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「合格の秘訣は、自分に合った学習方法を見つけられたこと」M.Nさん

司法書士合格体験記

M.Nさん

なぜ司法書士資格を目指したか

大学は法学部でしたが、在学中には資格試験にまったく興味のなかった私は、同級生達と一緒に就職活動をして、希望していた会社に採用していただいて、新卒で就職しました。
入社当初はその会社でキャリアを積んで行くつもりでいましたが、社会人として会社の一員として働く中で、また親元を離れ独立して生活して行く中で、法律知識の大切さを感じることが多々ありました。大学時代、決して勉強熱心と言えなかった私は、単位が取れて卒業できればいいというくらいの気持ちで学校に行っていましたが、社会人になってからの方が、「もっと法律を知っていれば」「法律に詳しければ」と感じる場面に出くわすことはあるもので、「いつかきちんと法律を勉強し直したい」と漠然と思っていました。

そんな気持ちを持ちながらも入社から5年ほど経った時、何かのきっかけになればと、自己啓発のような気持ちで宅建を受験することにしました。法律の勉強をしたかったのももちろんですが、ちょうど5年働いた時期だったこともあり、自分の新しいキャリアを見つけたいとも思っていたので、そのきっかけになればという想いもあったように思います。
そうして宅建の勉強を始めると、法律の勉強がとても興味深く、もっと勉強したいし、欲をいえば法律知識を使った仕事に就いてみたいと思うようになりました。そこで宅建と受験科目が2科目重複している司法書士試験に興味を持ちました。

予備校選び

 私が司法書士試験の受験を決めたのは、宅建の勉強を始めて間もない平成25年の8月頃でした。この時点で翌年の本試験まで1年を切っています。また、仕事の関係と宅建の本試験が10月下旬にある関係で、どうしても11月頃までは本格的に司法書士試験の勉強を開始するのは難しい状況でした。

そんな中、複数の予備校のパンフレットを読むと、初学者向けの講座で夏から秋に開講するものはそのほとんどが翌々年を合格目標とするものでした。しかし私は、たとえ準備期間が短くても、受けるからには次の本試験に照準を合わせて勉強したいと思っていました。性格上、目標が1年半先や2年先となると途中で気持ちがゆるんでしまうと思ったからです。なんとか翌年の本試験までに学習を終えられるカリキュラムのある予備校はないかと探している中で、クレアールのカリキュラムが目に留まりました。他校に比べて講義時間がコンパクトで、しかも単元ごとに講義が区切られているため、他校のように1コマ3時間の講義を無理に消化する必要もありません。これなら他校に比べて短期間・短時間で講義を消化することが可能だと思い、クレアールを選びました。

11月から学習を始めたとして、本試験まで8か月ほど。無茶とはわかっていましたが、やるからにはベストを尽くした上で平成26年の本試験を受けようと、この25年の8月に決意しました。そして25年の10月、無事に宅建に合格。その後ようやくクレアールで司法書士試験の勉強を開始しました。

1年目の学習(平成26年受験 試験8か月前に開始)

 前述の通り、平成25年の11月に勉強を開始して26年の本試験を受験するつもりでしたから、とにかく時間がありません。まずは基本となる単元別講義を視聴して、各科目の全体像を掴むことを最優先させました。
最初のうちは復習もきちんとしていたのですが、そのペースだと本試験までに全部の講義を視聴し終えることができないので、時間がないときは講義を見進めることを優先させました。
また学習開始間もない時期なので、択一の過去問にさえ手こずりましたが、ここも割り切って、講義の最後に先生が示してくださる参考過去問さえ解けばよいということにして、とにかく講義優先、スピード重視で進めて行きました。講義はいつも1.5倍速くらいで視聴していました。
そのような感じですから、知識は定着するはずもなく、過去問題集もきれいなまま。見られる限りの講義を一通り見て、なんとか試験科目の全体像が掴めたかな、という程度の状態で、平成26年の本試験を受けました。結果は当然不合格。受ける前からわかっていたことですし、学習期間から考えてもやはり無茶でした。今思えば記念受験同然とも思いますが、短い期間の中でできる限りのことをしたのは無駄ではなかったですし、講義を一通り受けたことも翌年以降の勉強に活きてきたと思っています。

