村上 良太さん
何故司法書士資格を目指したか
高校卒業と同時に就職。約19年間サラリーマンをしていました。
就職した会社の先輩方は、色々な専門資格を有し、その専門知識を生かした仕事をしているのを見て、最終学歴が普通高校卒で何も資格を持っていない私は、「自分も何か資格が欲しいなぁ」と思うようになりました。
世の中にどんな資格があるのか調べ、法律資格に興味を持ちました。理由は、法律が絡まない業界は無いため、法律を勉強すれば応用が効くというか潰しが効くというか、使い勝手が良いのでは?と思ったからです。
特定の資格が欲しいというわけではありませんでしたので、国家資格で合格率を比較し、行政書士試験を受験することにしました。
その行政書士試験の勉強が進むにつれて、次はもっと合格率の低い司法書士試験に挑戦したいと思い、またその頃から独立開業したい思いが強くなり、行政書士試験合格後、退職し、司法書士試験に専念することにしました。
予備校選びのポイント
以下の4点でクレアールを選びました。
- 受講料が安い
- 非常識合格法に共感した
- 講義にパワーポイントを使用しているため、クリアでカラフルな画質であった
- 教材が少ない
クレアールで学習して良かった点
〇講師について
言葉が聞き取りやすく、説明が丁寧。
〇教材について
他校に比べ少ないが、中身がしっかりしている(特に択一六法)。
合格に必要な量を最小限にしている(かなり絞り込んでくれている印象)。
〇講義
眠くならない。制度趣旨から説明してくれるため記憶しやすい。
クレアールのカリキュラムで活用しやすかった点
〇単元別講義について
1コマが短めなので、集中しながら学習できる。
〇復習講義について
1コマ数分のため、後日復習するときは、かなり便利。
答案練習の効果的な活用方法
答練の活用方法は以下の3点です。
- 時間配分の実験
- 解く順番の実験(民法から解く、記述から解く、組み合わせ問題から解く等)
- 学習スケジュールのベースにする(答練の科目が午前科目なら、その直前1週間前は午前科目を学習する。)
学習を進めていくうえでのポイント、心構え
とにかく、まずは講義を全て受講することです。途中で理解できなくても、とにかく進んでください。理解できなかった部分は、後で復習すれば良いだけのことです。
また、受験生の中には社会人の方も多いと思いますが、気を付けてほしいことが1つあります。それは、会社では、「指示待ち人間はダメっ!」みたいに教わると思いますが、受験指導校を利用するなら、指示待ち人間で良いと思います。講師の指示だけに忠実に従うべきです。自分でアレコレ勝手にこねくり回して学習すると、試験範囲を逸脱してしまい、方向性を間違える可能性が高いからです(私が、まさにそうでした・・・)。
学習スケジュールをどのように立てて、学習を進めたか
まずは、講義の配信スケジュールに乗っかって学習を進めれば良いと思います。自分で無理なスケジュールを立てる必要もなく、楽と言うか、安心して学習を進めることができます。
講義を聴き終えたら、答練が始まるので、答練のスケジュールをベースに学習する科目を選べば良いと思います。
効果的な学習方法
【講義・テキスト】
講義中に講師が説明されたことで、テキストに記載されていないものは、テキストに書き込み、テキストを見れば講義の中身が分かるようにしていました。
【過去問】
問題を解く際は、問題そのものに答えられるかどうかではなく、問題のテーマについて広く答えられるか否かを確認しながら解いていました。例えば、「未成年者は後見人になれるか?」という問題文に対して、正しいか誤りかを判断するのだけではなく、問題文を「後見人の欠格事由について説明しなさい。」という風に頭の中で問題文を変形させ、その問題文に答えられるようにしていました。
【六法】
ただ単に六法に記載されている条文・判例をなぞって読むだけではつまらないため以下のことをしていました。
(条文)
覚えようとしている条文を読んだ後、隣の条文(2項・3項など)・参照条文・前後の条文をみて、今覚えようとしている条文と関連付けできるものがないか探していました。見つかると、点と点の知識が繋がり、記憶しやすくなりました。1回で記憶するのは難しいかもしれませんが、繰り返す回数は減らせると思います。
(判例)
判例を読んだ後、条文を読み、「なぜ、この判例はこの条文のところに記載されているんだろう?」と考えていました。そもそも、判例を学習する理由は、条文ズバリではないからだと思います。
例えば、
- 条文の要件を満たすのに、条文どおりではない効果が発生する判例
- 条文には存在しない要件を追加する判例
- 条文の曖昧な文言を具体的に解釈する判例
- そもそも条文が存在しないため、その不備を補う判例 など・・・
上記の作業を行うことで、なぜこの判例を学習しているのかという理由が見えてきます。この理由が見えると、記憶しやすくなりました。
また、複数の知識が混乱した場合は、六法の目次も利用しました。混乱している知識の根拠条文がどこに規定されているのか(第○編、第○章・・・)を探すだけでも、混乱した知識を整理しやすくなりました。
苦手科目の克服法
主要科目については、記述式を利用しました。択一は退屈な印象がありましたが、記述は司法書士になったつもりで挑めるので楽しかったです。記述が楽しくなると、主要科目に対する苦手意識が弱くなっていくと思います。
不動産登記法は、択一の学習でも、「もしこれが記述で問われたら、どのような申請書になるか?」と考えながら学習していました。
会社法は、基本的に暗記科目だと思います。
暗記していったものが、後になって繋がることもありますから、民法のように制度趣旨が分かっていれば解けるものではなく、開き直って「暗記する。」、「暗記すれば点が取れるんだから、ある意味簡単だ!」と考えていました。
