格するために、合格発表後に行ったことは、まずは本試験の敗因分析でした。それは、

①択一知識の絶対的な正確さ

②書式の解法

であると思い、それぞれを具体的に分析してみました。

①に関しては、手を広げすぎたことが原因でした。受かることを目的に勉強しているはずだったのですが、いつの間にか答練でいい点数を取ること、いい順位を取ることに意識がいってしまったことにより、過去問に取り組むことをないがしろにし、過去に受けた答練を重視した勉強になってしまったことでした。

②に関しては、書式の問題を解くにあたり、答案構成に取り組んでこなかったことが原因でした。それまで、答練や本試験においても配布される答案構成用紙を活用せず、問題のあちこちに簡単なメモを取る程度で書式の問題は解いてきていました。答練の場面では、クレアールの問題に慣れてしまっていたこと、本試験の様な緊張感を持って受けていなかったこともあり、あちこちにメモを書いていたとしても問題に対応できていました。そのため、自分自身の書式問題の解法の欠点に気付くことが出来ず、本試験での役員変更の登記に関しての大失敗に繋がってしまいました。

 以上2つの敗因に対して、次のような対策を考え、取り組むようにしました。

①択一知識の正確さについて

学習する範囲を、本当に最小限にすることでした。具体的には、過去問については平成以降までを学習することにし、答練の解きなおしは全くしないようにしました。その理由は、過去の本試験を受けた後の感想として、出題されるほとんどの問題は過去問をベースにしているなと思っていたこと、答練に出題されるような難しい問題は本試験に出題されることは極めて少ないこと、そして過去問に出題されている知識に似たような問題を解くことにより、過去問の知識が曖昧になることが怖かったためでした。そして答練に関しては、受けた日に間違えた問題だけ復習をし、思い切ってゴミ箱に捨てるようにしていました。その代わりに、過去問一肢一肢ごとに丁寧に条文や関連判例を抑えるようにしました。

②書式の解法について

 まずは、自分なりの答案構成用紙を作成することにしました。そして、答案構成を作成する上で心がけたことは、一目で事実関係を把握できるようにしたことです。

 不動産登記法の解法のポイントは、「いつ、どの不動産で、誰が、どの権利を、どうした」であるので、これらの情報を契約書などからすばやく読み取るように練習していきました。「いつ、どの不動産で、誰が、どの権利を、どうした」は大切な情報なので、まず読み取っていくうえでチェックをし、そのチェックしたすべての情報を時系列に起こしていくようにしていきました。次に時系列に起こした情報から、何を登記すべきなのかをピックアップしていきます。そして、本当にその順番でよいのか、名義変更や元本確定などの前提登記が無いだろうかを最終的に疑ってから、これで間違いないと判断してから一気に答案を書くように心がけていました。

 商業登記に関しては、役員関係とその他の情報に分けて整理していきました。今年の本試験は組織変更で、例年と比較しイレギュラーな年でしたが、例年不動産登記と比べ、出題の仕方・解答用紙の形式などはほぼ一定であるので、対策は立てやすかったと思います。

募集株式や資本金の増減などは、条文が要求している手続きの順番を体系化し、ノートに一つずつまとめそれを暗記し、問題を解く際には、その順番ごとに手続きが正しいか確認していきました。役員に関しては、○などの記号をうまく使い、就任・辞任・重任・退任などを表現していきました。

 また、不動産登記・商業登記両方に共通することだったのですが、添付書面につけ忘れや書きそびれ(特に商業登記)をしないようにすることに一番苦労し、対策を考えた部分でした。答練など終わった後に、周囲の会話で「承諾証明情報忘れちゃったよ~」とか「種類株主総会議事録忘れちゃった~」と話す声が聞こえると思います。実際、僕自身も昨年まではこのようなタイプでした。択一ならば、一度間違えた肢は二度と間違えないように過去問などで復習したりし、対策を立てるはずですが、書式のこのような間違いに対してはうっかりだろうと考え、択一ほど真剣に考えるようなことは全くしていませんでした。しかし、このままでは点数が安定しないと考え、なぜ忘れてしまったのか真剣に考えるようにしました。実際、間違えたポイントをノートにメモをしていくと、添付情報のつけ忘れなど間違える場所、付け忘れる添付情報はほとんど共通していることがわかりました。そこで、特殊な添付書面に関しては答案構成に忘れないように略字で(種類株主総会議事録ならばSKG)記載し、答案に記載したら赤ペンでチェックをつけるなどするようにしていきました。また、どうしても解決できない部分に関しては、受験仲間に相談し、どのように解決しているか聞くようにしたりもしていました。

たかが一つの添付書面のミスなどであっても、真剣に対策を考えるべきではないかなと思います。

このように、択一に関してはやることを過去問に完全に絞ったわけですが、これは結果から見ても正解だったと思います。昨年まで問題演習の際、迷ったときに「この肢、答練で見たことがあるような気がする」と思ったりし、2択で間違えることが多かったと思います。しかし、過去問に知識を絞ることで、わからない肢で判断を避け、より確実な知識で判断するようになり、むしろ答練や全国公開模試でも成績が上がったと思います。人によりさまざまだとは思いますが、合格するためには幅広い知識を必要とするのではなく、多くの確実な知識であると思います。したがって、勇気の必要な行動ではありますが、思い切って答練は受け捨てにし、知識は過去問に絞るといった方法もありではないかなと思います。

 一方書式に関しては、択一とは逆に手を広げて問題演習していました。それは、一度見たことのある問題では答えを覚えてしまっているため、そしてさまざまな出題形式になれるためでした。したがって書式に関しては、個人的には同じ問題を繰り返す方法、または受け捨てにする方法どちらでもいいのではないかなと思います。どのような問題が出てきたとしても、「ぶれない答案構成が作れるようになればよい」と思うからです。

自分を信じて最後までやり続けるしかない

 このようにやっていくことで択一や書式など成績は上がり、安定するようになったのですが、最後まで苦労したのはなんと言っても精神面だと思います。
4月になり、試験まで3ヶ月を切ってくると、だんだん落ち着いて勉強できないようになってきてしまいました。このままの勉強方法でいいのだろうか、また落ちてしまうのではないだろうか、自分だけ知らないのではないだろうか等、自分自身を信じられないようになってきました。そんな時先生に相談したり、悩みを聞いてもらったりしました。しかし結局、自分を信じて最後までやり続けるしかないのだなと、相談するたびに思いました。

 また、やる気を出すため・自己を鼓舞するために、本試験での具体的な目標点を設定し、毎朝・答練の直前・公開模試のとき・辛くなったとき、自己暗示のようにぶつぶつと自分に言い聞かせるようにしていました。このようにして、最後まで弱い自分自身に言い聞かせることで頑張っていたのだと思います。

最後に

 私の受験生活は、かなり恵まれた環境であったと思っています。多少のバイトはしていましたが、合格するための2年半専念して勉強していたためです。また、戸谷先生をはじめとする講師やスタッフの方々、そして友人の皆に心から感謝いたします。皆さんの助けなくして私自身の今年の合格は無かったと思います。そして、最後まで応援してくれた両親、姉にも感謝いたします。

 難しい試験ですが、最後まで諦めず、自分自身に言い訳をしないで継続することで合格を掴み取ることが出来ると思います。皆様の来年の合格を願っています。ありがとうございました。

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