問題1 外国会社が日本に複数の支配人を置く場合において、登記されている日本における営業所が複数あるときは、すべての営業所の所在地において、それぞれすべての支配人の登記の申請をしなければならない。○か×か?

正しい。外国会社の登記において、変更登記や支配人の登記などを申請する場合、日本に営業所を設けているときは、当該営業所の所在地を本店の所在地と読み替えて申請しなければならない(会933条4項)。支配人の登記は、本店所在地において登記すべき事項(会918条)であるため、日本に複数の支配人を置く場合において、登記されている日本における営業所が複数あるときは、すべての営業所の所在地で、それぞれすべての支配人の登記を申請することになる(平18.3.31-782号)。【平20-29-ウ】
問題2 外国会社は、持分会社の社員となることができるが、その前提として日本において外国会社の登記の申請をする必要はない。○か×か?

正しい。外国会社が持分会社の社員となることは、「日本国内において継続して取引をする」(会817条1項)には該当しない(会818条1項参照)。したがって、持分会社の社員となる前提として、日本において外国会社の登記の申請をする必要はない。【平20-29-エ】
問題3 特例有限会社において、定款の定めに基づく取締役の互選により新たな者を代表取締役に選定した場合には、代表取締役の変更の登記の申請書には、代表取締役の就任承諾書に押された印鑑につき市町村長の作成した印鑑証明書を添付する必要はない。○か×か?

正しい。特例有限会社は取締役会を置くことができない(会整備17条)から、取締役の就任承諾書に押された印鑑につき市町村長の作成した印鑑証明書を添付する必要がある(商登規61条4項)が、定款の定めに基づく取締役の互選により、新たな者を代表取締役に選定した場合であっても、代表取締役の就任承諾書に押された印鑑につき市町村長の作成した印鑑証明書を添付する必要はない。【平19-32-エ】
問題4 特例有限会社は、株式の譲渡制限に関する規定の廃止の登記の申請をすることができない。○か×か?

正しい。特例有限会社の定款では、その発行する全部の株式の内容として株式譲渡制限の定めがあるとみなされているため(会整備9条1項)、当該定めと異なる内容の定めを設ける定款変更はできない(会整備9条2項)。したがって、株式の譲渡制限に関する規定の廃止の登記の申請をすることは認められない。【平19-30-オ】
問題5 定款に取締役の任期の定めを設けている特例有限会社について、当該会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したときであっても、みなし解散の登記がされることはない。○か×か?

正しい。特例有限会社には、休眠会社のみなし解散に関する規定は、適用されない(会整備32条、会472条不適用)。旧有限会社法には、休眠会社のみなし解散の規定が存在しなかったからである。したがって、定款に取締役の任期の定めを設けている場合であっても、特例有限会社には、休眠会社のみなし解散に関する規定は適用されないから、当該会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したときであっても、みなし解散の登記がされることはない。【平20-28-ウ】
問題6 特例有限会社がその役員について登記すべき事項は取締役、監査役及び清算人については氏名及び住所であり、また、当該特例有限会社に代表権のない取締役又は代表権のない清算人がいる場合には代表取締役又は代表清算人の氏名を登記する必要があるが、代表権のない取締役又は代表権のない清算人がいない場合には、取締役又は清算人の氏名及び住所とは別に代表取締役又は代表清算人の氏名を登記する必要はない。○か×か?

正しい。特例有限会社がその役員について登記すべき事項は取締役、監査役及び清算人については氏名及び住所であり、また、当該特例有限会社に代表権のない取締役又は代表権のない清算人がいる場合には代表取締役又は代表清算人の氏名を登記する必要がある(会整備43条1項、会911条3項13号、14号、17号、会整備43条2項、会928条1項1号、2号)。代表権のない取締役又は代表権のない清算人がいない場合には、取締役又は清算人の氏名及び住所とは別に代表取締役又は代表清算人の氏名を登記する必要はない。【平20-28-エ】
問題7 社員の氏名及び住所は、一般社団法人の登記事項ではない。○か×か?

正しい。社員の氏名及び住所は、一般社団法人の登記事項ではない(一般法人301条2項参照)。【平23-34-イ】
問題8 一般社団法人の公告方法として「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」を登記することができる。○か×か?