2年目の学習(平成27年受験 僅差で不合格)

 とりあえず受けた初受験を終え、翌年に向けてどう勉強しようか迷っていました。基本講義はギリギリ見終えたばかりで、十分に消化し切れたとはいえない状態。過去問も択一六法もほとんど手つかずのまま。今の自分が中上級講座を取って意味があるのだろうか、と思っており、特に、クレアールのテキストは講義で使用していたのですが、択一六法をほとんど活用できていないことが気になっていました。
そこでクレアールに電話をして相談したところ、過去問と択一六法を使った学習方法についてアドバイスをしていただきました。無理に中上級講座の受講を勧めることもなく、ただ、改正のあった会社法だけは講座を取ったほうが良いとアドバイスをいただきました。
そこでこの年は、教えていただいたやり方で、択一六法と過去問を中心とした勉強をすること、改正がありしかも苦手意識のあった会社法については中上級講座をペースメーカーとすること、というやり方を決めて、勉強を進めていくことにしました。
振り返ってみると、この年の勉強方法が最も自分にとって有効で、これによって合格に必要な力がついたと思っていますので、その方法の詳細は後述しますが、択一対策としては、過去問と択一六法の往復。会社法については講義を視聴した後、その復習をしてから、過去問と択一六法の往復を進めました。記述式の対策は、答練の問題を中心とした新作問題の演習と、間違いノートの作成、ひな形チェックです。
この勉強で成績は右肩上がりに伸びていきました。直前期の公開模試では合格判定も取れるようになり、この時点で学習開始からまだ1年半でしたが、短期合格が叶うかもしれない、と期待が高まりました。
しかし結果は、択一・記述すべての基準点をクリアすることができたものの、総合点に0.5点届かず不合格となりました。

3年目の学習(平成28年受験 合格年度)

 0.5点不足での不合格という結果を受け、しばらくの間とても落ち込みました。結果が覆らないとはわかっていても、気持ちを切り替えるのは簡単なことではありませんでした。
しかし冷静に考えてみれば、約1年半の勉強でほぼ合格レベルまで辿り着けたということは、勉強方法は間違っていなかったということです。もう一度同じように勉強すれば、次は合格できるはずだと思いました。これまでの勉強を反省するというより、良くできた部分を素直に評価して、ほとんど同じ勉強方法で再挑戦しようと決めました。
そうは言っても正直なところ、年内は気持ちの切り替えができず、納得できない気持ちの中で、あまり集中して勉強できたとは言えないものでした。本格的に学習に集中できるようになったのは年明け頃からだったように思います。
年明けから、昨年とほとんど同じように勉強していきました。択一は過去問と択一六法の往復。記述は答練で新作問題を入手したら、その演習と間違いノートの作成。ただ、昨年0.5点に泣いた私は、特に記述では細かい部分に気を配るようにしました。例えば添付書面や登録免許税のミス。配点は低いかもしれませんが、こういうミスが命取りになることを身をもって知っていたので(0.5点足らずで落ちた昨年、不動産登記の記述式で登録免許税の計算ミスをしていました)、細かなミスもどうやって防ぐか真剣に考えました。申請件数や登記すべき事項などの大枠を外さないのは当然として、細かな部分も間違えてしまったときは必ず復習しました。思考過程に問題があったのか、それとも知識が不足していたのか、原因と対策を明確にしていました。

学習方法(択一式)

