「家族の応援と協力があったから実現できた司法書士試験合格」森田 恵美さん

森田 恵美さん

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何故司法書士を目指したか

私が司法書士を目指したのは、父が司法書士であることが一番の理由で、司法書士という資格を知ることになった経緯でもあります。しかし、私は学生時代、理系科目は好きでしたが、文系科目に苦手意識を持っていたため、司法書士になろうと思うこともなく、大学も理系の学部へ進学しました。大学卒業後は公務員の専門職として勤務していましたが、4年目に異動になった部署がとても激務だったため、「これから出産等しても長く続けていけるのだろうか・・・」と考えるようになりました。

私の母は、私が小さいときから働いていましたが、在宅でもできる仕事であったため、学校から帰っても家にいてくれて寂しい思いをしませんでした。そのような子育てをしながら長く続けられる仕事は何か・・・そこで思いついたのが、父が家で事務所を開業している司法書士でした。

とても難しい資格だということは知っていましたし、仕事で法律を扱うときも、「法律って何でこんなに分かりにくいのだろう。もっと分かりやすく書いてくれればいいのに・・・」と苦手意識をもっていましたので、こんな私にも資格を取得できるのかとても不安でした。しかし、合格体験記を読んだりしていくうちに、法律初心者でも合格している人がたくさんいることを知り、また新しいことを勉強してみたい、チャレンジしてみたいという気持ちが高まってきました。そこで、主人に仕事を辞めて勉強に専念したいことを相談すると、応援するよと背中を押してくれました。

予備校選びのポイント(何故クレアールを選んだか)

予備校はあっという間に決まりました。仕事を辞めることもあり、なるべく費用を抑えたかったため、インターネットで通信教育のランキング等をまとめているサイトを見て、クレアールが価格も安く、そして評判も良さそうだったので、他の予備校は検討せず、すぐにクレアールに決め、申し込みました。

1年目

年末にクレアールから教材が届きましたが、3月末に退職予定であったため、退職までの期間は土日に2〜3単元講義を視聴し、提示された参考過去問を解く形でゆっくり進めていました。法律には苦手意識を持っていましたが、「抵当権」、「占有」・・・等、講義の内容のすべてが初めて知る知識でとても楽しく、講義を聞くのは全く苦でありませんでした。清水先生の講義は、図をたくさん書いて説明してくださるので、初学者の私にはとても分かりやすかったです。

平日は仕事から帰るのも遅かったため、土日にしか講義を視聴できず、かなりゆっくりとしたペースで勉強していました。そんな時に妊娠が判明。「受験はどうしようか・・・」と少し考えましたが、子育てしながら司法書士試験に合格したという合格体験記を読み、勉強を続けようと決心しました。出産後は初めての育児でしばらく育児に専念することになるけれども、「まずは出産までできるかぎり勉強しよう!」と。幸い、悪阻もほとんどなく、勉強にそれほど支障はありませんでした。3月に無事退職したため、4月からは1日勉強時間を確保することができました。流れとしては、これまでと同様、講義3〜4コマ(1.5倍速)→提示された参考過去問の順に行っていました。前の知識が飛ばないように前日にやった過去問の復習、1週間前の復習、2週間前の復習・・・というのを1日の勉強の始めにしていましたが、これにとても時間がかかり、受講の目安からは大幅に遅れていました。今考えると、復習はほどほどにして、まずは全範囲の講義を終えることを目標にもう少し講義を視聴するペースを速くしていれば良かったかなと思います。7月の試験のときは、まだ不動産登記法の講義を受けていたため、お試し受験はしませんでした。

また、会社法あたりから、なかなか頭に入ってこないのと、妊娠特有の眠気で、勉強のペースが遅くなっていきましたが、出産する10月までなんとか勉強を続けることができました。体調を見ながらの勉強だったため、ようやく商業登記法が終わったくらいでした。
出産後は育児に追われ、全く勉強することができませんでしたし、勉強のことが頭からもすっかり抜けていました。息子が生後4か月になった2月頃、夜少し長く寝るようになってきたため、ふと「ちょっと勉強を再開してみようかな」と思い立ち、明け方4時頃の授乳後、そのまま起きて2時間程講義を視聴し、少しずつ再開していきました。しかし、夜中の授乳の時間や回数も日によって異なりますし、眠気に勝てず寝てしまったりと、1日1時間でも勉強できれば良い位でした。もちろん復習する時間もなく、とりあえず溜まった講義を消化することだけ考えて勉強していました。