正しい。一般社団法人の公告方法として「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」が認められており(一般法人331条1項4号)、それを登記することができる(一般法人301条2項16号、一般法人施規88条)。【平23-34-エ】
問題9 合資会社の有限責任社員の入社による変更の登記の申請書には、就任承諾書及び入社の事実を証する書面を添付しなければならない。○か×か?

誤り。合資会社の有限責任社員の入社による変更の登記の申請書には、入社の事実を証する書面を添付しなければならない(商登111条、96条1項)。しかし、就任承諾書の添付は要求されていない。【平17-29-ウ】
問題10 社員総会の決議により解散した一般社団法人を合併後存続する一般社団法人とする合併による変更の登記の申請は、することができる。○か×か?

誤り。解散した一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることはできない(一般法人151条)。したがって、解散した一般社団法人を合併後存続する一般社団法人とする合併による変更の登記は申請できない。【平25-35-ウ】
問題11 社員の資格の得喪に関する定款の定めは、一般社団法人の登記事項である。○か×か?

誤り。社員の資格の得喪に関する定款の定めは、登記事項とはされていない(一般法人301条2項参照)。【平25-35-オ】
問題12 合資会社の有限責任社員の出資の価額の増加による変更の登記の申請書には、総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。○か×か?

正しい。合資会社の有限責任社員の出資の価額は、定款の記載事項である(会576条1項6号)から、その変更には、総社員の同意を必要とする(会637条)。したがって、合資会社の有限責任社員の出資の価額の増加による変更の登記の申請書には、総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない(商登111条、93条)。【平18-35-エ】
問題13 持分会社が解散し、業務を執行する社員が清算人になった場合には、清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。○か×か?

正しい。持分会社が解散し、業務を執行する社員が清算人になった場合には、清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない(商登99条1項1号、111条、118条、会647条1項1号)。定款の添付が要求さるのは、清算株式会社では清算人会の設置の有無を確認するためであるが、持分会社では定款に清算人に関する定めがないことを確認するためである。【平18-35-オ】
問題14 合資会社の業務を執行しない有限責任社員の持分の一部の譲渡による変更の登記の申請書には、定款に別段の定めがある場合を除き、その譲渡につき総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。○か×か?

誤り。合資会社の業務を執行しない有限責任社員の持分の全部又は一部の譲渡は、業務を執行する社員の全員の承諾があれば譲渡できる(会585条2項)。したがって、業務を執行しない有限責任社員の持分の一部の譲渡による変更の登記の申請書には、その譲渡につき業務を執行する社員の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない(商登111条、93条)。総社員の同意があったことを証する書面の添付が要求されるものではない。【平22-34-ア】
問題15 合名会社の社員の持分の差押えによる当該社員の退社の登記の申請書には、当該持分に係る差押命令書並びに当該合名会社及び当該社員あての退社予告書であって事業年度の終了時の6か月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の当該社員の退社の事実を証する書面の添付を要しない。○か×か?

誤り。合名会社の社員の持分の差押えをした債権者は、6か月前までに当該会社及び当該社員あてに退社の予告をすることによって、事業年度の終了時において当該社員を退社させることができる(会609条1項)。したがって、合名会社の社員の持分の差押えによる当該社員の退社の登記の申請書には、当該持分に係る差押命令書並びに当該合名会社及び当該社員あての退社予告書であって事業年度の終了時の6か月前までに退社の予告をした事実が判明するもの等の当該社員の退社の事実を証する書面を添付することを要する(平18.3.31-782号)。【平22-34-エ】
問題16 日本に営業所を設置していない外国会社が日本における複数の代表者を定めた場合には、外国会社の登記は、その代表者のうちいずれかの住所地を管轄する登記所にすれば足りる。○か×か?

誤り。日本に営業所を設けない外国会社が日本で取引を継続する場合は、日本における代表者の住所地を管轄する登記所において、外国会社の登記を申請しなければならず(会933条1項1号)、日本における複数の代表者を定め、各代表者の住所地を管轄する登記所が異なっているときは、それぞれの日本における代表者の住所地の管轄登記所に、外国会社の登記の申請をしなければならない(会934条1項参照)。【平16-33-イ】