今年の試験で合格できた秘訣
学習に集中できたことです(抽象的でスミマセン)。
5回目で合格したのですが、1回目はお試し受験、2・3回目は病気のため学習に集中できず、4回目の半年前からやっと学習に集中できるようになりましたが間に合わず、5回目で合格しました。
ですから、具体的に昨年までと学習方法を変えた部分は無く、学習に集中できる環境になったことが一番の秘訣でした。
午後の部の効果的な時間の使い方(択一の問題の解き方・時間配分)
時間配分 60分(科目毎に細かい時間設定は意識していませんでした)
(1) マイナー科目
全肢検討
理由:問題文(各肢の文章)が短いことが多いため
(2) 登記法
基本的には全肢検討
例外として以下の場合は軸肢検討
- 事例問題
理由:その事例についてのみ検討すれば良い。
他の事例を検討する必要がなく、正誤判断しやすいため。 - 誤っている肢を求める問題(「誤っているもの(の組み合わせ)はどれか?」)
理由:〇の肢より×の肢の方が誤っている理由を判断しやすいため
問題文(各肢の文章)の短い肢から検討しましたが、どうしても長い肢を検討する必要がある場合は、問題文の最後(ケツの部分)を先に読んで、結局何を問うているのか把握してから、問題文の最初(アタマの部分)から読みました。
理由は、アタマから読むと、最後の部分にたどり着くまで何を聞いてくるかわからず、たどり着いたときには、すでに最初の部分を忘れてしまい、また読み直すことが多く、時間のロスとなるためです。
記述式問題の時間配分や答案構成用紙の効果的な使い方
(1) 商業登記(60分)
まずは、問題の中にある散りばめられた情報を時系列に整理しました。
整理の方法は、情報を効力発生日の順に並べるため、問題の最後に記載のある聴取記録に番号を付けて、その番号を別紙に書き加えていました。 ちょっと分かりにくいと思いますので、平成30年度本試験問題で例えます。
本試験の問題冊子p66(別紙6)の枠の外の左下に「2>」と書き加えています。 この「2」はp69(別紙9)聴取記録の「2」です。
取締役Eが死亡した平成30年6月26日は、別紙6(平成30年6月20日)と別紙7(平成30年6月28日)の間の日付だからです。
同じ要領で、聴取記録ではなく、別紙に記載されている効力発生日でも、すぐに効力が発生していないものについては、同じように番号を付けて書き加えていました (聴取記録の番号か、別紙中の番号か区別するために、番号を〇や△で囲んで、すぐに分かるようにしていました)。
このように時系列に並べ、並べ替えた順に登記できるか否かを検討します。
登記できると判断したら、すぐに答案用紙に記述します(「登記の事由」「登記すべき事項」「添付書面」)。
ただ、登記の事由でも、役員については、後からまとめて記述していました。
添付書面で通数が複数になりがちなものは、添付書面の横に鉛筆でメモし、記述が終わったら、メモを数えて通数をボールペンで記述し、メモを消します。
そのため、私の答案用紙の登記すべき事項は、いつも上から時系列に記載されていました(権利義務役員の退任については日付が前後しますが・・・)
登録免許税は捨てても良いかもです(どうせ間違える印象が強いです)。
答案構成用紙は使用しませんでした。
役員変更については、別紙1の登記記録に直接書き加えていました(権利義務役員はカッコを付け加え、退任日付を書き込みました)。
(2) 不動産登記(60分)
まず、シャープペンシルで登記記録を答案構成用紙に図示します。
問題文中に発生した物権変動は、鉛筆で矢印を記入、その矢印の横に登記原因日付を記入しました(鉛筆の線の方がシャープペンシルより太いので、物権変動の矢印が目立ちます)。
記入後、問題文の指示に従い、答案用紙に記入する順番を答案構成用紙に記入し、答案に記述しました。
なお、間違えやすい部分については、午後の部の試験開始と同時に、答案構成用紙の隅っこに注意書きしました。
(例:「共全全移」「混同」「名変」など・・・)
時期(基本学習期、応用学習期、直前期)ごとの学習方法
時期は特に意識していませんでした。
基本的にテキストの読み込みはせず、問題集ばかり解いていました。
問題を解いていて、よく分からない部分をテキストで調べる程度です(テキストは辞書のイメージでした)。解き方は前述のとおりです。
過去問1000問ノックWebテストの活用法
専業受験生で、ずっと自宅で学習していましたので、たまに外出したときに使用する程度でした。
気分転換の方法
友人と飲みに行ったり、落語を聞きに行ったりしました。数か月に1回ぐらいのペースでしたが、落語のバカバカしい話を聞いて笑うことは、十分な息抜きになりました。
来年度の合格を目指す方へのアドバイス
合格率の低い試験です。本当に司法書士になりたいかどうか、受験勉強を始める前にじっくり検討して下さい。その検討した時間と内容が、学習中のモチベーションにつながります。決して天才を選抜する試験ではありません(毎年、上手い具合に3%程度の天才が出現し続けるハズがありません・・・)。
勉強の途中で理解できずに逃げ出したくなることがあると思います。その時は、理解できなくても良いので、とにかく繰り返してみてください。繰り返すことで何だか理解できた気になります。
これを継続することで後々理解できます(と言うか、「良く分かんないけど、そういうもんなのね!」という感覚に変わると言ったほうが良いかもしれません)。
学習テクニックに固執せず、講師の指示に従って学習を継続すれば必ず合格できると思います。是非、頑張って下さい。そして、司法書士のバッチをゲットして下さい。応援しています。