「勉強の範囲を広げすぎず、自分なりの方法を確立すること」 西津 明子さん

司法書士を目指した理由

私は大学を卒業後、法律事務所にパラリーガルとして就職しました。大学の専攻とは全く関係がない分野への就職で、最初は戸惑いましたが、仕事をしていくうちに、法律の世界の奥深さや、面白さを感じるようになりました。そして、「もっと法律について深く知りたい」「もっと専門的な仕事ができるようになりたい」という気持ちから、就職2年目の春より、司法書士試験の勉強を開始しました。

これまでの成績の推移

司法書士試験の受験は、途中受験しなかった年を除いて、合計で11回の受験をしました。成績の推移は下記のとおりです。

  • 1回目 午前・1ケタ 午後・1ケタ 記述・— 択一足切り ※
  • 2回目 午前・10台 午後・10台 記述・— 択一足切り ※
  • 3回目 午前・20弱 午後・20弱 記述・— 択一足切り ※
  • 4回目 午前・26 午後・21 記述・— 択一足切り
  • 5回目 午前・31 午後・25 記述・— 択一足切り ※
  • 6回目 午前・24 午後・24 記述・— 択一足切り
  • 7回目 午前・20前半 午後・20前半 記述・— 択一足切り ※
  • 8回目 午前・27 午後23 記述・— 択一足切り
  • 9回目 午前・32 午後26 記述・34 記述足切り
  • 10回目 午前・26 午後25 記述・— 択一足切り
  • 11回目 午前・31 午後24 記述・54 合格

※成績表紛失のため詳細な記録なし

最初のうちは、低空飛行を続けておりましたが、少しずつ成績をあげていき、今回合格に至りました。

クレアール入学前の勉強方法

【1〜4回目】

他の予備校のパックコースを受けていました。まだまだこの頃は、仕事との両立ができず、勉強時間もほとんど確保することができませんでした。気持ちの面でも、友人とのイベントを優先したり、かなり甘い気持ちで、なかなか成績も伸びませんでした。

【5回目】

ようやく、「もっと本気で勉強しなければ一生合格できないのでは?」ということに気づき始めたころでした。当時、家族の事情で仕事を辞め実家に帰ったこともあり、4月頃より約3カ月間、専業で勉強することができました。専業時は、1日12時間くらいは勉強していたかと思います。ですが、マイナー科目や書式まで十分に手を回すことができず、残念ながら合格することはできませんでした。

【6・7回目】

仕事が忙しく、ほとんど準備もできずに受験する、という状態でした。

クレアールを選んだ理由

クレアールにお世話になったのは、2007年3月頃からです。数ある予備校の中からクレアールを選んだ理由は、ガイダンスに伺った際の印象が、小規模でアットホームな良い雰囲気だったこと、『合格ゼミ』があり、受験生同士の交流があったことからです。実際にクレアールに通うようになり、他の受験生との交流から良い刺激を受けることができました。そして、そのことが今回の合格に繋がったと思うので、クレアールを選択したことは間違っていなかったと思います。

クレアール入学後の勉強方法

【8回目】

一通りの講座を終えたのが3月で、その1カ月前頃から受験に向けた勉強を本格的にはじめたように記憶しています。勉強時間は、平日2〜3時間、週末に7〜8時間というペースでした。

択一:クレアールから配布された過去問を、すべてバラバラに切り離し、問題を解きました。表が問題で裏に答えと解説があり、持ち運びには非常に便利でした。2周とちょっと回せたくらいだと思います。

書式:クレアールの書式集を、ひたすら書き写して覚えました。問題らしい問題は、答練と模試で解いたくらいだったように思います。

本試験では、合格ラインまではまだ遠い、という結果でした。

【9回目】

前年に不甲斐ない結果を出してしまったことから心を入れ替え、7月末から勉強を再開しました。この年は、平日・週末ともに1日7時間の勉強時間を確保しました。  
択一:年内から3月頃までは、とにかく過去問を解きながら、その都度六法を確認する、という作業をひたすら続けました。この1年間で、過去問20年分を10回以上は回したと思います。ただし、過去問からはずれる勉強は、一切しませんでした。

書式:前年の書式答練を何度も繰り返し解き直すとともに、毎日ひな型の確認をしました。
この年、合格ラインにかなり近いレベルまで引き上げることができましたが、ある程度まとまった勉強時間を確保できたことが大きかったと思います。