 「2年目の学習」のところで前述しましたが、クレアールに相談したときに教えていただいた方法を、自分なりにアレンジしたやり方で勉強していきました。
使う教材はクレアールの択一六法と過去問題集だけです。基本講義の受講は一通り終えているのが前提となりますが、まず過去問を解くことから始めます。そして解説ページに載っている条文や先例を択一六法で調べます。このようにして、過去問と択一六法を往復していきます。私は過去問題集の解説ページに、択一六法の該当ページ数を書き込んでいました。こうすることで2周目以降、スムーズに往復できるようになります。また、解説に載っている関連条文は、過去問の正誤に直接関係がなくても必ず引くようにしていました。そうすることで周辺知識も押さえることができます。この周辺知識、関連知識というのは私が勉強するとき意識していたポイントのひとつで、膨大な知識の記憶が必要となるこの試験では、ややこしい部分や忘れそうになっている部分を、他の勉強をしている時のついででもいいから確認したいと思っていました。ですから関連条文のチェックはもちろんですが、過去問を解きながら択一六法を引いたときは、ただ正解の該当箇所を読むのではなく、関連事項をまとめた図表が近くにあればそれもチェックするなどしていました。
この方法で、2年目の受験だった平成27年は0.5点足らずで不合格となったものの、短期間で合格レベルまでいけましたし、今年28年は同じ学習方法を踏襲して合格できましたので、自分に合った学習方法だったのだと思います。

学習方法(記述式)

 答練や模試の新作問題の演習を中心とし、間違えた部分はノートにまとめるほか、暗記できていないひな形は合格書式マニュアルでチェックしていました。
演習の素材は人それぞれあると思いますが、私は最新の答練・模試の問題が適していると考えており、これらの演習に徹していました。問題のボリュームが本試験と同じくらいありますし、最新の法改正や出題傾向に適合しているからです。そのため、市販の問題集や記述式の過去問はほとんど解いていません。
本試験と同じくらいのボリュームの問題を解くということは、1問解くのに1時間かかるということで、その後ノートを作ったり解説を読んだりしていると2時間近くかかることもあります。記述式の勉強だけで毎日2時間というのは少々無理があったので、私は今年の直前期、「記述式は1週間で4問」というルールを決めて実行していました。本当は毎日1問解くのが理想でしたが、時間的に難しかったので、記述式問題が解けない日は10分程度ノートの見直しなどを行っていました。
間違いノートには、覚えられていなかったひな形や、答練の問題でどんなひっかけがあったか、問題を解くのに必要な実体法の知識など、体裁にはこだわらず自分に必要な知識を思いつくまま、まとめていきました。
この方法で、記念受験同然だった平成26年の初受験時はともかく、昨年27年も今年28年も記述式の基準点を上回りましたので、記述式も択一式と同じく自分に合った学習方法を見つけられたと思っています。

最後に

 本格的に学習を開始してから合格するまでの期間は2年半ほどでした。この間に、0.5点不足で不合格という悔しい経験もしました。私は自分の経験上、1年半ほど真面目に勉強すれば合格レベルの実力を身に付けることは可能だと思います。しかし、その後すぐに合格できるかというと話は別です。力をつけたその年に合格できるわけではないことも、この試験の難しさだと思います。合格率が極端に低いですし、1年に1回しかないので、運の影響も大きいと思います。
昨年0.5点足りなくて落ちたときは、「なんて運の悪い落とされ方をするのだろう」と思いました。でも今思うのは、その次の年に合格できた自分はむしろ運が良かったのではないかということです。実力がありながら、あと一歩のところで何年も足踏みしてしまう人も多い試験だと思います。

私は受験期間中に結婚し、家を買って引っ越したりと、環境面での変化もありましたが、夫が全面的に応援してくれ、勉強中心の生活を送ることを認めてくれました。そのためこれらの変化は自分にとってプラスでした。夫をはじめ、周りの人から支えてもらった、ありがたい受験期間でした。
そう考えると自分は、運にも恵まれ、周囲にも応援され、成績も右肩上がりに伸びて合格できた、順調に合格まで辿り着けた受験生だと思います。

それでもやはり勉強は苦しかったです。だからもっと苦しい環境下で勉強されている方や、あと一歩での不合格を繰り返してしまう方のつらい気持ちはどれほどのものだろうと思います。そういった方たちに私がアドバイスをするのはおこがましいのですが、少なくとも私の場合、合格できたことで、勉強してきた自分を誇らしく思えるようになりました。努力の日々が誇りに思える日が必ず来ると思います。この体験記が受験生の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

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