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「フルタイムの仕事を続けながら掴んだ一発合格」森口 直樹さん

司法書士合格体験記

フルタイムの仕事を続けながら掴んだ一発合格

森口 直樹さん

 

【なぜ司法書士資格を目指したか】

 私が司法書士資格を目指した理由は、現在保有する行政書士として対応できる職域だけでは、依頼者のニーズに、最後まで応えることができないと実感したためです。

私は現在、相続を専門とする行政書士法人の社員として働いています。人口の少ない地方でありながらも、相続でお困りの方はたくさんおり、また、その内容も様々です。

行政書士の職務として、遺産分割協議書を作成することは可能です。しかしながら、その後の相続手続きにおいては、不動産登記申請ができないことはもちろん、銀行等での手続きについても、各行の規約により、行政書士では対応してもらえない場合があります。

この場合には、依頼者自身にお手続きをお願いする(不動産登記にあっては司法書士を紹介する)ことになるのですが、依頼者が高齢の場合などは特に、大きな負担となってしまいます。

また、相続手続き以外にも、相続人に未成年者がいる場合、判断能力を有しない者がいる場合、不在者がいる場合など、様々な場面で裁判所への申立てが必要となることも少なくありません。この場合にも、行政書士は、裁判所に提出する書類の作成を業務として行うことはできませんので、依頼者自身でのご対応をお願いすることになります。

この点、司法書士であれば、不動産登記の申請は司法書士法第3条第1項と第2項によって、相続手続きは司法書士法第29条1項1号によって、裁判所に提出する書類の作成代行にあっても、司法書士法第3条1項4号によって対応することができ、より広い業務範囲で依頼者のニーズにお応えすることが可能となります。加えて、今後のキャリア形成においても、司法書士資格があれば転職の場合にも有利になると思い、資格取得を目指すことにしました。

【予備校選びのポイント】

私は地方在住のため、近くに予備校はなく、また、幼い子供が2人いることから、通学ではなく、仕事を継続しながら通信で勉強することを決めていました。

早速クレアールのほか、いくつかの大手予備校に資料請求を行い、比較検討をしましたが、大手は軒並み費用が高く、もし自分に司法書士試験が向いていなかった(途中で挫折してしまう)場合のリスクを考えて、最も安いクレアールを第一候補に検討を続けていました。
その後、ホームページでクレアールの特待生試験(作文)制度があることを知り、試しに応募してみたところ、運よく割引対象に選ばれたことが決め手となり、そのまますぐに受講を決めました。

【クレアールで学習して良かった点・クレアールでのカリキュラムで有益または活用しやすかった点・答案練習の効果的な活用方法】

 すべてのテキストがWEB上のPDFファイルで閲覧できたことです。PDFなのでテキストのコピー・ペーストが容易にでき、これを利用して、間違えた問題や苦手分野をまとめたファイルを作成し、集中的に繰り返し学習しました。

 ノートにペンで書き記すよりも時間がかからず、また、作成したファイルはPCだけでなく、スマホでいつでもどこでも確認できるため、まとまった時間を取りにくい私にとっては大変有意義な勉強法だったと思います。

 また、講義を倍速で視聴できたことも時間節約に大変役立ちました。私の場合、昔から講義を聞いても内容が頭に残らず、アウトプットする(問題を解く)ことでようやく少しずつ覚えられる傾向がありました。そのため、講義は基本流し聞く程度(1.5倍速~2倍速)に留め、なんとなくの知識のまま過去問に取り組みました。当初は、過去問で問われている論点や、そもそもの問題の意味すら理解できないことも多いのですが、それでも繰り返し問題に触れることで、徐々に問題の趣旨や論点が理解できるようになり、また、解答に関連する知識も併せて覚えていくことで、過去問とまったく同じ問題でなくても、対応できる力を身に付けていきました。

 この他、本試験直前から始まる実力完成総合答練や模擬試験も、時間配分や問題を解く順番、マークミスを減らすための対策などを試す良い機会になりました。私の場合、多くの受験生と同様に、会社法と商業登記法が不得意で、問題を読むにも、他の分野のそれよりも集中力を消耗する傾向があり、順番通り素直に解いていくと、最後にはスタミナ切れで、集中できないことが多々ありました。そこで、問題を解く順番を、午前の部では27問目の会社法から、午後の部では28問目の商業登記法から取り組むように工夫しました。

また、時間配分については、午前の場合にも35問全問を1時間で解くよう努力し(とはいえ、毎回70~80分くらいはかかってしまいました)、残りの時間で、〇×の読み違いや、確信の持てない問題の再検討を行うことで、自分にわかる問題を確実に得点することを重視しました。