【10回目】

前年に頑張りすぎたこともあり、しばらく休養期間をつくり、12月頃から勉強をはじめました。勉強時間は、平日・週末ともに3〜4時間程度だったと思います。
択一:前年と同じ。ただ、過去問を解きすぎて、最終的には問題そのものを覚えてしまい、あまり意味のない勉強方法となってしまいました。

書式:前年度と基本的には同じですが、特に問題を解く際のラインの引き方、図の書き方を他の受験生や合格者の方々の意見を聞いたりして、自分なりに研究しました。
実力的には、前年度よりも上がってきていたため、今年は受かるだろうと思っておりました。ところが、蓋を開けると前年度の成績よりも悪い結果となってしまいました。この結果には、かなりショックを受けました。

合格した年の勉強方法

【年内】

このまま、同じ勉強方法を繰り返していたのでは、合格は程遠いと思い、まずは合格者の方々から話を聞き、不合格だった原因を自分なりに分析しました。
その結果、

  • 合格者に共通して言えるのは、自分なりの勉強方法を確立しているということ。合格者の勉強方法をいくら真似ても、それで合格はできない。ちゃんと自分自身のスタイルを確立する必要がある
  • 基本がおろそかになってはいけない。「わかっている」と思っていても、常に基本に立ち戻ることが重要。
  • インプットとアウトプットのバランスが大切(講師からのアドバイス)という考えに至りました。

そして、まずは、「合格」の成功体験を得るために、行政書士試験の勉強を8月末より開始しました。条文に立ち返ることを意識して勉強を続けた結果、8割強の成績で行政書士試験に合格することができました。

【年明け】

行政書士合格で自信をつけたことで、1月下旬よりやっと司法書士試験の受験勉強にとりかかりはじめました。平日・週末含め、だいたい1日に1〜2時間程度の勉強時間でしたが、過去問をきちんと丁寧に解くこと、条文をきちんと確認すること、1日に1問は書式問題を解き、感覚を磨くことは意識しました。

前年・前々年と3〜4月頃に成績のピークを迎え、その後徐々に失速していく、というパターンでしたので、かなり乱暴な方法でしたが、ピークをコントロールするために、答練や模試の類は一切受けませんでした。そして、最後の1カ月で集中して、過去問20年分を1周(平日は1日35問、週末は1日70問)回しました。

合格できた理由

数千人もの実力者がひしめき合っている司法書士試験において、私が合格をできたのは、「運も実力のうち」ということだったのだろう、としみじみ感じています。特に、午後が24点とギリギリの点数でしたので、首の皮一枚でつながったようなものです。
ただ、今回合格できた理由を強いてあげるとすれば、

  • 勉強のバランス(択一・書式、午前・午後、インプット・アウトプット)が前年に比べてよかったことと
  • 勉強の範囲を広げなかったこと(特に、択一に関して言えば、過去問しかやっていません)。
  • ピークを本番に持っていくことができたこと
  • 肩の力が入りすぎていなかったこと

があると思います。

この中でも、勉強の範囲を広げないことは、仕事と兼業で受験勉強をする場合には重要だと思います。おそらく、合格者の中でもある程度の期間をかけて合格された方と、短期合格者との間では、知識の量はかなり違うと思います。私は、何年も受験勉強をしていましたが、結果として短期合格者とそう違わない知識の量しかないと思います。ですが、一番大切なのは合格することだと割り切って、ひたすら過去問の勉強のみをしておりました。限られた時間の中では、過去問を解くだけで精一杯だったからです。

結果、今年の試験でも、問われていたことは、条文・過去問を中心とした基本的なことばかりだったと思います。

仕事との両立について

経済的な心配がないことや、メンタル面で追い込まれすぎないことからも、なるべく兼業で受験勉強をすることをお勧めします。ただ、やはり時間を確保するのには、ある程度コツが必要だと思います。よく言われることですが、「細切れ時間を有効活用する」ということが大切だと思います。私は特に、「細切れ時間に、すぐ集中できるように」ということを意識して勉強していました。

また、体調が悪い時などは、あまり無理をしすぎず、早め早めに休養をとることも大事だと思います。

 

最後に

今回、思いがけず合格することができたのも、家族や職場、そして色々な相談に乗っていただいたクレアールの方々にお世話になったおかげだと思います。本当に感謝しています。
これがゴールではなく、やっとスタートに立ったということを心に刻み、慢心せずに努力を続けていきたいと思います。

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