4月頃、息子も生後半年になり、お昼寝のリズムもつかめてきたので、お昼寝の時間に勉強したり、週に1回程、実家の母に息子の面倒を見てもらったりして勉強時間を少しずつ増やしていけるようになりました。ただ、授乳中であったこともあり、預けられても3〜4時間、お昼寝も長くて2時間と、細切れの勉強でした。逆に息子が起きるかもしれない緊張感で集中力がアップし、また勉強が育児や家事のリフレッシュにもなっていたので良かったと思います。しかし、長くて1日3〜4時間の勉強時間だったため、7月の初めての試験(お試し受験)までにやっとマイナー科目までの講義を聞き終わった位で、直前の答練は一度も開くこともなく本番を迎えました。

案の定、結果はひどいものでした。特に記述は、これまで問題を一度も解いたことがなかったので、「こんなに文章長いの?!」「何が書いてあるかさっぱり・・・」とくらくらして最後まで読むことができない程でした。また、8か月の息子はなんとか主人に預けられたものの、まだ授乳中であったため、昼休みはトイレで搾乳したりとバタバタで、正直、試験どころではなかったなと思います。結果は言うのも恥ずかしいですが、午前が48点、午後が24点、記述は採点されず・・・。本番までに記述の問題を解いたことがなかったので当たり前ですが、問題の意味すら分からなかったという状況にショックを受け、試験が終わった後の夜は、もう勉強をやめようか・・・と本気で悩みました。しかし、考えているうちにだんだん悔しくなってきて、次の日から勉強を再開する決心をしました。1度目の受験(お試し受験)は散々でしたが、この結果があったからこそ、2年目の勉強のスタートダッシュを切ることができたので、受けてみて良かったと思っています。

2年目

2年目は、まずは中上級コースの講義を溜めないように講義を聞いていきました。基本的に勉強時間は息子のお昼寝中と夜寝た後なので、すぐに勉強にとりかかれるように、ダイニングテーブルにはテキストが常に積み上がっていました。また、寝かしつけた後は自分も寝てしまわないよう、アラームをセットするようにしていました。

子育てしながらの勉強は、勉強時間の確保が一番の課題だと思います。子育てには休日はなく、土日も朝から公園に連れて行ったりするため、まとまった時間が取れません。他の受験生よりも圧倒的に時間が足りない焦りが常にありました。だからといって、勉強のために息子にイライラしたりしたくありませんでした。そんなときに相談に乗ってくれ、良いアドバイスをくれたのは母でした。母も私と同じくらいの年齢の頃、私と姉を育てながら難関資格を取得したので、勉強の仕方や時間の確保についてのアドバイスはとても参考になり、また、子育てしながらでも諦めずに勉強を続けられたのも、母の影響がとても大きかったです。

母のアドバイスを聞いて取り入れたことの一つとして、リスニング学習があります。中上級コースの古川先生の講義の1.5倍速バージョンをすべてスマホに入れ、家事をしながら、子供と公園で遊びながら、買い物しながら・・・と1日の大半聴いていました。子供と遊んだり話しかけたりしながらでも聞けるように片耳だけにつけるイヤホンを購入しました。何かをしながらのため、頭に入ってこないときも多いですが、分からなかったところをあとでテキストで確認し、また同じところを聴く、というのを何度も繰り返して少しずつ穴を埋めていきました。この方法なら机に向かって勉強する時間が取れなくてもいつでも勉強できますし、育児や家事との両立を可能にしてくれました。古川先生の講義は横断整理の知識も盛り込んでくださるなど、耳で聞いているだけでもすっと頭に入ってきて知識の整理ができるので、とても有り難かったです。この繰り返しのリスニング学習が知識の定着を図るのにとても効果的でした。
また、なかなか覚えられないものを紙に書き出し、台所やトイレ、ダイニングテーブルの横の壁などに張り、何かをするついでに見られるようにしていました。