 午後においては、択一式35問を1時間、記述式をそれぞれ1時間ずつ確保するようにしました。こちらは午前の部とは異なり、努力目標ではなく、絶対的な基準として常に科目ごとの終了時間を意識して、問題を解いていきました。午後の部では、記述式の時間をいかに確保できるかが合格をするためには、必要不可欠となるからです。

これらの時間配分を実力完成総合答練や模擬試験において、十分に試せる機会があったことは、失敗が許されない本試験の舞台でも、大いに役立ちました。

【お試し受験をして良かった点など】

 お試し受験を受けたのは、勉強を開始してから10か月を経過したときでした。巷では数か月の勉強で合格した報告も聞いたことがありましたので、淡い期待を持って望んだのですが、結果、択一で6割程度しか得点することができませんでした。
しかしながら、一度本試験を経験できたことで、当日の雰囲気や会場の机・イス、空調(適した服装)や昼ご飯を食べる場所などの確認ができたことは、次年度の準備をするのにとても役立ちました。(私が受験した会場のイスは座面が堅かったため、次年度は座布団を持参するようにしました。)

 また、同じ地域に、同じ目標を持って勉強されている方が多くいることを知り、その後の勉強のモチベーションアップにもつながりました。

【学習スケジュール】

 私の場合は、フルタイムの仕事を続けながらの学習だったため、時間の確保が課題でした。当初は、クレアールからいただいた学習計画に沿ってスケジュールを立てていましたが、続々と始まる新たなカリキュラムをすべてこなせるような時間は到底確保できず、自分で立てた計画も、最後までその遅れを取り戻すことはできませんでした。そのため、すべてのカリキュラムをこなすことをあきらめ、自分に不足する知識を補えるものに注力して、勉強を進めることにしました。ちなみに、私のこなしたカリキュラムと教材は次のとおりです。

<2017年度>

① ターゲット論点攻略講座(全科目)
② 定期テスト・解法マスター講義
③ 不動産登記・商業登記 書式講義、ひな形トレーニング、書式実戦トレーニング
④ 合格書式マニュアル 不動産登記・商業登記
⑤ 合格書式マニュアル対応問題集 不動産登記・商業登記
⑥ 記述式ハイパートレーニング 不動産登記・商業登記
⑦ ABランク過去問解法マスター(民法・不動産登記法・商法会社法・商業登記法)

<2018年度>

⑧ 平成元年から平成27年までの択一式過去問題集(全科目)、書式実戦解法マスター講義 不動産登記・商業登記、択一式解法マスター答練(全科目)、実力完成総合答練、模擬試験

とにかく勉強時間が限られていましたので、過去に出題された問題を繰り返し解き、その関連知識を併せて押さえることで、同じ問題でなくても対応できる力を身につけることを心掛けました。

その結果、平成30年度の司法書士試験の午前の部は84点(基準点は78点)、午後の部は90点(基準点は72点)を取ることができました。

時間があれば、択一六法(本試験後に講義を視聴し、教材を利用しましたが、他の受験生からの評価が高い理由がよくわかりました。)や、平成28年・29年の過去問も学習したかったのですが、前述のカリキュラムだけでも、効率よく学習すれば、択一は十分に基準点を突破することは可能だと思います。

【記述式対策について】

記述式、特に商業登記については大変苦労しました。記述式の採点基準はブラックボックスといわれ、事前に得点の予想ができないことや、申請書のひな形も予備校ごとで若干の違いがあったり、直近では事案によっての株主リストの添付の要否も解釈がわかれていたりと、最後の最後まで自分の書き方・解釈で問題ないのか、不安が消えることはありませんでした。

結果として、本試験で46.5点(基準点は37.0点)を取ることができ、何とか筆記試験に合格することはできたのですが、今思い返してみても、記述式対策として何が有意義だったかの説明は難しい、というのが正直な感想です。

ただ、ひな形を完璧に覚えることは間違いなく重要であるといえます。
もちろん、問題演習を通じてあらゆる事例を数多く経験しておくことは、その事例が本試験で出題された場合には、とても有効な対策といえるかと思いますが、基準点(70点満点中37.0点)からみてもわかるように、記述式はそもそも満点を狙うような問題ではありません。問題中の事例において、適切な実体判断と、適切な登記事項の記載を6割以上することができれば、司法書士としては及第点だと、試験委員は判断しているのだと思います。

また、実体判断の能力については、択一を解くのに求められる知識レベルと同等またはそれ以下だと感じました。なので、択一の論点を完璧に理解できれば、記述式の実体判断についても、その応用で対応できるはずです。

実体判断ができれば、あとは記述式独特の知識としての「ひな形」を覚えるだけで、記述式問題の基準点を超える解答をすることができると思います。

どんな応用問題も、最終的には「ひな形」に集約されます。基礎を完璧にすることこそが、本試験対策においても、また、合格後の実務においても、最も有効なのかもしれません。

 

 

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