冬には息子の授乳も終わり、長い時間預けることができるようになったため、母や主人の協力を得て、勉強時間を増やしていけるようになりました。

そして、直前期の4月頃からは、月に3回まで利用できる一時保育の制度も利用できるようになり、母も週に2〜3日来てくれるようになったため、週の半分はまとまった勉強時間を確保できるようになりました。まとまった勉強時間が取れる日には、時間配分を試行錯誤しながら答練や模試を解き、時間内に解き終える練習をしていました。一時保育の時に泣いて離れない息子、そして、元気いっぱいな1歳男児相手にとても疲れるだろうに、たくさん面倒を見にきてくれる母を見て、「この貴重な勉強時間を絶対に無駄にしない!これ以上迷惑はかけたくない!今年絶対受かってみせる!」と強く思うようになり、これが勉強への集中力アップにつながっていたと思います。

しかし、講義の視聴に時間がかかり、本格的に過去問を解き始めたのが1月頃だったので、過去問の繰り返しがあまりできず、直前期の答練や模試では最高でC判定までしか取れませんでした。さすがに少し凹みましたが、この答練や模試を無駄にしないように「間違えた問題は絶対に間違えないようにすることだ!」と頭を切り替え、本試験までは間違えた問題の復習の計画を立て、ひたすら復習をしました。記述式についても、同じ論点が問われたら次は間違えないように、もう一度解き直しました。本試験の前日は早く寝ようと思っていましたが、復習していない問題が残っていたため、見直しが終わるまで起きて勉強しました。前日の夜遅くまで粘って復習した甲斐あって、本試験では前日に復習した問題も数問出て、問題を解きながら、最後まで諦めずに勉強して良かった!と思いました。その結果は午前90点、午後択一式84点、記述式43点と、これまでの答練や模試と比べても一番良い成績で合格することができました。

クレアールの教材の活用方法

通信教育の最大のメリットはやはり、講義を繰り返し聞けることだと思います。子育て中のこともあり、講義の途中で子供が起きてしまったりするため、自分のペースで聴けること、そして前述したように、スマホに入れれば好きな時に繰り返し聞けること、これが育児と家事と勉強の両立を可能にさせてくれました。

また、クレアールの択一六法は、条文を読むのが苦手な法律の初学者の私にとってとても有り難い教材の一つでした。講義で聞いたことや答練で得た知識などをたくさん書き込み、過去問を解いたら択一六法で調べるという形で、私は六法を使わず、択一六法のみで勉強しました。とにかく勉強が細切れで時間がなかったため、すぐに調べられ、分かりやすい理由付けや関連事項がまとめて書いてある択一六法はとても重宝しました。

また、分からないことがあったときには、司法書士講座受験対策室にメールで質問をしていました。かなり基礎的な内容の質問にも毎回とても丁寧に回答してくださり、とても有り難かったです。

最後に

私が子育てをしながら司法書士試験に合格できたのは、家族の協力と応援があったからです。司法書士を目指すきっかけをくれた父は、司法書士試験の経験者として、「範囲が広すぎる」「会社法が難しすぎる」・・・といった私の愚痴をたくさん聞いてくれ、勉強法のアドバイスをくれました。母は、息子の面倒をたくさん見てくれたのはもちろんですが、子育てをしながらの資格取得の経験者として、母として、そして妻としての先輩であり、勉強や育児、家事についてアドバイスをくれ、とても心強かったです。そして主人は、仕事が忙しい中、休日に息子を遊びに連れて行ってくれ、家事が溜まったり夕食にお惣菜が並んだりしても嫌な顔せず応援してくれました。勉強が進まず私がイライラしている時でも何一つ文句を言ったり怒ったりせず、よく我慢してくれていたなぁと、とても感謝しています。

子育てをしながらの勉強は、時間がなかなか確保できないことに不安と焦りを感じることも多かったですが、机に向かわなくてもできる勉強方法を工夫すること、そして、細切れだからこその緊張感と集中力アップを利用することで、十分合格は狙えると思います。
私の合格体験記が育児や家事をしながら合格を目指している方の参考になれば幸いです。

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